無名抄 その弐拾参


 弓辞苑 一関一高弓道部辞典&語録


このコーナーに掲載される語は、一関一高弓道場内で日々増殖中。2012.8.21 例文追加。

 


I love Kyudo!
[あい らぶ きゅーどー]…(1)一関一高の弓道部員のがんばりの源。(2)礼拝後いつも残って射込みをしない部員が、突然このような言葉を口走って射込みをしはじめると、どうしたことかとみんなの注目を集める。電車の時間など人それぞれ都合があり、だれもが射込みをできるとはかぎらないので、あまりからかってはいけない。
あざぁーす[あざぁーす]…ありがとうございます、の意。主に男子部員が使う言葉。
アザタマス[あざたます]…ありがとうございます、と矢取りに対して言おうとした部員が発した謎の言葉。そばにいた部員も真似をして「アザタマス!」と叫び出した。観「なにそれ、新しい造語?」K「いえ!きっと新しいアミューズメントパークっす!」Y「新しいアミューズメントパーク アザタマス!」K「ありそうだよな!アザタマス!」観「・・・(=_=;)」
安土[あづち]…射位から28メートル先にある、屋根付きの砂の壁。的をたてる場所。冬場は凍結防止のために水を撒けないため、蟻地獄のように崩れてくる。年に数回、崩して作り直す作業を行うが、うちの安土は土が多くなってしまい改善が必要。→2006年夏に砂を買って入れていただきました。予算をつけていただき、誠にありがとうございます! で、また砂が風で吹き飛ばされたので、砂の追加をお願いしたいのですが・・・
アディダス弓[あでぃだすゆみ]…引尺の大きすぎる射に耐えきれずに表面にヒビが入った弓を修理に出し、さらに補強のために籐を巻いてもらった弓。巻いた籐が3本線の某スポーツ用品メーカーのデザインぽく見えるので、コーチが勝手に命名した。
アラスカ語[あらすかご]…道場の冬は寒い。あまりの寒さのため、何を言ったのか誰も聞き取れない言葉を発してしまうことがある。それはアラスカ語かもしれない。
 S「△※◎★!!」(部室から寒い射場に出ようとしてドアにはさまれたS君の叫び)
 観「大丈夫?!・・・今の何語
?」
 A「アラスカ語です」

射込み
[いこみ]…チームを組まず、自由に引いて射を整える。競射の時よりみんな伸び伸びと引き、的中も良い。しかし、射込みで中っても競射で中らなければどうにもならない。
椅子[いす]…コーチが部員のねらいをチェックする際に必要なもの。みんな背が高いので、これがないとよく見えません。
 観「おい、ちょっとその椅子貸して」
 K「いーっすよ」
 他「・・・はぁ?!」
一射絶命[いっしゃぜつめい]…熊本インターハイで皆中を出した卒部生のOさんが書き残して下さった、とても見事な書。道場後方から、後輩達を見守っている。
いまさらサラリーマン[いまさらさらりーまん]…大会が終わってから自分の道場で引いてみると、「なんでいまさら?!」と思う程会が持てたり的中したりすることがよくある。開き直りなのかなんなのか。覆水盆に返らず。でも、こぼれた水はまた汲めば良いのではないか。
インターハイ[いんたーはい]…全国高校総合体育大会。高校弓児が目指す甲子園的大会。高校時代は、沼津で開催されるこれに行きたくて弓道バカになったものだ。コーチとなった今では、後輩である皆さんとともに出場し、決勝トーナメントで勝ち続け、最後の一校まで勝ち残るのが目標。2011年は岩手県で開催された。

植え込み
[うえこみ]…矢道の両脇にある常緑樹の列。一、六番的が見えにくいほど伸びてきたら、刈り込まなくてはならない。
ウシガエル[うしがえる]…道場周辺に生息するカエルのうち、もっとも巨大でドスのきいた声で鳴くカエル。礼拝中も容赦無く「モ゛〜モ゛〜」鳴く。中国からの交流生が弓道体験で道場に来た時、「あれはなんの音ですか?」と気味悪そうにしていたので、「Frogですよ(ほんとはBullfrogというらしい)」と教えてあげたら驚いていた。
うまいこと言う[うまいこという]…気の効いた発言に対して発する、賞賛の言葉。部員たちの言語感覚のレベルが高いので、なかなか聞かれることはない。対義語「興醒めだ」

A'チーム
[えーだっしゅちーむ]…Aチームに勝るとも劣らないBチームのこと。2008年春合宿のBチームは、まさにこれだった。
 観「よし、またいい的中出したね!うちのBチームは、Bチームじゃないな!」
 A「じゃあ、俺たち何チームですか?」
 観「えーと(-_-;)・・・A'チーム
?」
 K「微分された・・・」
Aチーム[えーちーむ]…通常、その学校の顔となる基本に忠実な射型・安定した的中を誇る選手を集めて組んだチームに与えられるチーム名。Aチームにふさわしい選手が多くても選ぶのが難しいし、ふさわしい選手がみあたらなくても困る。Aチームに入りたい!という目標をもって人一倍練習を積み、上達していった選手を知っている。反対に、「俺にAチームなんて無理です!」などと逃げる気持ちがあると、短い高校弓道時代がどうなるか、考えてほしい。
遠的[えんてき]…60m先の直径1mの的をねらう競技。近年は点数制で勝負を決める。一高では、県民大会の選手になって県大会に出るか、国体選手選考に残らないと経験できない競技方法。年によっては一関で開催される遠的大会に出場できることもあるが、たいてい試験期間に重なってしまう。

