青春18切符編


ここが見近島

さてさて、これから始まります物語。
それは、子どもの頃に読んだ「宝島」か?
それとも「ロビンソン・クルーソー」か?
無人島と言う言葉の持つ冒険心に心踊らされた
かつての少年2人組の行き当たりばったりな旅の物語









大阪発、岡山下車

僕がJR大阪駅に着いた時には今回の旅の相棒の上田君は
ずっと早くからそこにいたのか、少し待ちくたびれた顔をしていた。
それは、これから始まる行き当たりばったりで少し冒険心をくすぐる
そんな今回の旅に対する期待と不安の現れだったのかと思う。

「まず、どこへ行く?」  「さあ?どこ行きたい」

こんな会話から旅を始められる自由さは快感だった。
(家出か失踪と思われたりして・・・なんて事もちょっと考えたけど・・・)

でも、本当にどこにでも行ける気がしていた。僕も、たぶん彼も。
僕らの背負うザックの中には食料、テント、寝袋、コンロ・・・・・
その気になればどこへだって何日だって旅を続けられるだけの装備と
そして、自由と夢を詰め込んでいたのかも知れない。

なーーんちゃって・・・(かっこつけすぎ!!)

何はともあれ駅員のいる改札口を探した。
そう、今回の旅は自動改札を通らないのだ。

なぜって?  「青春18切符」  30を過ぎた二人が「青春」だの「18」だの
ちょっと恥ずかしさも有るけど、僕はこの切符が気にいった。
どこへでも行ける自由さもいいが、無機質な自動改札を通るのではなく、
人の手から人の手へ渡る1枚の切符。

乗ってから24時間以内ならどこで途中下車してもかまわない切符。
それは、僕と彼にとって「銀河鉄道999」の無期限有効のパスみたいな
切符だった。

とりあえず、電車に乗った僕たちは西へ向かった。

大橋家住宅ここで、ちょっと降りてみようか?そんな気楽さで降りた駅、そこは倉敷だった。
それも、ただ食事をするという、ただそれだけの目的での途中下車。
まさに自由な旅の始まりだった。

倉敷は観光地で多くの観光客がいた。その中で大きなザックを背負った二人は
はっきり言って浮いていた。
でも、こんなうきうきした顔の大人は他にあまりいないんじゃないかとも思った。
倉敷川沿いにある「浜吉ままかり亭」でママカリ寿司と豆腐饅頭、デザートに桃を食べて
観光案内所の大きな観光案内板を見た。

「国指定重要文化財、大橋家住宅」

なんだかわからないけど、見に行こう!

先を急ぐ旅では無いと、その日本の旧家のたたみの上で大の字に寝ころんだ。
もう、お昼も過ぎているが今日はどこまで行って、どこに泊まるんだ。なんて事は全く考えてなかった。

続いて「岡山ー広島編」です

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