庭園に琴の音の安らぎ


社寺拝観などで出会った水琴窟を紹介

 水琴窟は、日本庭園の造園技術の一つといえる。庭の片隅に造られた茶室近くの蹲踞(つくばい)、また縁先の手水鉢から溢れ出た水や、手を清め捨てた水を利用する日本独自の庭園の音響装置。
 千年の都・京都には、多くの日本庭園が残されているが、江戸時代以前に造られた古い寺院や旧家などの庭園の殆どはは、植木や岩そして砂や水を組み合わせた景観を楽しむ庭園といえ、水琴窟は見られない。
 
水琴窟が造られ始めたのは江戸中期といわれている。この時代、京都や江戸の裕福な商人の間で庭が造られ始めている。それも座敷に調和した贅を尽くした庭で、一部の商家では丁重に客をもてなすため、庭に競って茶室を造っている。豪商・千利休が茶道を大成させたのがこの時代で、茶室の入口には蹲踞が置かれ、書院の縁先には手水鉢が置かれるようになった。初めは、水で手を清めた後の水を地中に埋めた甕(かめ)に溜めていた。ある時、その甕に落ちる水滴音が琴に似た優しい響きであることに、庭師が気づき水琴窟が産まれたといわれている。
 水琴窟は、小堀遠州が創案した蹲踞から溢れ出た水を処理する「洞水門」が起源だともいわれていて、その造作には高度な技術が必要であったと伝えている。また、水琴窟という名は琴に似た音から名付けられたとされるが、いつ誰が名付けたかは全くわからない。
  こうして産まれた水琴窟。地中から聞こえる風流な音に人気が出て、江戸時代から明治、大正にかけて各地で造られている。しかし、昭和に入り次第に忘れられていたが、近年、テレビ放送をキッカケに見直され、再び身近なところで水琴窟と出会えるようになった。
 ここで、京都で聴ける代表的な水琴窟を紹介しますので、機会があれば風流な音を耳を澄ませて楽しんでください。なお、紹介するのはほんの一部です。他の社寺や個人の邸宅(非公開)、公共施設などで水琴窟にであった時はこの記事を思い出してください。


□水琴窟? 

□ 宝泉院(ほうせんいん):左京区大原勝林院町
□ 圓光寺(えんこうじ):左京区一乗寺小谷町
□ 瑞春院(ずいしゅんいん):上京区上立売通烏丸東入る
□成就院
(じょうじゅいん):東山区清水町
□ 退蔵院(たいぞういん):右京区花園妙心寺町
□ 正法寺(せいほうじ):西京区大原野春日町
□ 大橋家
(京都市登録文化財):伏見区深草開土町


宝泉院 ほうせんいん 左京区大原勝林院町
「理知不二」と名付けられた水琴窟。
大原三千院を訪れた人の人気のお寺。

宝泉院については、当HPの「うろちょろ京都散策」の中で詳しく紹介していますのでご覧ください。

宝泉院
京都市左京区大原勝林院町
187

TEL:075-744-2409  
拝観時間:9:00〜17:00/無休
拝観料:600円(茶菓付)

  大原の山並と竹林を借景にした額縁庭園が心を癒す。春「新緑」と秋「紅葉」の水琴窟が響くライトアップは人気。  

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圓光寺 えんこうじ 左京区一乗寺小谷町
紅葉の名所で楽しむ水琴窟。
水琴窟は庭園に入ってすぐ左手にあ り柄杓(ひしゃく)で水を落すと金属を叩いた時のようにキンという音が響いてきます。

圓光寺については、当HPの「うろちょろ京都散策」でも詳しく紹介していますのでご覧ください。

圓光寺
京都市左京区一乗寺小谷町13

TEL:075-781-8025
拝観時間:8:30〜16:30
拝観料:300円

  最近は秋に夜の拝観が行われるなど、多くの人が訪れています。境内庭園には洛北で一番古い池・栖龍(せいりゅう)池があります。  

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瑞春院  相国寺塔頭 ずいしゅんいん 上京区上立売烏丸東入ル
瑞春院は水上勉著「雁の寺」の舞台として有名。
茶室「久昌庵」の横で響く、水琴窟の優しい音は聴く人々に安らぎを与える。
人気の高い水琴窟のひとつ。
相国寺 塔頭瑞春院
京都市上京区


TEL:075-431-3703

通常非公開
(平成23年1月訂正)

  水琴窟のある庭園  

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成就院  清水寺塔頭 じょうじゅいん 東山区清水町

清水寺の塔頭の成就院の庭園にある。
この成就院の庭園は、京の雪月花三名園の一つ「月の庭」と呼ばれる庭園。水琴窟は、西庭を望む広縁にある。写真、右の2本の竹筒で聴く。
成就院
京都市東山区清水一丁目 (清水寺境内)
・TEL:075-551-1234
・特別拝観時のみ拝観できる
・アクセス:市バス204、206、207、特207 「 清水道」「五条坂」下車徒歩約10分
  京の三名園の一つ「月の庭」  

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退蔵院  妙心寺塔頭 たいぞういん 右京区花園妙心寺町

水琴窟は、回遊式庭園「余香苑」にある。
広大な池に注ぐ滝、水琴窟、ししおどしなど、至るところに水音がある庭園。水琴窟の音は小さく繊細なので、傍に置いてある竹筒を使って聞きます。
退蔵院
京都市右京区花園妙心寺町35

TEL:075-463-2855  
拝観時間:9:00〜17:00/無休
拝観料:400円
URL:
http://www.taizoin.com/

  平安時代の趣のある春の南庭「余香苑」  

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正法寺 しょうほうじ 西京区大原野南春日町

不動堂前の水琴窟「法寿泉」。
枯山水石庭は、「鳥獣の石庭」の名前で、東山を借景にしている。 筋向かいに大原野神社 がある。

法寺については、当HPの「うろちょろ京都散策」でも 詳しく紹介していますのでご覧ください。
 

正法寺
西京区大原野南春日町1102

TEL:075-331-0105  
拝観時間:9:00〜17:00/無休
拝観料:300円
  「鳥獣の石庭」の傍にある。  

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大橋家 苔涼庭 おおはしけ たいりょうてい 伏見区深草開土町

伏見稲荷神社の北側にある。
庭内に2ヵ所の水琴窟があり、いずれも江戸時代の作といわれている。
造園家小川治兵衛の監修で先代が趣味で集めた庭石、石灯籠で構成された庭
(京都市登録文化財) 。
下の蹲踞(つくばい) 縁先手水鉢(えんさきちょうずばち)  

大橋家(個人)
京都市伏見区深草開土町45−2

TEL:075-641-1346
拝観時間:9:30〜17:00
定休日:水曜日
拝観料:500円
(個人のお宅のため、出来れば事前に電話連絡を・・・)

伏見稲荷大社の北側にある大橋家の表門。 玄関すぐ左手の窓から庭園「苔涼庭」を見る。  

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