OB戦
[おーびーせん]…現役部員チームと、卒部生・元顧問・卒業生連合チームが対決する、年に一度の試合。2004年に第一回が開催され、OBチームが連敗し、第3回にしてなんとか一勝を勝ち取った。卒部生と後輩、元顧問の先生方と教え子が久しぶりに交流する機会。第一回を企画・運営してくださったのは、当時岐阜県の大学生だったOGのTさん。
大前[おおまえ]…チームの一番立ちの人。的中・安定感も求められるが、チームを引っ張る精神的な強さも必要な重要な立場。毎年決めるのが大変なポジション。やりたい人にやらせておいていいポジションではなく、やりたいと言う人もあまりいない。
お菓子部長[おかしぶちょう]…差し入れやお土産など、部員たちにどうぞ、といただいたお菓子などを、うまいこと配る係のこと。もちろん正式な役職ではない。
お金貸すから![おかねかすから!]…貧しい部員が羽がボロボロの矢を使い続けている様子を見兼ねて、財布に余裕がある時コーチがこう叫ぶことが稀にある。ほんとに稀。無利子。一生懸命練習した部員がちゃんとした道具を使ってこそ、矢もまっすぐ飛んでくれるもの。やせ我慢しないで、買うべきものは買えるときに買ってほしい。
押手がけ[お
しでがけ]…押手の親指や、親指の付け根を保護するための、鹿皮でできた弓具。手袋ではないので、寒いからという理由でこれをつけてはダメ。
[おち]…五人チームの五番、3人チームの三番の人。大将とも呼ぶ。チームの柱となる重要な位置。この選手の1中が勝負を決めることもある。
俺も水草ばっかり食べてたら、空を飛べるようになりますか?[おれもみずくさばっかりたべてたら、そらをとべるようになりますか]…毎年冬になると、道場の上をハクチョウたちが飛んで行く姿が見られる。「ハクチョウはすごいね。水草だの落ち穂だのパンの耳しか食べてないのに、シベリアから遥々飛んでくるんだよ、牛肉とかプロテインとか食べてるわけじゃないんだよ」、とハクチョウ達に敬意を表したコーチ。それを聞いた1年生部員はこんな発想しかできないらしい・・・やってみたら?ノーベル賞が獲れるかもしれません。


[かい]…的中にばかりとらわれていると、どんどん短くなってしまう。そして、短くなってしまった会をもとに戻すのはとても難しい。また、会に入ったまま離れられなくなるのもとても辛い。
皆中[かいちゅう]…一手もしくは4射すべて的中させること。大会でこれを記録すると、知らない人からも拍手で讃えてもらえる。
替弦のなる木[かえづるのなるき]…練習後、壁に向かって並んで中仕掛を作っていた男子部員たちの会話から聞こえてきた、めずらしく可愛げのある願望。
 O「あ〜あ、替弦のなる木ってね〜がな〜?」 S「いいね、それ」
 O「金龍の木、とか、弓神の木、とかいろいろあってさ〜、替弦がズラ〜ってなってんの。取り放題!」・・・高校生らしいというか、らしくないというか、メルヘンチックである。
カケにかけんな![かけにかけんな]…28代目のO君による、新たな弓道ギャグ。ファブ○ーズを部室内でシュッシュとやりはじめたY君に対して、正しい警告をしたのだが、「やべえ、俺寒いこと言った・・・」。
[かえる]…礼拝前の澄ましをしている時に鳴かないでほしい。アマガエル、ウシガエルなどが、豊かな自然を実感させてくれる。「かえる弦」という商品もある。
花壇[かだん]…何故か一部の男子部員が球根や種を買ってきて、道場脇に作ったもの。早く芽が出ないか、と水をやりながら時折のぞき込む様子は、さるかに合戦のかにのようだ。草刈りの時に刈られないか心配。現在、植えた3年生のあとを2年生が引き継いで、液体肥料を施したり、草取りをしたりと甲斐甲斐しく世話をしている。
空筈[からはず]…番えた矢が離れの際に暴発し大きな音をたてて落下する。暴発、バシャ、とも呼ぶ。勝手の力みやゆるみ、中仕掛けの細さなどが原因と考えられ、体が堅くなる冬場によく発生する。
看板[かんばん]…第一回OB戦記念品として作成した道場の看板のこと。書は熊本インターハイ出場の21代目部長Oさん、彫ったのは10代目の観。材はケヤキ。堅い木なので、なかなか彫り進められなかった。

