| ドレINバーチャル〜吸い込まれし少年。 | |
| present by ゲバチエル |
| プロローグ
彼は暗い誰もはいって来れない所にいた。 いつからだったか、もう定かではない。 産まれてからずっと、一人ぼっちだった。 「僕と遊んで・・・・お願い」 一人だった。声も届くはずもなかった。 永遠に人の行くことの出来ない空間。そこに生まれた、僕。 ずっと長い長い時の中で、「何か」を待ち望んでいた。 彼の思いは長い時とともに増大する。 誰も見ることも出来ない空間で、ひそかに力が増大していく。 「誰か僕と遊んでよ・・・」 暗い闇の中に吸い込まれていく声。 何故ここにいるのかも判らないただ僕は遊びたい・・・それだけなのに! 彼はしきりに叫んだ 「僕と遊んでよ」 第一章 パソコン室の悲劇 気をつけ!礼! お願いします。 今日もまた学校の授業が行われている。 今はインターネットを使った授業をしていた。 先生が長々と説明をしているようだった。 「また長いはなしかよいつもくどいぜ」 久瀬佑はそう思いつつこっそり検索を始めた。 これが地獄への入口になるのも知らず。 押した瞬間に、不意にスピーカーから何かが聞こえた気がした。 (気のせいだよな・・音聞こえたらバレル) かまわずクリックを続ける。また 今度は明確に声がする 「僕と遊んでよ。お願いだよ」 赤ん坊が喋ったかのような不気味な声 (今のはなんだ?聞こえちまったじゃないか) そのころちょうど、他の生徒も先生に従い検索をするところだった。 が、他の生徒がクリックすると同時に四方八方から 「僕と遊んでよ。お願いだよ」 と聞こえてくるではないか?しかし佑以外聞こえている様子はない。 しかし佑はかまわず日頃よくいくチャットに繋ぐ。 しかしそこに見えた発言は 僕と遊んで>僕と遊んでよお願い がならんでいた。思わず先生を呼ぼうとした次の瞬間だった。 突然目の前が真っ白になった。何もかもが見えなくなっていった。 まるでこの世に俺が存在しないかのよう・・・そんな感じだった。 彼が次に目をあけたとき広がっていた光景は 学校ではなかった。 一方学校では、パソコン室から突然消えた佑に誰もが驚いていた。 しかし佑の席のパソコンには 「僕と遊んでよ」 という文字がしきりにしきつめられて表示されていたと言う・・・ 第ニ章 謎の子供 小さな子供がいる。こっちにゆっくりと向かってきている。 その子供の目は瞬き一つせずにこちらを凝視している。 あまりもの奇妙さに眼を背けようとする。 しかしそれが出来なかった。正確にはさせてくれなかった。 体すらも身動きもとれないまま、子供はゆっくりと近づいてくる。 そして目の前にせまってきた子供。 近くだからよく判る。佑は子供を目を凝らしてみた。 佑は訳が判らなかった。授業で居眠りしたのかと夢を見ていたのかと思ったのだが 現実は違った。 ここは地球じゃない 直感的に佑の5感が感じ取っていた。 CG処理されたかのような配色の空。 文字が重ってできたような不可解な地面。 佑はついさっきまでの事を思い返す。 学校でパソコンやってチャットやろうとしたら目の前が白くなって・・・ 彼の思考はここで一時中断させられた何故なら 「僕と遊ぼう。僕はこっちだよさあおいで」 先程学校で聞こえた声と同じ声が響き渡る。 「誰だ!?ここは一体何処なんだよっ!」 佑は何処にいるかもわからない声に気持ちをぶつける しかし返事はあっさりとしていた。 「僕は君を待っていた。ここは君と僕、二人だけの場所。 今君はバーチャルの世界に迷い込んでいるんだ」 佑は今始めてここがインターネットそのものだという事に気づいた。 しかしこの荒れようはなんだ。外から見るネットは綺麗じゃないか 佑は余計に混乱してしまう。 「さあ僕の家まで来て」 それだけ言い残して声はもう聞こえなくなった。 佑は頭を数回叩いた後、気を落ち着かせた。 (なんだか判らないが、ここに誘い込んだのがお前なら、出す方法をとっちめてやるからな) 佑は歩き出した。いつこの世界から出れるとも知らず・・・・ 第三章 逃走 佑は豪華な屋敷らしき建物についた。 何故ネット上にこんな物があるんだ?なんていう論理的思考も働かない。 玄関らしき扉の前に辿り着く。 「ようこそ」 気味の悪い子供の声だった。 「途中僕の友達もいるけど一緒に遊んであげてね」 謎な言葉を言い残し扉がひとりでに開く。 すると目の前には幼児が2人ほどいたようだった。どうやら友達とはこの意味らしい。 「おいお前。何さ・・・ひっ・・・」 佑は腰を抜かす。その幼児は二人とも片目がなかったのだから。 だが片目がないのもきにしないのか幼児は言葉を発した 「僕達と遊んでよお願いだよ」 やめろ。なんなんだ。冗談じゃない。助けてくれ。 恐怖のあまり声が出ない。 真後ろの扉のノブに手をやる。しかしあろうことかカギが外からロックされ動かない。 その時左の方から鐘の音が聞こえた。 佑は一瞬のうちに 鐘がつけるって事はまともな人か何かがいるはずだ そう考えて左に向かって走り出す。