頂法寺(通称六角堂) (ちょうほうじ(ろっかくどう))
天台宗単立寺 頂法寺  山号・紫雲山  <西国巡礼十八番札所>
京都市中京区六角通り烏丸東入ル堂ノ前町248

 六角堂は、京都市街のほぼ中心にあたる烏丸通六角(通り)を東へ入ったビルの谷間にある。六角堂は通称であり、正しくは頂法寺(ちょうほうじ)という。六角堂と呼ばれるのは 、本堂が六角宝形造りとなっていることから。この地は、もと山背(やましろ)国折田(くしだ)郷土車(つちぐるま)里と呼ばれたところ。六角堂の創建は古く、平安遷都以前の用明天皇2年(587)に聖徳太子が建立したとされている。現在でこそ市街の中心のオフィス街であるが、建立された頃は樹木が生茂る林であった。太子は四天王寺(大阪)建立のため用材を求めてこの地へ来られ、旅の疲れを流すために池で水浴された。そのとき傍の大樹に掛けた護持仏の観音が木から離れなくなり、夢のお告げで観音がこの地に留まり衆生済度を望まれたという。 このことをうけ太子は六角の堂を建て、護持仏の観音を安置されたのが伽藍建立の最初と伝わる。

おみくじ札が結ばれた本堂前の柳 本堂前の古跡の礎石(へそ石) 聖徳太子二歳像が安置されている本堂北にある太子堂

  六角堂建立後、その守護を小野妹子大臣に命じられた。妹子は入道(僧となって)して、太子が沐浴した池の傍に坊を営み、その号を「池坊」(現在の本坊)とした。以来、子孫が住職を務め、守護にあたり 続け1400余年もの歴史をも。また、六角堂は日本の生け花発祥の地であり、池坊華道の拠点。これは、朝夕御前に花を供えるとした太子の教えを代々伝えるなか、室町時代の文明年間(1469〜1486)に12代専慶が立てた花の名手と称えられたのに始まり、室町後期には専応が生け花の理念を確立したことによるもの。なお、本堂北側の太子堂辺 りに、「太子沐浴の古跡」として枯山水の庭がある。
 1400年余り同じ場所にあり続けた六角堂ではあるが、正確には創建時より少し北側へ移動しているとか。それは平安京の造営のおり、この堂が道の中央にあったため、都造営役人たちが堂を他所へ移動しようとした。すると一夜にして堂が北へ15m余り移動し 、痕には堂の礎石のみが残っていたという。これにより、堂を移動させずに済んだという。本堂前にその古跡の礎石(へそ石)が見られ、この「礎石」を京都市街の中心石として「へそ石」と呼ばれている。
  六角堂は平安時代から庶民に信仰を集めいた寺といえる。京都の社寺の殆どは戦乱や大火で焼損し、再建された歴史を持っていて六角堂の場合も例にもれず天治2年(1125)に最初の火災に遭っている。その後の応仁の乱(1399)以降、下京の町衆が集まる町堂となり、その後の天文法華の乱(1536)などでは、町衆が集まり被害を小さくしたという。下京の町堂に対して上京の町堂は西国巡礼三十三所中の十九番札所の革堂(行願寺)である。なお、寛永18年(1641)の再建では朝廷から寄付を得て本堂、山門、築地などを復興。現在の御堂は、明治9年(1876)に再建したものである。
  六角堂は西国巡礼三十三所中の十八番札所で。長徳2年(996)正月、花山法皇が当寺へ行幸されたのが巡礼の始まり。

高所から見ると、本堂が六角形と分かる 巡礼の人で賑わう本堂 本堂の東にある親鸞堂

  また六角堂は、浄土真宗の開祖親鸞上人(1173〜1262)がこもったところでも知られている。親鸞上人は比叡山延暦寺で 求道の生活を送っていた建仁元年(1201)29歳のとき、天台宗は民衆の救済につながらないなどの疑問を持ち、毎夜、比叡山から六角堂本堂に百日参籠されることを決心。それは、上人が「和国の教主」として尊敬していた聖徳太子の導きによって宗教的苦悩の解決を図ろうとされてのこと。そして参籠を始めて九十五日目の暁の夢で、太子から(六角堂の本尊から)「法然の許へ行け」との示現を得た。このお告げによって、また再び百日参籠を始められ、六角堂から吉水(東山・知恩院の東)の法然上人の許へと通ったという。それから2年後、新しい浄土真宗を開かれた。なお親鸞は、六角堂参籠の6年後、後鳥羽天皇の宣下により危険思想として越後国国府(現在の新潟県上越市)に流され、法然上人も流罪となった。この事件を「承元の法難」と呼ぶ。
  六角堂の南側、六角道(ろっかくどおり)を隔てた飛び地に鐘楼がある。掛けられている梵鐘は慶長10年(1606)、秀吉公の臣である堀尾吉晴の嫡男忠氏(ただうじ)が寄進した。加茂川の氾濫や町に火災が発生した際、この鐘を撞いて急を知らせたという。鐘は第二次世界大戦のとき献納されており、現在の鐘は昭和29年に鋳造された復元品。

秀吉公の臣である堀尾吉晴の嫡男忠氏(ただうじ)が寄進。現在は二代目の鐘。 花山法皇が行幸されたのにちなみ本堂横に植えられている御幸桜は早咲きで、京都の春を告げるとされる。 一言願い地蔵

◇頂法寺(六角堂)の所在地など
・住所:〒604-8134 京都市中京区六角通り烏丸東入ル堂ノ前町248      ・電話:075-221-2686
・拝観:境内自由
・アクセス:地下鉄烏丸線「御池駅」下車、徒歩約5分。


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