陳述書
本件処分場は、多くの地元住民や笠闇布民、そして近隣市町村や
関東一円に及ぶ人々の反対の声を無視し、工事を強行し続けました。
7月29日には反対住民感情を逆なでするような「パーフェクトリ
サイクル」などとマス:コミを使い報道し、盛大なオープンニングセレモニ
ーを強行しました。公共が関与しながら、住民のこの施設に反対す
る思いや、特異な周辺環境など、まったく眼中にないと思えるこの
行為には、改めて憤りと失望の念を禁じえません。8月1目には稼
動を開始しました。数日の間何事もなく過ぎましたが、8月13日
の朝9時ごろ突然ジェット機の低空飛行時の轟音にも似た音が響き
渡り、と同時に溶融炉の煙突の基のあたりからものすごい量の白煙
が立ち上り、煙突の上の方で止まって横に広がり、少しして薄れて
散ってゆく、それが約20分間隔で1日中繰り返し、それはまさに
原爆のきのこ雲のようでした。この光景を目の当たりにした私は、
たとえようのない驚きと今後に対する恐怖や不安が体中を駆け巡り
ました。
これについて事業団は、17日にお詫びとそうなつたことの説明
文書を地元住民に配布しました。知り合いの航議の竃話に対する係
員の応答では、「自分もこんな大きな音が出ることは知らなかった」
と発言したそうです。つまり当事者にとってもまさに試験炉であり、
実験炉であることを証明したようなものです。たまたま大きな音と、
自煙で済んでいるに過ぎません。その後試験段階として実際に廃
棄物を燃や、11月ごろまで試運転をするという事業団の説明で
すが、どのようなことが済めば試運転が終了なのか明確ではなく、
不安は拡大する一方です。現に燃焼するときには煙突から煙は出な
いはずなのに、黒煙や白煙が見えるし、燃焼時の音や臭いもします。
さらに重大なことには、まだ試験段階も終わっていないにもかかわ
らず、県は鳥インフルェンザにかかつた鶏や卵も焼却処分するとい
う発表、大枠の法律にしかも身勝手な解釈により合致すれば後はル
ールも糸瓜もない、すべてなし崩し的にことを進めてしまうのでし
ょうか。人生70年を生きてきてこの歳になっそ行政にこんな仕打
ちを受けるとは想像だにしませんでした。司法の場で仮定の話はい
けないのかもしれませんか、自然はもとより私たちや硯場の人たち
に異変や事故がおきたときには、これを強行に進めてきた人々は確
信犯であることは疑う余地もありません。裁判官に置かれましては、
そのような罪人をつくらないこと、ましてや事前に被害者をつくら
ないということは最も重要なことであると恩います。またそれがで
きる立場に居られることを念頭に置かれ、一刻も早く操業の停止と
現揚の自然復帰の決定を下されるよう切望いたします。
最後に私事で恐縮ですが、私たち夫婦にも跡取りがおります。そ
してかわいい孫もおります。が、しかし今のままでは息子たちは家
には戻りたくはないといいます。この処分場問題がおきてからここ
数年、何をするにも晴れ晴れとした気持ちになりません。私が育っ
た福田は、私にとってそれこそ世界に誇れる自然豊かな里山です。
私の人生の宝物です。その豊かさのまま息子たちに、多くの福田の
子孫たちに残してあげたい、それが今の私の切なる願いです。
どうかこの年寄りの願いを叶えていただきたい!!
平成17年10月11日
宮久保政男
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