ほとんどの木は斜面に立っているため根の露出は激しく、長く地面をはっている。
古木のあるところはほとんどが北側斜面です。これは水の少ない環境にあっては雪解け水だけが頼りとなるからだそうです。乾期を乗り越えるためには少しでも遅くまで残雪のあることが必要なのです。
根は洗われて露出し、幹は研磨されてむき出しになっている。
年輪は密集していて肉眼では確認できない。
世界で最も長命の木とされているのはブリッスルコーンパインという木です。
インヨー国有林はシェラネバダ山脈の東側 「フォワイトマウンテン(標高約4340m)」
の山麓に広がり、 そこにブリッスルコーンパインの森があります。標高3300mのあたりに最も多く、 4700年という世界最長樹齢の木はここにあります。
一般に樹齢は、はっきりとした記録があれば別ですが、推定で言われているのが普通です。
たとえば屋久島の縄文杉は通称7200年と言われていますが、学術的には最高でも4100〜4200年程度と推定されています(実際のところでは2千数百年といった説もあります)。
このブリッスルコーンパインは年輪年代学の分野でサンプル採取に来た学者が発見したものです。そのため推定ではなく直接コアーを抜き取り顕微鏡で年輪を数えるという方法により分かったもので、
最も確実な樹齢です。
1インチ(約2.5p)の中に100本の年輪が刻まれていると言います。
ビジターセンターのフォレストレンジャーに世界最長樹齢の木はどれか訪ねましたが、保護のために公表していないと言うことで教えてもらえませんでした。公表すれば訪れた人は必ず記念写真をと樹下に行くでしょう。崩れやすい地質だけに荒れるのは目に見えていると言うことです。
ただ最長寿齢の木のある地域だけは教えてもらいました。そこには4000年以上の木が7本あり、その中に4700年という木があるとのことでした。
以下の写真はその最も可能性のある地域で撮ったものです。最長樹齢の木が写ってるかもしれません。
標高3500m付近に点在するブリッスルコーンパイン
ブリッスルコーンパインのマツカサ
名前の由来は松かさにトゲが有ることによる
生長している木をリビングツリー、枯れてはいるが立っている木はデッドツリー、枯れて倒れてしまった木はデッドウッドとよんでいます。デッドウッドの中には4900年というものも見つかっているとのことです。
デッドウッド(倒木)
左はリビングツリー、右側はデッドツリー
冬は積雪が多く、乾期にはにはほとんど雨のないと言う厳しい環境にあるため、身の一部を枯らしながら生命を維持しているのだといいます。幹は飛砂や風雨にさらされ年輪をむき出しにしています。まるで磨きを掛けたように輝いて見えました。
リビングツリー
9月はまだ乾期のため地面には水分が無く、斜面を歩くとサラサラと崩れ落ちてくる厳しいものでした。
このトレイルは最初に4000年の木が発見されたことから名付けられた遊歩道で、古木を巡って歩けるように良く整備されていました。
メッセーラとは長寿の女神と言ったような意味合いがあるようです。最長樹齢の木がこの一角で見つかったことからこの名前が付けられたと考えられます。
デッドツリー 枯れてなお数100年をもたち続けるという。