オイ低気圧、まったりすんな!

春に三日の晴れなしと言うが、一たび週末と悪天が重なると何度か続くことになる。
どうも船は出せそうもないとは思っていたが、ドン吹きもいいところだ。
こういう日にはメンテに限る。気になっている床のフカカフカをやっつけよう。
BW25は1976年デヴューの古い船である。私のは80年製だが古いに変わりはない。
まだYハがFRP製の船を手がけてはいない頃のFRP単版船である。
今はユニットバス並みに綺麗にそしてドライにパッケージされているが、昔のは
船底からの立ち上がりが木なのである。底にはビルジが溜まり木はそれを吸う。
経年とともに立ち上がり部分の工作・塗装が疲れてくる。床を支える木部もぐらつく。

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神保町の喫茶店さぼうるの雰囲気が好きで置いてみたランプシェード。

前々から気にはなっていたのだが、一旦レストアの手を休めてしまうと
なかなか腰が上がらない。生来不精なのである。
一連のレストアの際、床も全て外してサンディング、再塗装と化粧直ししたが、
古い部材を生かしながら土台を直すには少々手間がかかると思い残してしまった。
組み木のような床なので直したい部分だけ外すという訳にいかず
順を追って床板を全て外す。隣の床板を支える疲れた腕木を剥がすと
表板まで割れかねないので上下からアルミ板を当てて強化する。
或いはバルクヘッドの手の入らない下部に支え板をビスでとめる。
測り、切り、調整しながら組みなおす。段取りは何ヶ月も頭の中で暖めているが
その通りに行かないのがこの手の作業の常。現場で何とかする。
これが私の提唱?する‘場当たりリアリティー’である。
而して腕も上がらず日曜大工の域から出られないまま。

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キャビンへのラダーステップの着地場所。
よく踏む位置がガッチリ落ち着いて気分がいい。

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バルクヘッドの顔も段々好ましくなってきた。

何とか仕上がった。後片付けしてちょっとチャート・ワーク。夢が広がる。
それにしても咆哮する風は衰えない。幾度かデッキに上がり舫や艤装を見て廻る。
腹も減ってきた。今日はデポ食を消費することにして食料庫を覗く。
缶詰は船には便利だ。冷やさなくてももつ。缶詰というと食欲が出ないが、
調理済み加工食品と思うと料理のアイディアも沸いてくる。
削り節と言われるとダシだが、オカカと言われるとおむすび食いたくなるアレである。
小釜で1合半ほど米を炊き時間を計る。米を炊く試行錯誤も楽しむ。
固形燃料1個13分30秒。固形燃料は自動的に初めちょろちょろ中ぱっぱで具合が良い。
今日は電動工具用に発電機を回しているので、作業後はそのままこいつで
電気をまかなうことにする。明りも灯り音楽も聞き放題。今夜も快適だ。

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これはお気に入りの茶漉し。ロンドンで知り合いの
公使にもらった品だが、秀逸な日用品だ。
日本では売っていないだろうとのことだったが、
ある時横浜中華街の雑貨屋で偶然見つけもう一つ求めた

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