途中バランスを崩したが立て直し駆け出した。 後ろには先程の子供らしき気配がするが、早く人に会いたい一心で駆け出す。 「冗談じゃ・・ないぞ。こんなわけ判らないところで呪い殺されたくはない!」 鐘の音はじょじょに近づいてきていた。後ろに気配は感じられない しかし佑は構わず走った。螺旋階段も一気に駆け上がる 一番上には 鐘だ! だが様子がおかしい。 鐘の音は以前鳴り響いている。だがつく人も何もいず、 鐘をつく装置すら動いていない。 くそ。またあの赤ん坊だか子供だか判らん奴の仕業か。 そう考えてまた鐘の前に目をやる。しかし目の前でありえるはずのない声が聞こえる 「僕達とあそぼ〜よ〜」 さっきの片目の幼児が一瞬のうちにここにいる。 「うわああああああああああああああああ」 佑は叫びながら逃げるようにして鐘の場所を後にする。 明るい螺旋階段を一気に下る。 そこにふと目にはいった物があった。 一つだけ明かりの確実についている部屋があった。 (明かりだよな。今度こそ大丈夫だよな) 彼はその部屋のドアを握り部屋へ踏み込んだ・・・・ 第四章 愛情を求めて 一つだけ明かりのついた部屋。廊下は明かりはついているが他の部屋に明かりはない。 不自然な光景。ただ、恐怖心と安堵感を利用してそこに誘うかのよう― そして佑はそのドアノブをゆっくりと回した。 ギイイイイイ・・・ こういうときに限って音の一つ一つが妙に不気味に感じてくる。 佑はゆっくりとそっと、部屋に入っていく。 見たところ何もない。 「すいません。誰かいませんか?」 佑は震えた声をかける。 「やあ。やっと僕の元に来てくれたんだね」 聞こえて欲しくはない返事があった。 佑はすかさず背後のドアに手をやる。がやはり開いてはいない。 「逃げようとしても無駄だよ。さあ僕と遊ぼうよ。こっちを見て・・・」 佑はふとそっちを見てしまった。 佑は思わず絶句する! さっきの子供とは比にならない顔 眼がくり貫かれたように見える赤ん坊の顔。 「さあ僕と遊んでよ。」 何処か寂しい口調でそれが喋る。 それに返事するように声にならない声をやっと絞り出して佑が喋る 「・・・・ぜだ。何故だよ」 それは悲しい口調で話し始めた。 「僕はいつの間にかこの世界に生まれた。でも僕は人間の悪意が作り出したものなんだ。 誰かに捨てられたり、仲間外れにされたり、いじめられたり・・・・。 そんな気持ちが一つになって僕が生まれた。だからこの傷を癒すために、 僕がこの世界から消えるために誰かと遊んで欲しかったんだ」 それは佑たちの人間がするいじめとかによって生まれた物だった だから遊ぶこと―楽しいことでそういった気持ちが消えるんじゃないかとそう言っていた。 「だから僕は人を探した。その時偶然こっちにきたのが君なんだよ」 佑は即答した。 「お前を救えば俺は元の世界に戻れるんだよな?」 それも即答する。 「約束するよ」 しばしの沈黙が続いた。しばらくして佑は口を開いた。 「何をすればいいんだ?」 「おにっごっこ」 佑とそれはその空間で遊び続けた。 それの悪意や憎悪が消えるまで。ずっとずっと遊び続けた。 気持ちが満たされた時に佑もそれもここにはいなかった。 佑が目を覚ますと、そこは現実の世界だった。 しかも授業はまだ終わっていない。 というよりか、現実を最後にしたときの続きのようだった。 隣の席を見てもさっきまで佑がここにいなかったなんて顔はしていない。 「先生。」 俺さっきまでここにいましたか 「いえなんでもないです」 そんな事怖くて聞けるはずがなかった。 そしてチャイムがなり号令もかかる。 そう授業はここで終わりだった。授業は。 次の瞬間に再び景色が揺らいだ。 白と黄色がごちゃ混ぜになった気味の悪い― 気づいた時は再びあっちの世界だった。今度はみんなで。 最終章 再び闇へ 一体何が起こっているのだろうか。 そこにいる誰もが混乱しているようだった。 不意に声がした。 「佑。お前さっきまで・・・パソコンの中に?いただろう。これはどういうことだ」 教師が聞いてくる。やはり終えが消えたのは事実だったか。そう思いつつ 「ここはパソコンの世界でも何でもありません。ただ―」 言い終わらないうちにまるで魔物とおぼしき物体が出てきたではないか。 翼を持ち、いぬの顔の形相の魔物。 佑は思わず右手をかざす。その瞬間周りの誰もが息を飲む 空間の粒子か何かは判らない物質が右手に集まる。 佑とは無意識の声がそこに聞こえる。 「消し飛べ・・・・」 黒い粒子は魔物めがけて飛んでいく。次の瞬間に魔物は消滅していた。 佑本人も唖然としていた。周りのみんなが驚きのあまり声も出ないその時。 「た・・すけて下さい。私・・・現実に帰りたいよ。でも・・・きゃあ」 そこで声は途切れた。が現実に帰りたいのはここにいる全員がそうだった。 だがこの謎の世界につれてこられたのも佑の事件も、 これから始まる運命の幕開けに過ぎなかったのだから・・・・・ END |