
鞍馬寺 (くらまでら)
鞍馬弘教総本山 松尾山金剛寿命院(鞍馬寺) 京都市左京区鞍馬本町1074 〒601-1111
牛若が天狗から剣術を習った鞍馬山
鞍馬寺へは叡山電車を利用すると出町柳駅から約30分。駅を出ると迎えてくれるのが真っ赤な大きい天狗の面。土産店が並ぶ街道へ出ると目の前に鞍馬寺への長い石段が見える。石段の上が仁王門。門が俗界と浄域との境とされ、門内は聖域である。ここ鞍馬山一円は、鞍馬山自然科学博物苑とされていて、仁王門のところで愛山費200円を払って境内に入る。なお、鞍馬寺は牛若(源義経の幼名)が7歳から16歳までの間、修行したことでよく知られている。
仁王門を潜り、左手の坂道を登って行くと由岐神社へ、右手は一気にを登るケーブル山門駅がある。ここで、歩いて登るか?ケーブルで登るか?迷う。どちらのルートも本殿金堂へは行けるのだが・・・。
迷いの理由は、左手の坂道ルートの場合、本殿金堂まで約30分の登り道。途中には魔王の碑そして由岐神社、川上地蔵堂、義経供養塔などの見所が多くお勧めだが、地道の山道のうえに多宝塔と毘沙門天堂、弥勒堂を見ることが出来ない。
ケーブル利用(片道100円)の場合は、約2分で120mも登るので、疲れている時には嬉しい。ケーブルを降りると、前に毘沙門天堂、多宝塔さらに弥勒堂を経由して本殿金堂となる。しかし、由岐神社や義経供養塔などの牛若ゆかりの場所を見ることが出来ない(本殿金堂から奥の院へ行かず引き返すなら、往きをケーブルで、帰りは由岐神社経由の徒歩を勧める)。どちらかのルートで本殿金堂へ。
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| 鞍馬寺の仁王門。現在の仁王門は明治44年(1911)に再建されたもの。 | 鬼一法眼(きいちほうげん)社 。牛若丸に兵法を授けた武術の達人鬼一法眼(*末尾参照)が祀られている。当時、一条堀川(現在の清明神社のある付近)に住んでいた陰陽師といわれている。 | 魔王の滝。鬼一法眼社の奥にあり、崖の上の祠には魔王尊石像が祀られている。 |
ここでは、坂道を登るルートで紹介する。登り始めてすぐに右手に魔王の滝、そして鬼一法眼(きいちほうげん)社。次いで由岐神社。この由岐神社の脇に、牛若の守り本尊と伝える地蔵尊を祀る川上地蔵堂。そこを通り、しばらく登ると義経供養塔がある。この供養塔のある場所は、牛若が7歳にして預けられた鞍馬寺別当東光坊跡。ここで阿闍梨蓮忍の弟子覚日から遮那王
(しゃなおう)の名をもらい僧侶に仕えながら学問を学んでいる。やがて毎晩ここから武術を習いに奥の院まで通ったのであろう。
さて、この供養塔から額に汗をにじませ九十九折の参道をて進むと、道は石段に変わる。中門、さらに息をはずませ登ると本殿金堂となる。
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| 由岐神社。鳥居の奥に見える拝殿は、慶長12年(1607)豊臣秀頼が再建したもので、国の重要文化財。写真の右手へ迂回すると牛若ゆかりの「涙の滝」がある。 | 牛若の守り本尊の地蔵尊を祀る川上地蔵堂。剣術修行のかたわら、この地蔵堂へ寄っていたのだろうか。 | 牛若が6歳から修行のために暮らした東光坊跡に建てられた義経供養塔。 この東光坊に預けられた牛若は、毎晩、僧正が谷まで約2kmの山道を剣術修行に通ったことになる。 |
| ケーブルで登ると毘沙門天堂、多宝塔などが⇒ |
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| 毘沙門天堂 | 舎利宝塔と尊天三尊像が祀られている多宝塔。昭和35年(1960)、この地に再建された。 |
なお、歩きたくなくケーブルを利用した場合。多宝塔駅で降りると、毘沙門天堂、多宝塔さらに緩やかな坂道を進むと弥勒堂を経由して本殿金堂となる。
本殿金堂前の見晴台からは山並み(比叡)が一望でき、その景色は季節を問わず美しい。本殿金堂の右側に閼伽井護法善神社(あかいごほうぜんじんじゃ)があ
り2匹の蛇が祀られている。千年ほど昔、修行していた上人を二匹の蛇が襲い雄蛇は討たれ、「竹伐り会式(たけきりえし)」の由来となった。雌蛇は本尊に捧げるお香水を永遠に絶やさないということを誓ったので、ここで祀られたと言い伝えられている。「竹伐り会式」は千年ほど昔から続いていて、法師の姿をした
二組の僧侶が大蛇に見立てた青竹を伐る、その早さを競う古式行事。毎年6月20日に行われている。
鞍馬寺は、奈良時代の宝亀元年(770)、鑑真(がんじん)和上の高弟鑑禎(がんてい)上人が毘沙門天像を彫し、草堂を結んだのが起こり。その後、延暦15年(796)東寺建設の担当長官であった藤原伊勢人(巨勢麿の第七子)が神のお告げによって堂塔・伽藍を中興し
、寺としての体裁を整え千手観世音菩薩も併せて祀り、平安京の北方鎮護の道場としたと伝える。宗派は、当初は法相宗で次いで真言宗、天台宗と改宗され、昭和22年(1947)独自の鞍馬弘教を開祖し、昭和24年(1949)に総本山となっている。本尊は千手観世音菩薩、毘沙門天王、護法摩王尊の三尊。ここ鞍馬寺では、この三身を一体として「尊天(そんてん)」といわれていて、近世は福や徳の神として広く信仰されている。
