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8.2.3は、すべてのプロセスの監視及び測定を求めてはいない

 品質マネジメントシステムとは“顧客要求事項及び適用される規制要求事項を満たすために策定されたプロセスの集まり”です。8.2.2内部監査で品質マネジメントシステムを監視及び測定する、つまり全てのプロセスを監視及び測定するわけですから、8.2.3で、また全てのプロセスを監視及び測定しても仕方がありません。
 内部監査で定期的に監視及び測定するのでは間に合わない、まさにその場で監視及び測定しなければ製品の品質保証ができない、そのようなプロセスがあればまさにその場で監視及び測定しなさいといっているのです。
 本来製品の品質保証のためには、製品自体を直接監視及び測定するのが有効と思われますが、製品自体を直接監視及び測定することが困難な場合があります。例えばケーキの製造です。ケーキの製品要求事項は、見た目だけでなく味や食感です。しかし、味や食感は製品自体を直接監視及び測定したら商品になりません。このため、材料の質量、混ぜる時間、焼き温度、焼き時間などでプロセスを監視及び測定することで製品の品質保証をしているはずなのです。
 つまり、製品自体を監視及び測定することで品質保証することができれば、8.2.3は、重要ではないのです。 
 余談ですが、サービス業では、製品という実態が捉えにくい場合が多いため(例えば旅館、病院、市役所等)、8.2.3が重要になります。




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