肝が据わってきた
[きもがすわってきた]…試合でもあがってしまわず、落ち着いて行射できるようになった自分を評してS君が述べた言葉。最近なかなか耳にしないような慣用句を使うので、感心してしまった。
きもち下げてください[きもちさげてください]…安土への的出し後、射場内にいる人に的の高さや位置を確認してもらう。その時、「ほんのちょっとだけ下げてほしい」という時に使う言葉。一年生にはまだ、「きもち」がどの程度の下げ幅なのか推測することが難しく、「きもち下げて!あ、下げすぎ〜!きもち上げて…」焦ってしまうこともある。この言葉を「テンションを下げてください」と解釈するのは誤りだが、面白いので載せました。テンションは下げないで前向きに!
キャッチ&リリース[きゃっちあんどりりーす]…一度つかんだ「これだ!!」という感覚を、すぐに忘れてしまうこと。例えば、会をどうしたらもてるか考えに考え、いい方法を見つけたのにもかかわらず、翌日になるともう忘れてできなくなるような状態のこと。
 S「きたっ!これだこれ! 完璧に判ったっす!」
 観「お〜、掴んだね。今の感覚を忘れないんだよ」
 S「いえ! も〜、キャッチ&リリースです」 観「逃がすなって! しっかりつかまえとけ!」
キャッチボール[きゃっちぼーる]…弓道部の男子が好むスポーツ。部活後、堤防の砂利道を転がって行くボールを、必死に追いかけて行く後ろ姿を見る事が出来る。私の車にぶつけたらタダではおかないぞ! 余談だが、私は弓道を始めてからキャッチボールが下手になってしまった。以前は野球部の弟と対等に投げ合えたのに、今は思ったところに投げることができない。こういう症状の弓人、他にいらっしゃいますか?
弓辞苑に載せてください[きゅうじえんにのせてください]…最近、観にこう申し出る部員が増え、このコーナーを見ている人が案外いることを知った。人名が入って成り立つ言葉や、個人や団体の名誉を傷つける言葉は載せない他は、管理者の独断と偏見で語を掲載している。部員の皆さんの御協力のおかげで、2007年5月23日に「あ」から「ん」までの全項への入力を成し遂げることができた。弓道場にいる時、コーチは常に部員の発言に聞き耳をたてている。
弓道ギャグ[きゅうどうぎゃぐ]…弓道人にしか通じない冗談。教師ギャグ・おやじギャグと同レベルの駄洒落である場合が多い。例として→A「あっ! ハズ取れた」B「そんなハズはない!」、A「あたしの矢がない!」B「や〜ね〜」などがある。聞いてしまった者は、涼しさを味わえるかもしれない。
 T「さっきの矢、やっぱり折れてた・・・へんな音したから見に行ったらこんなことに・・・」
 M「『矢』だけに、ヤな予感がした?!」 観「・・・Mさん、その新たな弓道ギャグ、弓辞苑行きだからね」
弓道教本[きゅうどうきょうほん]…全日本弓道連盟指定の弓道の教科書的書籍。第1巻から第4巻まであるが、五段までの弓人は、まず第1巻射法編を理解しなくてはならない。学科試験の解答も、この本に書いてあることを基本として書く。活字が細く、写真もモノクロでかなり古いので、そろそろ読みやすく改訂してほしい。と、思っていたら、活字が電算写植に改められたものが売られていた。2007年10月、観と卒部生Wさんの寄贈により、弓道部備品に弓道教本第1巻が加わった。
弓道バカ[きゅうどうばか]…弓道+バカ、という人をさすのではなく、高校生活も充実させ、かつ高校弓道に情熱を燃やす部員のこと。街頭募金活動が10時半からあるけど9時半からの部活に来る、塾に行く前の10分間で射込みをし塾が終わってからまた道場に来る、学校に巻藁を設置してテスト期間の休み時間にも練習をする、仙台の弓具店にわざわざ行って買い物をする、土砂降りだろうと大雪だろうと道場に来る、など、弓道バカぶりを発揮している部員を見ると、コーチは嬉しくなる。
興醒めだ[きょうざめだ]…つまらないことをして、周囲の期待を裏切るとあびせられる言葉。

[くさ]…一高道場の矢道に生えているもの。芝生ではないので際限なく伸び、虫たちの繁殖を助けてしまうし、放っておくと的が見えなくなるので、コーチが刈る。
口から心臓のようなものが飛び出そうでした[くちからしんぞうのようなものがとびでそうでした]…大将が、順位決定戦射詰後に心境を語った言葉。
口割り[くちわり]…これをきっちり合わせないと弓とねらいが安定せず、会の充実がはかれない。自分では合わせているつもりでも合っていないこともあるし、会で上下に動いてしまうことも自覚できないことがある。それを矯正するためには弓友に行射を見てもらうのが一番だが、以下のような会話をすると、ぞっとしたり笑って引けなくなったりするのでやめましょう。
 T「俺の口割り下がってっかもしれないから見て」
 S「おいしそうなくちびるだな」(注・2人とも男子部員。だいじょうぶか?)
 観「口割り高いよ。あと1cm下げなさい」 S「下がらないんです!」 観「横にばっかり引っ張ってるから!ちゃんと口割り着けて安定させなきゃだめです」
 S「口を1cm高い位置に移動する整形手術っていくらかかりますか?」 観「・・・知らない」

血管がうきうきしてる
[けっかんがうきうきしてる]…矢数をかけすぎて、疲労した腕の血管がこうなったらしい。
月例大会[げつれいたいかい]…試合のない季節に行う、月に一度の部内試合。コーチが編成したチームでの団体戦及び個人戦。試合に強い選手の育成、大前や大将を務められる選手の育成、早気の撲滅などを考えての練習。中ればいい、のではないことを自覚するための特別ルールがある。
県営武道館[けんえいぶどうかん]…ほとんどの高体連県大会は、ここで行われる。近的場・遠的場両方ある。冬から5月あたりまで、となりのスケート場から吹いてくる強風がとても冷たい。強化練習などで使用する際は、自前の的を持参すること。控えにある赤いベンチのようなものは椅子ではないので、腰掛けないこと。
玄関[げんかん]…脱いだ靴は「出船」にそろえる事。
剣道[けんどう]…弓道部には、何故か剣道経験者が数多く入部する。

