国際会議珍事顛末記


1.今回の国際会議には私達を含め、4組の患者グループが参加致しました。
内2組は同盟事務局会議での発表という大役を担い、日本からテレビ局の密着取材もありました。
いずれ皆さんにもご覧頂けるのではないかと思います。

さて、私のグループを含めた他の2組は、今回参加することそのものに意義を見出すべく努力を致しました。
特に東京在住の患者Sさんのグループは、僅か4人での参加にも拘わらず介護力に優れ、ご本人の気力も充実し、知識欲に満ち満ちて、熱心に聴講なされている姿が印象的でした。
一方舩後グループにつきましては、下記にしたためましたのでご笑納下さい。宜しくお願いします。

2.国際会議参加の予行演習のため、伊香保温泉に1泊2日の旅行をしてまいりました。
実は今回の主介護者の妻が、呼吸器の取り扱いを一切知らず、その訓練のためです。その時は何とか生き抜きましたが!さて今回は無事に!?

@機内へ。

団結式もそこそこに、いよいよ飛行機の最後尾より搭乗です。
しかし通路が狭い!そこで何と、主治医の先生が私を抱きかかえ、妻が私の頭を支え運ぶ作戦に!!ところがなんと先生のベルトが何か引っ掛り動けないのです。

先生の腕が小刻み震えた時でした。
妻がその引っ掛りをとるために、私の頭から手を離したのです!結果私は顔を逆さにし、頭を振り子のようにして、クルーの皆さんにご挨拶です

Help!
』。

Aある晩J

晩餐も終わりいよいよ就寝という段になり、腹部に妙な違和感です。

妻に見てもらうと「あれパパ!お腹に穴があいてるよ!!」と申します。

そうです、私のお腹には栄養チューブを通すための穴があり、それを固定するため、胃側には本来風船があるのです。
なんとそれが破裂して、チューブと部品ごと抜け落ちていたのです。
そこで娘が、のんびりとのたまいますには「3時間で塞がるってさ!今日教わったよ。」。

私は思います『だったら早く先生を呼んで下さいな!』。

でもそういう時に限って、先生は見つかりません。
妻がシゲシゲトと穴を見ながら呟きました「なるほど小さくなってきたみたい!」

私は心で叫びました『Help!
』。

小1時間程して先生が、看護婦さんを従えての登場です!やにわに上着をかなぐり捨て、テキパキと指示。
それに応える看護婦さんの迅速な対応。気がついたら、バルーンでの応急処置が完了していました。
そうしてお二人は、何事も無かったかのように、私の部屋を去って行きました。
まるでシェーンのラストシーンのように。でも私の記憶が正しければ、バルーンて尿取り用の管ですよね?つまり私はこれ以後、出す為の管により食事を頂くことになったのです。
チョット複雑な思いです。

皆さんならいかがですか?

Bある晩K

外での晩餐を終え、帰宅の途につくため、地下パーキングへとまいりました。
到着するとそこには、笑顔満面のオージードライバーのお出迎えです。
ところがこの人何を考えたか、リフト車を私達のいる通路の、30センチも下にセッティングしたのです。
そしてIt's OK!とのたまいます!でもですよ、私の車椅子は、私も含めゆうに100キロを越えます『勘弁してよ』と思ったその時でした、オージーの太い腕が車椅子をグイと引き寄せ、前方に30度は傾きガタガタとリフトめがけ、

私は『Help!
』。

Cある晩L

その日の晩餐には、何とアボリジニの余興がありました。
けたたましいサウンドの中、妻の「あれ!?」という声がしました。その直後私の廻りには、呼吸器の専門家が集まりました。

そしてやにわに私は、手動式呼吸器で空気を頂く事になったのです。
何が起こったと思います?元来電気に強い(弱いの意味)妻は、オーストラリア用のソケットを変圧器も兼ねると思い込み、そのままコンセントにインサート!あえなく呼吸器はショート!!

私は『HELP!
』。

Dその他の『Help!』。

●吸引器パワーダウン事件>先生が足踏み式吸引器で奮闘、セーフ!
●車椅子エア抜け事件>飛行の気圧を考え、訳知り顔でエアを抜きましたら、パンク状態で復帰せず。それでも動いたのでセーフ!
●吸引器置き忘れ事件>閉店間際に慌てて買い物、吸引器を店内に置き忘れ、回収成功でセーフ!
●まだまだあります。
・タクシーに、呼吸器バッテリー落下置き忘れ事件。
・吸引器バッテリー空っぽ事件。
・人様の荷物お持ち帰り事件。

国際会議!舩後家の行くところ、珍事の雨嵐『Help!
Help!
Help!
【舩後】