今回のお話も、パフェとカカオがラムネスに出会う前のお話です。
そう、パフそれはキラキラ神霊界がアブラームに制圧される前のときのこと・・・。
ある日、カカオの部屋に向かって1冊の本を持って歩いている一人の少女がいた。
パフェである。
彼女はカカオに借りていた本を返しに行くところだった。
「この小説、けっこう面白かったなぁ♪ また別な本、貸しても〜らおっと!」
カカオの部屋の前に来たパフェはドアをノックした。
コン、コン、コン
ドアの向こうからの返事はない。
「ありゃ、いないかな? カカオ〜?」
もう一度ノックをしてみるが、やはり返事はない。
「いないのかなぁ・・・。」
諦めきれないパフェは、ドアノブを握って回してみると鍵はかかっていない様子だった。
「開いてる・・・。カカオ、いるの〜? 入るわよ〜。」
そう言ってパフェがドアをほんの少し開けたとき・・・
『キャッ! 入ってますっ!』
と、カカオとは違う若い女性の声が。
「あ、え? え? え? ご、ごめんなさいっ!」
驚いたパフェは慌ててドアをバタンと閉めた。
「あれ? 今の声、誰・・・? ここってカカオの部屋に間違いないよね・・・。」
あまりに突然のことで聞き間違えかもしれないと思ったパフェはもう一度、ドアを少しだけ開けてみた。
すると今度は、
『バカヤローッ! ノックぐらいせんかーっ!!』
と、中年くらいの男性の怒鳴り声が。
「わわわわっ! すいません! すいませーんっ!!」
パフェはまた慌ててドアを閉めた。
この予想だにしなかった出来事にパフェは心臓がドキドキして訳がわからなくなっていた。
「ハレ〜? 1回目は女の人の声だったのに、今度は男の人? どうなってんの〜?
あたし、超ギモン〜ッ!!」
パフェは部屋の場所を何度も確かめてみたが、このドアはカカオの部屋のドアに間違いはない。
しかし、もう彼女にはこのドアを開ける勇気が無かった。
「どうしよう・・・。この本も返したいし、別な本も借りたかったのになぁ・・・。」
パフェがドアの前に立ち尽くしていると、
「パフェ!?」
カカオが外出から戻ってきた。
「カカオ! どこへ行ってたの? あんたの部屋、おかしなことになってるわよ!」
「私の部屋が? ああ、ドアに付けているあれのせいです。」
カカオがそう言ってドアの上の方を指差した。
ドアの上の方を見てみると、小型の丸い機械のようなものが取り付けられていた。
「あれがどうかしたの?」
「あれをドアに取り付けている間、ドアを開けようとすると男の人や女の人の声がして、
入ろうとする人を驚かせて中に入れないようにしますの。」
「何でそんなことするわけ〜? あたし、ビックリしたんだから!」
「ごめんなさいね。今、私の部屋のドアの鍵が壊れてまして。
修理されるまでの間、代わりにこれを取り付けてもらってるんです。」
「なあんだ〜、そういうことだったのね。あの機会が出してた声だったんだ。
もう、ホントにビックリしたんだからね!」
事態がようやくわかって、パフェは少し安心した。
「それでパフェ、私に何か用があったんじゃ?」
「あ、そうだ。こないだ借りてた本を返しに来たんだっけ。はい、どうもありがと!」
「あら、もう読み終えたんですの?」
「うん。面白かったから、一気に読めちゃった。
それでまた別な本を借りようかと思ったんだけど、今日はもういいわ。
このドアにビックリさせられて、なんだか気持ち的に疲れちゃった。」
「あらら。ほんとにごめんなさいね。」
「あ、いいの、いいの。また今度、貸してね。」
そう言ってパフェは自分の部屋へと帰っていった。
「パフェには言っておいた方が良かったわね。悪いことしちゃった。さてと・・・。」
と、カカオがドアを開けると・・・
『コラァ! 勝手に人の部屋のドアを開けるんじゃねぇっ!!』
と恐そうな男性の声が。
「ひいっ、すすすすすみませ〜んっ! ふぅ〜・・・・」
カカオ自身もまだこの機械に慣れていませんでした・・・。
いかがでしたでしょうか? VSラムネ小説の3作目。
今回も訳わからん話、と一言で片付けられるものになったのではと思っております。
自分の思っていたことが、どれだけ伝えることができたかが問題でしょうねえ。
文章力・表現力が欲しい・・・。
パフェ&カカオが登場の小説のつもりだったのですが、書き終わるとすっかりパフェがメインになっていましたね。
前作の『金魚』もそうだったんですが、パフェを主役にすると書きやすいんでしょうか・・・?
今回のお話で、「パフェとカカオの部屋って別々だったっけ?」という質問などは
無しの方向でひとつよろしくお願いします(笑)。
次のVSラムネ小説はいつになることやら。
期待しないでお待ちくださいませ。書けてもきっと、内容の無いものになるとは思いますが。