客観的証拠は、審査員が探すもの、組織が示すものではない 例えば顧客要求事項、規制要求事項を満たした製品を一貫して提供するのに必要なインフラストラクチャーは、組織が勝手に決めるものではなく、対象製品を選んだ時点で、ある程度自動的に決まるものです。審査員は、専門的技術を持っていることが前提ですから、現場に行けば何が必要なインフラストラクチャーかわかるはずです。審査では、そのインフラストラクチャーが顧客要求事項、規制要求事項を満たした製品を一貫して提供するのに十分な程度で管理されているかを検証すればいいのです。客観的証拠は審査員が探すものなのです。 ときどき規格の用語を審査員と組織の間の共通言語だと勘違いして、あるいは規格の用語の知識をテストしているつもりなのか、「インフラストラクチャーは、どのようにして明確にしていますか。」と質問している審査員を見かけますが、まさに愚の骨頂です。審査員は、専門的技術を有しているわけですから、規格の用語など使用する必要はないのです。以下にインフラストラクチャーの審査の事例を示します。 「こちらの製造方式は、○○式ですか××式ですか。」 「○○式ですか。それなら△△製造機を使用していますね。」 「それは、何年式ですか。点検に関する手順書か何かありますか。」 「2年に一度オーバーホールをすることになっているのですね。」 (2年に一度のオーバーホールなら十分だな。) 「前回の記録はありますか。」 7.5.2製造及びサービス提供に関するプロセスの妥当性確認、7.5.3識別及びトレーサビリティ、7.5.4顧客の所有物などについても同様で、審査員は組織にわかりやすい用語を用い、それらを管理するプロセスが顧客要求事項、規制要求事項を満たした製品を一貫して提供するのに十分な程度なのかを検証しなければならないのです。 |