永遠のアセリア小説
present by ゲバチエル

約束されし自由アリス

始まる前〜永遠のアセリア〜

 ―――かつて、永遠戦争と呼ばれる戦いがあった。ファンタズマゴリア、後にそう呼ばれる世界である。
 『再生』より生まれし永遠神剣と呼ばれる武器を持った、女性の姿をしたスピリット。彼女たちは、戦場を駆ける存在だった。それ以外の理由を持たず、ただ戦うためだけにある存在。それこそ、人間にとって奴隷も当然と呼べるほどに。
 あるとき、四人の異世界からの来訪者が現れる。エトランジェ―――上位永遠神剣を持つ、勇者のような存在が。
 一人は『求め』を。一人は『誓い』を。一人は『因果』を。一人は『空虚』を。あるものはそれに抗い、あるものは飲み込まれ、戦争は加速していった。
 ―――戦いの果てに。『求め』は砕け、『誓い』はそれを取り込んでしまう。そして、永遠神剣第二位『世界』が誕生することとなる。すべては、エターナルのシナリオ通りに。
 ―――秩序の永遠者、ロウ・エターナル。彼らの目的は、この世界を消滅させること。そして、その際に生じるマナを手にすることだった。
 エターナルの力は絶大だった。スピリットさえも歯が立たず、世界はまさに壊滅へと向かっていく。
 ―――そんな中。『求め』のエトランジェは、同じエターナルとしての力を手にする。世界を守るため、均衡を保つための混沌の永遠者、カオス・エターナルとして。  秩序と混沌。二つの戦いは、『世界』と『再生』が砕けることで終わりを告げる。その均衡は守られ、カオス・エターナルの勝利に終わったのだ。もう二度と、『蓋』によってエターナルが世界へ介入できないようにして。

 ・・・それらを見つめる、もう一つのエターナルがいた。混沌にもつかず、秩序にもつかない。いわば中立の永遠者、ニュートラリ・エターナル。
 彼らは時に秩序へ協力し、時に混沌へと協力する。彼らに明確なルールは存在せず、陣営などもない。ただ一つ明確なのは、自分だけ。
 真に永遠の孤独を生きる存在。それが、ニュートラリ・エターナル。
 ・・・彼らは知っていた。その世界の平和が、永劫には続かないことを・・・。

 ―――『蓋』は完全ではなかった。その機能は停止し、再び世界は・・・エターナルの介入を許してしまっていた。
 秩序と混沌と。再び繰り返される、永遠の衝突。
 ―――そのうねりに今、一つの光が巻き込まれようとしていた・・・。










後書きなのか、前書きなのか 06.03/03

どうも、ゲバチエルです。このお話は実は一回書き上げたもので、そして未公開作品となっておりました。
未公開になっていた理由は色々とありますが、話自体がいろいろと不完全だったことが一番の原因です。
今回はそれをふまえ、きちんと修正・・・というよりもリメイクした新しい『アリス』を手がけるつもりでいます。
といっても、コレをお読みなっている皆さんにとっては、はじめての『アリス』なのですが・・・。
これはもしも『本』にするならば、載せなくていい部分だろうということで「始まる前」としています。
プロローグでもなく、エピローグでもなく。物語が始まる前の前置きでしかないんで。
『永遠のアセリア』を未プレイの方にはまるで世界観や過去に何があったかが見えて来ないと思うので、一応サラリと。
一応繋がってるよということもかねて、こんな文章をつけてみました。
まあ説明的文章はシナリオで説明と思わせないで説明すればいいんですが、ゲームをやれば判ることなのでこうしました。
ニュートラルの概念は今に始まったことじゃないのでオリジナルとは言いがたいですね。
まあ、一応原作には登場してないものです。設定はあるのかもしれませんが・・・。
ちなみに。色々考えた結果、タイトルを元もとの『自由の翼アリス』から『約束されし自由アリス』になってます。
さてさて、自分の中で一回書ききっているものの、どうリメイクされるのか・・・楽しみです。