陳述書
私は残念ながら建設されてしまったエコフロンティァかさまのある福田地区からは12〜13km離れた笠闘市福原という所に住んでおります。
今回の裁判の原告の一人であるとともに、今までの5年間、市内在住の女性を中心とした「みみずの会」という団体に所属して、この処分場の問題点や産廃の危険性、それと同時に自分たちのごみを減らすための提案などを、「みみず通信」という新聞を発行して広く市民に知らせる運動や、買い物用のマイバックの販売、それから多くの賛同者と資金を集めて笠間市と友部町の一部6地区56ケ所で松葉によるダイオキシシ調査を、又涸沼川の水質検査を2ヶ所で行うなどの活動をして参りました。
私たちがこのような活動を姶めたのは、茨城県や笠間市がこの処分場を計画段階から、地元住民に対して事前の説明や話し合いもなく一方的に進めてきたこと、また、地元とは福田地区だけを指し、私たち市内在住の多くの市民には更に情報が制限されていたこと、そしてこの処分場で事故や不備のため水や大気が汚染された場合、その被害を被るのは地元福田地区だけではなく笠間市や友部町、そして涸沼川流域の多くの住民に及ぶであろうことが容易に考えられることだと思ったからです。
そのためにも、この処分場の多くの問題点や危険性、そして、全国各地の処分場の実態などを情報弱者である多くの市民に伝える必要があったのです。
しかし、本来ならば市民の命や財産を守るのは行政の役割ではないかと思うのですが、笠間市は県の方針に追従するばかりで市民には背を向けているのです。市民の不安を取り除くこともせず、納得の行く説明を県や事業団に求めることもしませんでした。更には、笠間市の「エコフロンティアかさま」監視委員会の構成員から本裁判の原告団は除くという人権侵害まで行っています。
私たちは、このような茨城県や笠間市の対応に、もう信頼を置くことはできません。
市民に対する情報の制限は現在も続いています。本来ならば動物の死体は受入れ禁止のはずなのですが、昨年より、県内で多発している鳥イ.ンフルエンザの感染の疑いで殺処分された鶏や鶏卵が、まだ試運転の段階の高温溶融炉にて処理されていることや、12月に本稼働する予定の高温溶融炉の引き渡しが2ケ月程遅れることなども福田地区のみへの説明で終わっています。
この様に、笠間市や茨城県に対して、私たちはもはや誠意ある対応を期待することは出来ませんし、信頼関係が修復できる見込みはないものと考えます。
茨城県や笠間市が県民・市民の利益を守ることを放棄した今、私たちが望むもの、願うことは只一つです。
ぜひ司法の場で公正な判断を下していただきたいのです。多数決ではなく弱い立場の少数の意見であっても、将来の大きなリスクを回避するためにも本処分場の操業と使用の中止の決定を早急に下されますようお願い致します。
平成18年1月17日
笠間市福原2271
廣田松枝
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