強盗スタイル
[ごうとうすたいる]…マフラーを鼻のあたりまで覆面状に巻き付け、鋭い目つきであたりを見回すさま。帰宅時の寒さ対策のひとつ?
ここ、空気薄くないですか?[ここ、くうきうすくないですか]…道場で唐突にS君が言った謎の言葉。その日は湿気はあったが、突然標高が高くなったりはしていないのに、S君は息苦しいと言う。男子部室の制汗
剤のにおいがこもって渾沌としている、というのとも違うらしい。S君の呼吸器に何が起きたのか?
後藤弓さん[ごときゅうさん]…(有)後藤弓具店さんのこと。いつもお世話になっております。仙台に店鋪があり、一年生の道具購入や各種大会の際は出張販売に来てくださるし、岩手宮城大会等に賞品を出してくださる、ありがたい弓具屋さんである。道場の時計は、道場落成の記念に後藤弓さんから寄贈されたもの。
小的[こまと]…八寸星的のこと。直径24センチ。射詰めで勝負がつかない時や、中心をねらう練習をする時に使う。部活ではあまり使わない。まれに紙コップの場合もある。
ゴム弓[ごむきゅう・ごむゆみ]…新入部員の友。射法八節の基本を、ゴムの負荷を利用して覚えるために、くり返しこれを引く。的前に立ってからも、射型の確認や、離れの感覚を掴むために使う。


サッカー
[さっかー]…弓道部員が大好きなスポーツ。部活後、外で輪になって仲良く蹴鞠のようなことをやっている。なかなか上手い。クラスマッチの直前には女子もやっていた。
 T「♪S・O・C・C・E・R、サッカー!!」
 F「…やらねーよ!」(外は雨)
寒がりボーイズ[さむがりぼーいず]…極度に寒さに弱い男子部員たちのこと。参照→チワワのように震えている
残念
ざんねん]…一立ちで引く矢を全てはずすこと。的中無し。「残」とも言う。試合で出しちゃだめなもの。的中確認のとき、大声で「ゼロで〜す!」などと叫ぶのはあんまりなので、「残念で〜す!」にしてください。

飼育部長
[しいくぶちょう]…いつの間にかできた部の非公式な役職。花の種や球根を自費で購入し、花壇を作り、世話をし始めたT君のこと。しかし、ふつう植物を飼育する、とは言わない。栽培部長、の間違いではないだろうか。参照→掃除部長
直にですか?
[じかにですか]…寒い時は、首のところに貼るカイロを付けると、冷たい空気が首から入り込まなくてあったかいよ、と1年生に教えてあげたら、こんな言葉が返ってきた。真顔だった・・・学業成績優秀と聞いていた部員なのに(T T)「胴着の襟のところ」に貼ってくださいね。
雫石荘
[しずくいしそう]…部の5月合宿や、国体強化合宿の際に利用される。バスでの送迎があり、宿泊費がとても安く、脱走しても商店も遊ぶ場所もないという合宿に最適な民宿。今年もお世話になりました。同じ地区の別の民宿にお世話になる年もあります。
自転車に乗り遅れた [じてんしゃにのりおくれた]…自転車通学市内生T君の遅刻の言い訳のひとつ。そんな言い訳が通ると思っているのか?!T君が引退した今でも語りぐさになっている。
 観「(最近休日の部活に遅刻しなくなったなと思っていたのに・・・)今日はT君は? 遅刻?」
 A「Tさんは、自転車に乗り遅れたってさっきメールが来たから、もうすぐ来ると思います」
下之橋[しものはし]…狭いうえに老朽化がすすみ、2006年についに新下之橋に役目を譲った。自転車でも車でも渡るのは恐怖だったけど、ありがとう下之橋!
写真のなかでは、会は永遠にある[しゃしんのなかでは、かいはえいえんにある]…早気と闘う部員が出場した大会で、なんとか撮影に成功した会の一瞬。その写真を見たN君がつぶやいたかっこいいセリフ。
じゃじゃ麺食いに行くべ[じゃじゃめんくいにいくべ]…春先に、K君が部活帰りに毎日のように言っていた言葉。毎日食べても飽きないのか?おそらく同義語→じゃじゃる。
射場アローン[しゃじょうあろーん]…複数射場の会場で、一番遅いチームの大将が、ただひとり射場に取り残されて4射目を引くこと。いちばん後ろだったり、まん中らへんだったり。1人で会を持って、静まり返った中で離れ、的中、となると気持ちいいらしい。
賞品[しょうひん]…大会・月例会で入賞した選手に、栄誉を讃えて贈られるもの。しかし、射詰めや遠近で激戦を勝ち抜いて獲得した賞品が「?」なものだったとき、むなしさを
感じることもある。弓道用品だととても嬉しい。過去に、優勝して弓をいただいた部員もいる。
 N「…これ、なんすか!?」(参加者700名の大規模な大会で皆中、射詰め遠近のすえ4位に入賞したN君がもらった賞品は、携帯用手動充電器という微妙なものだった)
ショートカット[しょーとかっと]…近道。堤防の上の道路から弓道場までの最短距離をとろうと、無謀にも自転車で堤防の草斜面を駆け降りることをそう呼ぶらしい。転ぶと危険だし、犬の落とし物もあるかもしれないから注意が必要。「ワープ」は同義語?
審査[しんさ]…段級審査のこと。一関、北上、花巻、盛岡、釜石、などを会場に、毎年春と秋に開催される。学科試験と術科試験により、受審した段位にふさわしいかどうか判定される。合格したら、その日のうちに会場で登録料を支払うことになっているので、財布の中身を確認しておくこと。初めての審査では、「無指定」の部を受審し、級位か初段かを審査していただく。1級であれば、次回初段を受けることができる。岩手では、高校生は弐段まで。参段を受けても構わないのだが、体配の面でよほど熟練していないと合格にはならないとされている。過去に、超高校生級の伝説的な上手さで合格した高校生が数名いたらしい。その方たちは今、岩手を代表する弓人として活躍中。

