八坂神社(やさかじんじゃ)
祭神は素戔鳴尊すさのうのみこと(牛頭天王ごずてんのう)  
京都市東山区祇園町北側625


 八坂神社は四条通の最東端に鎮座している。鴨川に架かる四条大橋の上から東山方向を眺めると、正面に朱塗りの楼門が見える。八坂神社の西楼門(重文)である。正門は下河原通に面した南楼門であるが、ほとんどの参拝者は四条道に面した西楼門を正門と思っている。なお、八坂神社の東隣は円山公園。維新後、新政府は神仏分離令の下、明治4年(1871)に祇園感神院(現八坂神社)や長楽寺安養寺などの寺領を接収して、市民の憩いの場として明治19年(1886)に造営された。作庭は小川治兵衛。
 八坂神社の社名になったのが神仏分離後で、それまでは祇園社(ぎおんしゃ)とか祇園感神院(かんじんいん)と呼ばれていた。現在も、一部の石灯籠や鳥居に「
祇園社」の名が残っている。こうした事情からか、地元のお年寄りは八坂神社を「祇園さん」と親しみのある呼び方をしている。

正門の南楼門 本殿 舞殿

 八坂神社の祭神は、中御座・素戔鳴尊(旧牛頭天王)、東御座・櫛稲田姫命、西御座・八柱御子命。創建は、平安京建都(794)より早く、その約140年前の斎明天皇2年(656)に高麗国から来朝した調進使の伊利之使主(いりしのおみ)が、新羅国の牛頭(ごず)山に鎮座していた牛頭天王(素戔鳴尊)の神霊を愛宕郡八坂郷に遷し「祇園社」としたとされている。伊利之使主は八坂造の姓を賜り、一族が東山一帯に在住。祇園社はこの八坂郷の守護神。(八坂神社の南にある八坂の塔で知られた「法観寺」も八坂造の氏寺ではないかとされている)。また、平安遷都の約80年後の貞観18年(876)に、興福寺(南都)の修行僧円如が牛頭天王を祀ったのが始まりという説もある。
 本殿は南に面し、南楼門を潜ると目の前が舞殿で、その奥に本殿がある。もとは別棟であった本殿と拝殿を承平5年(935)から寛和2年(986)に、一つの大屋根で覆った形に改築され祇園造といわれる。内陣中央に素戔鳴尊(すさのおのみこと)、東に櫛稲田姫命(くしいなだひめのみこと)、西に八柱御子神(やはしらみこのかみ)を祀る。
  境内末社は多く、西楼門を潜ったところに疫神社、太田白鬚社、蛭児社、悪王子社、大国主社、本殿西側に大年社、十社、北側に厳島社、祖霊社、刃物社、日吉社、東側に美御前社、大神宮社がある。その他、建物として絵馬舎、神輿庫、能舞台などもある。

悪王子社(あくおうじしゃ):
祭神:素戔鳴尊の荒魂。悪王子の「悪」とは強力の意であり、「荒魂」は現実に姿を現す霊験あらたかな神の意である。諸願成就の御神徳で知られている。東洞院四条下る元悪王子町から移動を重ね、明治10年(1877)に当地に移された。
美御前社(うつくしごぜんしゃ):
祭神:市寸嶋比賣命・多紀理比賣命・多岐都比賣命。美御前の名のとおり、美を象徴する三女神。宗像三女神といい、清浄・潔白の証となった神々。古くから祇園の芸妓さんや舞妓さんなど、美しくなりたい願望をもつ女性の崇敬を集めている。
美用水:
 美御前社鳥居脇にある「美容水」。
この水を2、3滴、顔などに塗ると美しくなると書かれている。左の写真に女性が写っているが、二人も 説明書きどおりにやっていた。「美しくなりやー」

  八坂神社の祭礼の中で有名なのが日本三大祭りの一つの「祇園祭」、そして大晦日から元旦にかけて行われる「白朮詣(おけらまいり)」。祇園祭は、平安時代の始め、都に疫病が大流行した時、疫病を鎮めるために、悪魔退散祈願として66本の矛(ほこ)を立て祇園社から神泉院へ神輿を送った神事に始まるとされる。神事はその後、現在のような山鉾へと変貌をとげ、最盛期には58基が巡行。応仁の乱(1467)で中断するが室町後期の明応9年(1500)に復興、しかし山鉾は36基と減ったという。その後、江戸時代に入り京都の商工業の発展につれて祭りも華やかさが戻り、現在に至っている。祇園祭は、7月1日から1ヶ月間に及ぶ祭りだが、メインは7月10日の鉾立てから16日の宵山、17日(旧暦では6月7日)の山鉾巡行。
 もう一つの「白朮詣(おけらまいり)」は、12月31日 の大晦日の午後7時半頃 から元旦の午前5時頃まで京都の人が一年のお祓いと新年の家内安泰・無病息災の祈願の行事。この時は、鴨川から八坂神社の間の四条通は歩行者天国となる(午後11時頃〜1月1日午前5時頃まで)。

平忠盛灯籠:白河法皇が祇園女御のもとへ 向かっていたとき、闇夜に怪しげな姿に気付き、供の忠盛に「あれを討て」と命じたという。忠盛は討つことなく生け捕りにした ところ、蓑を被り、油壺と松明りを持って灯籠に献灯しようとしていた祇園の社僧であったという。忠盛の慎重な行動が無駄な殺生を避けた。灯籠は、その当時のものと伝えられ、本殿の東側にある。 京の名水にも選ばれている「湧水」。境内の「大神宮」南にある。 祇園祭・宵山(上段)/巡行(下段)

 ◇八坂神社の所在地など
・住所:〒605-6155京都市東山区祇園町北側625  
・電話:075-561-6155
・一般拝観:境内自由
・アクセス:市バス206番で祇園下車徒歩5分。京阪電鉄四条駅下車、阪急京都線河原町駅下車徒歩15分。
・八坂神社HP: 
http://web.kyoto-inet.or.jp/org/yasaka/

大晦日の夜の祭礼「白朮詣(おけらまいり)」は、一年のお祓いと新年の家内安泰・無病息災の祈願の行事 

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