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顧客満足の向上を目指すというのは目的でなく条件である

 序文1.1適用範囲一般で「この規格は、次の二つの事項に該当する組織に対して、品質マネジメントシステムに関する要求事項を規定するものである。(以下省略)」とあるのをもとに、“ありとあらゆる顧客満足の向上のため、つまり会社を良くするためにどのように取り組んでいるかの審査をするのは当然である。”と考えている審査機関があるようですが、これは間違いです。a)では、“実証する必要がある場合”と書いてあるのに対し、b)では、“目指す場合”としか書いてありません。“顧客満足の向上を目指していることを実証する必要がある場合”とは書いてないのです。ISO9000の2.1品質マネジメントシステムの論理的根拠に「顧客のニーズ及び期待は変化し、かつ、競争と技術の進歩があるので、組織には製品及びプロセスを継続的に改善することが求められる。」また、「品質マネジメントシステムは、顧客及びその他の利害関係者の満足を向上させる可能性を高めるための、継続的改善の枠組みを提供することができる。このことが、組織が要求事項を満たす製品を一貫して供給することができるという信頼感を、組織及びその顧客に与える。」とあります。つまり、顧客満足の向上を目指すというのは、目的ではなく条件なのです。a)の「要求事項を満たした製品を一貫して提供する能力をもつことを実証する」という目的に対し必要な条件であり、顧客満足の向上を目指している組織でないとこの規格は適用できないといっているのです。



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