ずいっ
[ずいっ]…積極的な姿勢をあらわす擬態語。「(よその先生をつかまえて)一関一高の○○です!一手でいいので射を見ていただけませんか?」ずいっ、「教本貸してください!」ずいっ、「おかわりください!」ずいっ、等のように使われている。決してずうずうしいのではなく、人より前にずいと出て行こうという姿勢は良いと思います。
素引き[すびき]…新入部員時代、誰もが8キロの弓をぶるぶると素引きしていたのが懐かしい。実際に引く前に、弓に異変がないかどうか、素引きをすることをお勧めします。
スローフード[すろーふーど]…ゆっくり御飯を食べること。ではない!
 観「遅い!!Mくん、まだ夕飯食べてんの?女子より遅いじゃん。みんな片付け始まってるよ! 」
 M「もぐもぐ・・・これがスローフードってヤツですよ!」
 観「違うだろ!」
 Y「Mは、夕飯前にお菓子食い過ぎなんですよ」

ゼッケンマン
[ぜっけんまん]…弓道の大会でも、ゼッケンを着けることが多い。予選を通過できなかった選手は、ゼッケンの返し忘れのないように袴から外し、S君に渡すと良い。S君の袴や学生服には、いつしかみんなから寄せられた好意のゼッケンがびっしりと・・・いや、先生に見つかる前に外してくださいね。


背中に羽がついている[せなかにはねがついている]…翼をもった天使の様な人をさす言葉でもなく、大きく羽ばたこうとしている人をさす言葉でもなく、以下のような場合に用いられる表現。まったくメルヘンチックとは程遠い。
 T「S、お前さっきから背中になんかついてんぞ? 」
 S「なになになに?!」
 A「蛾だ! 蛾。モスキート、じゃなくてモス!」 S「キャ〜! やめて! 取って取って!!」
 A「まさに背中に羽がついているとはこのことか!」 観「ちがうだろ」
選考会[せんこうかい]…県大会、県大会予選の団体選手を決める際に行う。この的中と日頃の練習態度、アンケートを総合して決める。
先生[せんせい]…顧問の先生方のこと。武道館の予約や大会申し込み、大会役員、合宿や大会の引率など、いつも大変お世話になっております。基本的に、顧問の先生の引率がないと、一般大会には出場できない。ほかに、一般弓道会の会員にも名前に「先生」と尊称を付けて呼ぶ。一年生がまちがってコーチを先生と呼ぶこともある。

そーかい
[そうかい]…部員のへ理屈、切り返すほどの価値もないギャグなどを聞き流すときに用いる語。主にコーチが使っていたが、部員たちも真似をして使う。まず「なんじゃい」と受けてから聞き流すこと。
掃除部長[そうじぶちょう]…飼育部長同様、部の公式な役職ではない役名。大掃除をする宣言をしたり、部室の整とんを呼び掛けたりする心がけの良い部員。女子部室を散らかしていたことを反省し、あこがれの卒業生の先輩をがっかりさせない環境を保持することが自分の使命と悟ったFさんが現在の掃除部長らしい。別名・ゴミ部長。
そんなハズはない[そんなはずはない]…もはや使い古された弓道ギャグ。うっかり言ってしまうと恥ずかしい。ねらって言うともっと恥ずかしい。
 S「この矢、筈がなんか開いてきたんですよ」
 K「そんなハズはない!」


タイガー
[たいがー]…正しくはプーマ。弓道部おそろいジャージのメーカー。虎に見えなくもないが・・・H君がそう呼んだらしい。
 H「だれか、俺のタイガー知らねえか?」H君のタイガーは無事見つかりました。
滝に打たれろ[たきにうたれろ]…自分の精神面に大きな不安をもつ部員に対して、同代の部員が言い放ったアドバイス(?)。
 Y「観さん、どうしたら精神面を鍛えられるんスか?!」 観「う〜ん、どうしたらいいかねぇ・・・」
 O「滝に打たれろ」
 Y「・・・滝なんかねぇじゃん!!」
 O「川ならあるけどな」
 観「上流のほうに行けば、滝もあるかもしれないよ」
 Y「ほんとに打たれろって言うんスか?!」 観「いや、冗談です」
立ち[たち]…チームを組んで競射をすること。毎日何射か決めて記録をとる。私が現役の頃は、「競射」としか言わなかったし、大会前にしかやらなかった。
度々足袋に穴があく[たびたびたびにあながあく]…毎日足袋を履いて練習をしていると、すり足の摩擦ですぐに穴があいてしまう。どこのブランドの足袋がいちばん耐久性があるのだろうか。初歩的な弓道ギャグとしても用いられる。
ダブル皆中[だぶるかいちゅう]…チームの横皆中を達成すると同時に自らの皆中も成し遂げること。5人立ちの大将だけが達成できる偉業。2008年春合宿でN君が達成した。
ダブルぼっこり[だぶるぼっこり]…握りのあんこが、何故か両側に入っている弓のこと。誰かが自分の手に合わせて作ったのだろう。丸っこい握りになっている。ふつうは内側に入っていれば用は足りる。

