The Destiny Another of mana 0話

悠久の昔、緑と魔法の星「ファリスタ・スラスト」には、一つの超巨大文明 が存在していた。その文明は、魔法の研究が盛んに行われいてた当時より、 魔法とは異質の力――科学をもって繁栄の極みを成し遂げていたと言う。 その文明の名は「グリシアナ」。現在、古代グリシアナ帝国と称されている 国家を中心とし、発展した科学の力をもって、ファリスタのほぼ半分にあたる 領地を保有していた。こと生命科学においては、ファリスタの隣接惑星である 「ラエル・スラスト」を、科学の力で支配しようとした「竜人族」をも凌駕 していたと言う。 しかし、グリシアナ文明は、ついに、神の領域を侵してしまった。それは、 後に生命科学の一部が世界中で禁止、封印された、忌まわしきテクノロジー、 遺伝子の操作による「人工種」を作り上げてしまった事である。そして、この 技術を用いた人工生命体の利用目的とは、ファリスタ全てを支配し、統合国家 「グリシアナ」を打ち出すため。つまり、侵略兵器としての利用であった。 だが、ある時、古代グリシアナ帝国は、皮肉にも、自らが作り出した負の産物 である人工種の暴走により、滅び去る事になった。後に、グリシアナの生物 兵器は、人々にこう呼ばれる事になる。 ――災厄の運び手、「ドゥーム」。 そして、時は流れた。すでに、グリシアナのテクノロジーの多くが人々の 記憶や記録から姿を消し、今となっては、「ドゥーム」と言う言葉は、子供を しつけるために使う脅し文句と成り果てていた。変わって、グリシアナ全盛期 において抑圧されていた魔法の研究は著しく進み、もはや、科学単体を必要と せずとも、人々は豊かな暮らしを得る事ができていた。だが、この時すでに、 グリシアナの遺産であるテクノロジーと、現代に生きる人間との戦いは、すでに 動き出していたのだった。 「運命」の出会いを果たす事になる二人の男女と、謎の闇結社を中心にして――

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