初BC三田原山
すっかりヨットのレストアにかかりきりで殆ど滑らなかった昨シーズン。
今年は山にもと意気込んで迎えた1月だが、年頭から仕事がヒートアップしている。
初滑りを尾瀬岩鞍で済ませたところでどこか手ごろなBack Countryはないかと探してみると
妙高高原・三田原山が目にとまった。少し遠いがnaoさんが快くお付き合いくださるというので
例によって深夜のパッキング、未明の出発でチャレンジしてみた。
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杉の原スキー場ゲレンデトップから登り始めたが往路途中の高速道路事故で11時頃のスタートとなってしまった。
今期からつま先まで上がるビンディングに変えたせいか例年すぐ痛くなる腸腰筋も元気で、
頭30分の酸欠状態を除けばまぁまぁであった。とはいえ、ヘビースモーク、昇降機への執着、
慢性睡眠不足etc.etc.の日常から突然冬山の斜面を登るのであるから亀のごときスピード。
naoさんには時々待っていただきながらの重力との戦いである。
登り始めは天候予想に反し、ゲレンデは日差しまである穏やかなスキー日和であったが、
稜線近くは強風が息をしながら吹きぬけている。残り100程でツェルトを張って昼食をとったが、
日頃備蓄している脂肪に火がつき始めたのかパン半分、カップラーメン半分でほぼ充足。
山は雲の中で視界の中に目標を設定できないが、沢一つ隣の斜面をボーダーが滑っていったのを目にする。
初めての山ということもありボーダーと同じ斜面から滑走に入るが、結果的にこれが間違いの元となった。
雪は最中の上に薄く粉が乗っている状態でストックに力を入れるとズボッとはまるが割って進むには硬く深い。
少々手ごわい雪を攻めあぐねているうちに低木の密集した急斜面が始まってしまった。
後はひたすらくぐり跨ぎ密集した林の中を横滑りで高度を下げるばかりである。
暫く降下しやっと少し視界が開けると、どうも笹ヶ峰方向に入りすぎているようである。
同じ姿勢、同じ方向の横滑りに腰が悲鳴を上げている。
休憩らしき休憩も取らず下るが日没も迫り、ビバークが頭を過ぎった。
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17時近く、薄暗くなった林道にやっと降り立つことができた。
予定の地点よりだいぶ奥に下りたのだろう、林道が長い。
しかも登りである。シールを着け黙々と歩く。
やっと林道が下りに入る頃にはヘッドランプが頼り。林道終点では真っ暗闇。
スキー場に出たはずだが、だだっ広いゲレンデをヘッドランプで下るのも不安なものだ。
とうに営業は終わりリフトは使えない。駐車場を目指しゲレンデを跨ぎながら下る。
後に調べてみると、我々が飛び出したゲレンデは
スキー場マップの三田原ゾーンにあるクロスコースだったようだ。
真っ暗なゲレンデを延々とヘッテンを頼りにひたすら滑る。
やがて夜間営業している第1ロマンリフト下まで滑り降り係員に聞くと
目指す駐車場はこのリフト終点の右にあるという。二人とも小躍りしたいほど喜んだ。
最後にリフトは我々を見捨てなかったのだ!naoさんいわく「超ラッキー!」である。
あちこちのロッジで若者達が夕食を楽しむ様を眼下に見ながら長いリフトに運ばれ、
駐車場に到着したのは19時少し前であった。
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車に戻れればゲンキンなものである。衆議即決、靴だけ履き替え野沢温泉を目指す。
今回の計画では下山後野沢温泉に移動し、冬の温泉街を楽しもうという目論見なのである。
まさか下山が夜になろうとは思わなかったが、久しぶりの野沢温泉は諦めたくない。
野沢に着いたのは20時過ぎ。ハイシーズンの土曜日で宿がとれないかと心配したが、
しぶとくバスターミナルの方々の手を煩わせて混雑の中今夜の宿をゲット。
特に近ツリの方には宿の手配でお世話になりました。無事今夜の宿ヴィレッジ・池竹に車を止め、
外湯・横落の湯で汗と疲れを流した後、これも池竹のご主人に教えていただいた
居酒屋つくしんぼの暖簾をくぐったのが21時過ぎごろであろうか。
混みあう居酒屋の片隅で乾杯した生ビールは格別の味だった!
今回は誤算も多かったけれど幸運にも恵まれ、思いで深い山行となった。
毎度のことですがnaoさん、ありがとうございました。