遅刻
[ちこく]…部活に遅れて来て、立ちの1立目までに間に合わないこと。礼拝中に玄関を開けた場合は、礼拝が終わるまで玄関で待っていなければならない。本人のため、部全体のために、遅刻撲滅運動展開中!
チャリ[ちゃり]…第二グラウンド組にとって、なくてはならない人力移動手段。自転車のこと。寒風吹きすさぶ冬も、猛暑の夏も、これに乗ってフルスピードで道場を目指す。盗まれないように気をつけましょう。F君の「俺のチャリ誰か知らない?マジでねぇんだけど」事件は、白昼堂々こんな農地で部活をしている道場横から自転車を盗むやつがいるのか?!とみんなを震撼させたが、無事解決した。
チワワのように震えている
ちわわのようにふるえている]…極度に寒さに弱い部員たちが、道場の寒さに耐えられずぷるぷる震えている様子。防風シートを設置したから、あとは服装とカイロでなんとかしなさいね。

継ぎ矢
[つぎや]…先に放った矢に、後の矢が刺さってしまうこと。めったに無い事とありがたがるか、筈が壊れる大惨事と考えるか…「筈を食う」とも言う。伊東○咲の缶コーヒーのCMで全国区になった現象。いくらなんでもあの射はないだろう。2008年の高総体直前の練習中、A君は「筈の溝の中心に命中し、跳ね返る」という前代未聞のピンポイント継ぎ矢をした。矢のシャフトは無事で、筈は、かにのハサミのようにチョキの形に開いてしまった。

ディスティニー?
[でぃすてぃにー?]…偶然同じ日に同じもようの靴下を履いている人をみつけたら、指さしてこう言う。そんなの運命的偶然とまでは言えないと思うが。
テスト
期間[てすときかん]…考査前の部活停止期間。とてもつまらないが、家に早く帰って勉強しなくてはならない。勉強も頑張って文武両道を目指そう。この期間も、家でゴム弓や素引きをすることをお勧めします。
テンション[てんしょん]…その時々の精神状態、緊張感のこと。そりゃ人間ですから、ハイテンションなときも、テンション低いときもあります。が、自分でコントロールできるのが理想的。

トイレ
[といれ]…はなれ小島の弓道場にも、ついに2006年冬に完成したありがたい設備。しかし、部員の利用頻度の割にトイレットペーパーの減りが早い。関係者以外の御利用は御遠慮いただきたい。
虎の皮
[とらのかわ]…誰かが「虎口(ここう)」を間違ってこう覚えていた。一年生に弓道用語を教えている際に発覚。人の皮ですから。
[とり]…何故か、礼拝前の澄ましをしている時に限って鳴く。カラス、スズメ、ヒバリ、ヒヨドリ、キジ、ハクチョウなどが、美声を披露して澄ましの邪魔をする。最近は、鳥や蛙よりもひどい邪魔が入ることがある。
トリニティ[とりにてぃ]…Trinity 。足踏みの角度と幅を確認するために、角材で作った正三角形の機具。2008年3月頃に導入。制作者は観の父親。なにかかっこいい名前をつけてほしい、と募集したところ、「三位一体からとって、Trinity はどうでしょうかぁ?」と提案してくれたS君の命名にいたく感動した観がそれを採用。ただ、「Trinity じゃ、マトリックスに出てくる女の人と同じ名前ですよ」という意見もあり、「三角だから、さっちゃんにしましょう」という案もあり、今のところTrinity は仮称です。


[なつ]…弓道場に蚊が飛び交い、ユガケの中の湿気に要注意の季節。日が長くて矢所がよく見えるのはありがたいが、矢道の草の伸び放題にはとても困る。
何をやっているんだよ[なにをやっているんだよ]…コーチの口癖。矢を持たずに的前に立とうとする、など不可解な行動をしている部員に対して発する言葉。

握皮
[にぎりかわ]…弓を握る部分に巻く皮。古くなったら自分で買って巻きなおす。部費で買ってストックしてあるものもあるが、ガラが趣味に合わないとか言ってなかなか利用してもらえない皮もある。男子「いや、お花模様の皮はちょっと勘弁してください」・・・模様よりも厚さや手触りの方が重要です。

ぬいぐるみ
[ぬいぐるみ]…月例大会の賞品にミッキーのぬいぐるみを用意した。獲得したのはF君だったが、即座に女子の「先輩!それください!!」攻撃に合い、あえなく女子部室の備品となった。F「俺がもらったのに…」
濡れ衣[ぬれぎぬ]…あらぬ疑いをかけられること。
 観「誰だ! 昨日の大会、ビデオで射型じゃないもの(記録係の先生)をズーム多用して撮ったのは?! T君でしょ!」
 T「ちがうっす! 俺、昨日はビデオカメラに指1本ふれてないっすよ!!」
 観「じゃあ誰だ!? A君か?バッテリーが切れるわけだよ」(犯人は見つからなかった)
 別の日、大会に出張販売に来た弓具屋さんにて。
 N「あ! T、俺見ちゃった〜」(袋に入った矢を斜めにしたら、矢尻が袋を突き破って出たのを目撃)
 T「ちがうって! 俺もびっくりしたけど、最初からこうなってたんだって!!」
 N「あ〜、コドモがよく使う言い訳だね。前からこうだった、って言うのは」
 T「ほんと、ほんとだって! ちょっと!!マジで俺じゃね〜から!!!」

ねーわ
[ねーわ]…的中などに納得いかない部員が、吐き捨てるように言う言葉。ねーならねーで、なんとかしなくてはならない。
念じる[ねんじる]…射詰めの応援などで、味方の的中を念じるのは良いが、相手の失敗を念じるのは良くない。そんなマイナス思考をしていると、たいていの場合負けてしまうものだ。