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| 本殿金堂.。千手観世音菩薩、毘沙門天王、護法摩王尊の三尊尊天を祀っている。 | 息つぎの水(補修工事中で水は止まっていました) 。牛若が剣術修行に奥の院へ行く途中、ここで喉を潤したという。 | 牛若が16歳のとき、奥州の藤原秀衡を頼って行く前に、名残を惜しんで背比べした石(柵のなかの石)。「源義経公背比石」の石碑が前に建つ。 |
本殿金堂の左手に奥の院への道がある。道は細く急な石段。直ぐに霊宝館(12月12日〜2月末までは休館・別料金)となる。霊宝館の前に与謝野晶子の書斎を移築した冬柏亭(とうはくてい)があり 、その脇に奥の院への石段を登り始めてすぐに牛若(遮那王)が剣術修行に通う途中、喉の渇きを潤した湧き水に出会う。「息つぎの水」の表示と柄杓が置かれている。私も息つぎをしたかったが運悪く補修工事をしていたので素通りする(この記事が読まれる頃には工事も終わっている)。道はさらに登り、屏風坂の地蔵堂、そして牛若(遮那王)が16歳で奥州へ旅立つ前、名残を惜しんで背比べしたと言い伝えのある「背比べ石 」が木枠に囲まれた中にある。この辺りは登り続けて息絶え絶えで苦しい頃だが、余裕があれば左へ折れて進むとよい。木の根道を行くと大杉権現社がある。名のとおり辺りは杉の大木が並び、木立で日が遮られ、薄暗く神秘的だ。牛若(遮那王)がここで天狗から剣術を習ったところだが、今はベンチもある ので一休みできる。
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| 地盤が固く、地下に根を張ることができない杉の根(大杉大権現社への木の根道)。 | 大杉権現社 。周辺の大杉の樹齢は千年近く「護法魔王尊影向の杉」として、大杉苑瞑想道場とされている。 | 牛若はこの辺り一帯で剣術修行に励んでいた。木の根道も大杉権現社も、そしてこの不動堂の周辺も絶好の稽古場だったのだろう。 |
大杉権現社から元の道へ戻り(左手の方に抜け道があるので、その明示板を見つけよう)僧正ヶ谷(そうじょうがだに)不動堂へ向かう。この辺りが一番高く、(仁王門を0として235mも高い)「背比べ石」を境に道は下り坂となっている。足を滑らさないように注意して歩いていると、貴船側から無言で息を弾ませ登って来た人と出会う。「もう直ぐで頂上ですよ」なんて声を掛け、先ほどまで自分が味わっていた苦しさも何のその、余裕ですれちがう。やがて僧正ヶ谷不動堂で、堂には伝教大師が刻んだとされる不動明王が祀られている。近くに義経堂がある。さらに木の根道を歩く。鞍馬山は、二億六千年前に海底火山の隆起によって出来た山とされ、地層が硬く地表に芽生えた杉の木の根は地面を這うように根を張るという。その道を「木の根道」といい、本殿から奥の院魔王殿までには「木の根道」が何箇所かあり、鞍馬山の名所となっている。
しばらくすると、奥の院魔王殿。650万年前、金星から地上に降りてこられたサナト・クラマ(護法魔王尊)が祀られている。ここからは、さらに急な下りの道で、周りの杉木立を楽しんでいると、一気に貴船側の鞍馬寺西門に到着する。仁王門から約1時間の道程。西門を出ると貴船川に架かる赤橋で、川上に鎮座する貴船神社へ寄る人が多い。疲れてしまった人、帰りを急ぐ人は川下へ往くとバス停「貴船」がある。バスは、12月から翌年の春分の日までは運休だが、利用すると貴船川添いを約4分で叡山電鉄「貴船口」に着く。徒歩で帰るなら約2キロ(約30分)の距離。
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| 牛若、のちの源義経は、奥州衣川で亡くなったが、魂は懐かしい鞍馬寺に戻り、遮那王尊としてこの義経堂 に祀られ、護法魔王尊にお供えしていると信じられている。 | 奥の院魔王殿 。650万年前、金星から地上に降りてこられた神、護法魔王尊が祀られている。 | 鞍馬寺西門 を出て貴船川に架かる端を渡ると貴船神社へは直ぐ。 |
市街から鞍馬寺に至る街道(府道京都広河原美山線)沿い、叡山電車「貴船口駅」の東南、川を越えたところの鞍馬小学校の横に「鬼一法眼(きいちほうげん)之古跡」(墓碑)がある。
鬼一法眼は六韜(りくとう)兵法書を秘蔵したとして知られる。六韜は周(中国)の太公望が著した兵法書で、当時の最高級の兵法極意書であった。牛若はこの兵法を極めようと、鬼一法眼に願い出
たがつれなく断られる。それであればと法眼の娘に言い寄り持ち出させ、六韜を暗記
してしまったと伝えられている。六韜兵法を学んだ牛若は、その後の一の谷の合戦、壇ノ浦の合戦などの平家との戦では際立った作戦で勝利を納めている。現在、この兵法書は鞍馬寺に秘蔵されると伝える。鬼一法眼(きいちほうげん)は、一条堀川(現在の清明神社のある付近)に住んでいた陰陽師といわれている。
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◇鞍馬寺の所在地など
・住所:京都市左京区鞍馬本町1074 〒601-1111
・電話:075−741−2003
・拝観時間:6月〜8月は9:00〜17:00、9月〜5月は9:00〜16:30
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拝観料:愛山費として200円
・アクセス:叡山電車「出町柳駅」から約30分にて終点「鞍馬駅」到着、徒歩約3分で仁王門。