納射
[のうしゃ]…3年生部員の引退式。これも私の現役時代にはなかった行事。袴着用で、高校弓道最後の弓を引き、その後1、2年生に向けて、一人ずつ言葉を残していく。1、2年生は3年生を送る行射をする。2年生のお礼の言葉も心をうつ。コーチは贈る言葉を練りに練って行くのだが、いつもその半分くらいしか思い出せず、うまく話せない。一高で弓道部を選んだ部員全員が、高校弓道を全うし、晴れ晴れとこの日を迎えてほしい。
 K「悔いはあるけど、悔いはないです」
 T「誰か1人だけがうまくなるんじゃなくて、全員でうまくならないと意味が無い」
 A「休まないでもっと練習すればよかった」
 H「完全燃焼したと思います」
 D「弓道をやると集中力がつくってきいてたのに、全然つかなかった」
 I「二年生は、おれらの自慢の後輩です」
 S「俺たちは、最高の仲間に恵まれ、最高の後輩に恵まれ、最高の先生に恵まれて、弓道をやってこれました」
 K「観さんに、生意気なことばかり言ってすみませんでした」 ←そんなことないよ
 N「俺は、三月末が誕生日だから、もしも、あと1週間くらい遅く生まれていたら(この後不明)」
 S「みんなが上手くなっていくなか俺だけなかなか皆中できなかったけど、一生懸命練習していたら12月24日にやっと皆中できました。癖を治すのがたいへんだったけど、それでも練習を続けていたら、何故か新人戦で個人入賞できました。審査では何回受けても不合格だったけど、それでもあきらめないで挑戦したら、5月に初段をもらうことができました。だから、もしも、一・二年生で今自分だけうまく引けないとか悩んでいる人がいても、絶対にあきらめることなく、日々の練習を続けていってほしいと思います」
 A「S、俺とも握手して」
 M「道場に来るのが遅いと怒られ、それなら先輩達より早く道場に行ってやろうじゃないのと全速で自転車をこいでも追いこされてしまい・・・雨の日も風の日も雪の日も、そろって自転車で学校を飛び出して行く先輩達をみて、そこまでして自転車で行かねばならないのかと半ばあきれました」(←これは、送る側の二年生の言葉でした)
 ?「先輩たちにはほんとに引退してほしくないです。留年してください!」(←これも送る側のあいさつより。2008年納射で2人くらい言ったような)
 A「私は、大前というポジションが好きでした。大前があてればみんながついてきてくれるし、あてられなくても、Mとかあとに続く仲間があててくれるから。みなさんも、チャンスがあったらぜひ、大前、やってみてください」
 M「暴発とか、なかなか直らなくてたいへんだったとき、まわりのみんながいつも支えてくれました」
 F「高総体が終わって、部活引退することになって、正直悔いが残りました」「27代目、28代目の先輩たち、29代目の仲間、30代目、31代目の後輩たちに会えて、ほんと良かったです」
 D「3年生は、部活が終わると毎日勉強勉強模試勉強模試勉強というつまらない毎日です。部活に熱中するのは今しかできないから、今を大事に部活を楽しんでください」
 M「3年の先輩たちとかけまして、弓道とときます」その心は?「うちらの尊敬の的であり、あこがれの的です!」(←送る側の二年生の言葉)
 R「いまの1年生が、2年生によく話しをしているのを見て、私も先輩たちともっと話しをすれば良かったと思いました。今までありがとうございました」(←送る側の二年生の言葉)
 K「明るい雰囲気の部活を築き上げて残していってくださって、ほんとうにありがとうございました!」(←送る側の一年生の言葉)
 T「1年生のとき自転車でこけて骨を折り、転んだまま動けない俺を野球部の人たちがじろじろ見て素通りしていきました。じろじろ見てるだけじゃだめなんです!見ているだけでは、なにも解決しません。だから、引いているときも仲間や後輩の射をじろじろ見るだけじゃなく、アドバイスしたり相談にのったりして強くなっていってください」
 S「ライバルを見つけて、できれば他校にライバルを見つけて、あいつより上手くなってやるという強い気持ちを持つといいと思います」
 S「観さん!」観「はい?」S「『不動心』で後輩たちの戦績を見るのを楽しみにしています。これからも更新よろしくお願いします!」観「がんばります!(^_^)」
 F「卒業しないでください」(←送る側の二年生の言葉) S「留年しろって言うのかよ」(←三年生のつっこみ)
 Y「来年の納射では、胸を張って引退のあいさつができるように、がんばっていきます」(←送る側の二年生の言葉)


排水溝
[はいすいこう]…弓道場脇にあり、第二グラウンドにたまった雨水を排水するはずのもの。しかし、詰まっていることが多く、集中豪雨の際はきまって溢れる。矢取り道は川になり、玄関から浸水しそうになることもある。
拝礼はいれい]…練習前と練習後に整列して行う。座った姿勢での正しい礼を、全員が揃ってできるととても美しいし、強そうに見える。拝礼は神棚に向かって行うが、弓道の神様に向かって拝むものではなく、自らの心に対して「今日も正しい弓道に近付くためにがんばります」「今日もしっかり練習しました」と向かい合う時間なのだ、と教わった。「拝礼と礼拝、どちらの呼び方が正しいのですか?」と部員に聞かれることがある。どちらも正しいと思います。近頃、Rさん発案によって「拝礼」も弓道ギャグの仲間入りを果たした。
 R「いちねんせ〜い!! 拝礼するから道場にはいれ〜ぃ!!」(外で練習をしている入部したての一年生に向かって叫ぶ)
吐き気がするほど[はきけがするほど]…D君の若柳大会での緊張の度合いを表現する言葉。もう2年生なのに、何故そんなに緊張する?
掃けちらかす[はけちらかす]…矢が掃けて、火花が散ることを表現する造語。できたばかりの語なので、まだ浸透していない。もとの語は、管理者が今年になって初めて耳にした失礼ですが笑ってしまう関西語。一高道場の安土の下はコンクリートむき出しのため、夜間掃き矢を出すと、美しい火花を見ることができる。ゴムマットのようなものを敷かないと矢が傷んでしまう、と部員から訴えられているが、掃き矢を出さないように引けばいいのでは?2007年、人工芝的なシートを敷いていただきました。
[はたけ]…道場周辺に広がる広大な土地。日々美味しい野菜を生産していると思われる。が、ときどき臭う。何か燃やしても結構ですが、ダイオキシンとか大丈夫でしょうか。防矢ネットがあるので、そちらに矢が飛んでいくことはない。
 観「何か焦げ臭くない?」 R「ストーブじゃないっす」
 K「俺のハートが燃えている!」
 R「畑の農作業で何か燃やしてるっぽいです」
 K「だがら、俺のハートが燃えてるんだって!」
 R「黙れ」
バズーカ砲[ばずーかほう]…部の備品である太い矢筒のこと。バズーカ、とも呼ぶ。私が高校生の頃もこう呼んでいたが、今も続いているらしい。確かにバズーカ砲的な形状なので無理もない。一年生は個人の矢筒を持っていないので、これに矢を入れて移動する。
早気[はやけ]…弓道における最大の難敵。的中が安定してきた頃に発症しやすく、それでも中るからと治さないでいると、長期戦になり非常に辛い。離したくなくても離してしまう。伸びあうこともねらいを確認することもできなくなる。ゆるみ、暴発などの原因にもなる。
バレーボール[ばれーぼーる]…近頃27代目の中でブームとなっている。力が有り余っているらしい。怪我をしたり、ボールを道場内にぶつけたらタダではおかないぞ!
ハンパねぇチーム[はんぱねぇちーむ]…チーム名のアルファベットが頭に付くかっこいい単語を述べよ、というコーチからの課題に対しての、「Hチーム」だったYさんの答え。
 観「さて、これから決定戦だけど、頭を使ってリラックスしてみよう。Hチームの皆さん、頭に『H』のつくかっこいい単語でチーム名を考えましょう」
 M「Heroチーム!」MN「うちら女子じゃん(汗)」観「じゃ、Heroineチーム?」
 Y「いいえ、Hanpanee チームです!!」観「・・・そりゃ強そうだね」その後の決定戦では、ハンパねぇ的中を出してねばり、ハンパねぇチームにふさわしい試合をしてくれました。

光る筈
[ひかるはず]…商品として販売されている『光る筈』だが、うちの部の頭脳派はこれを自作してしまう。が、耐用日数などに問題ありで、活躍はしなかった。
ヒジキ[ひじき]…部員が自費で買って使っている黒色の弦がある。その繊維がぼそぼそにほぐれてしまい、水でもどした長〜いヒジキにしか見えないので、そう呼ぶ。響(ひびき)という弦も販売されているが、ヒジキとは無関係。
ビルトインスタビライザー[びるといんすたびらいざー]…試合で「×××」という記録を出してしまった時に、残念だけは出さないよう4本目はどうにかして「○」にすること、をこう呼ぶらしい。本当は「自動安定化装置と訳され、財政が景気を自動的に安定化するように作用すること(出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー(Wiktionary)』)」。知らないうちに難しい言葉を弓道部用語にしてしまう。さっぱり覚えられなくて困った。
 A「あ〜、あの時俺のビルトインスタビライザーが働かなかったら、やばかった〜」

部活に来るのは遅いけど会は早いね
[ぶかつにくるのはおそいけどかいははやいね]…遅刻したうえに早気だったりすると、こんなひどいことを言われる場合もある。対になっているが、日本語としてはちょっと変。時間を守り、会はじっくりもちましょう。
[ふゆ]…安土は凍り、矢は雪に埋まり、手足は冷えきり、道場内に寒風吹きすさぶ、弓道の敵といえる季節。
フラミンゴの羽[ふらみんごのはね]…あるところに、一番安価な矢羽はフラミンゴの羽、という誤った情報を鵜呑みにしてしまった1年生部員がいましたとさ。
 O「俺たちが買った一番安い矢って、フラミンゴの羽で作ってあるんですよね」
 観「まさか! 何言ってんの、七面鳥だよ。フラミンゴの羽なんか、大量に確保できるわけないじゃん」
 O「ええっ!?フラミンゴじゃないんですか〜!?」
 観「どこにフラミンゴだなんて書いてあった?」
 O「Fさんがそう言ってたんで、すっかり信じ込んでました」 観「こら指導部長、1年生をだまして遊ぶんじゃないよ!!」
ブレイクする[ぶれいくする]…(1)横皆中を阻止し、チームの夢を破壊してしまうこと。英語的に見て正しい表現なのかどうか不明。ブレイクしないでください。(2)自転車で転んだり、体育の時間にろっ骨を折ったり、ケガばかりしていること。短い高校弓道の時間を有効に使うためにも、ブレイクしないでください。

ヘアスタイル
[へあすたいる]…髪型。以前撮った射型のビデオを見せると、若者達は当時の髪型にばかり目が行く。「この頭なに? ありえなくね?」髪はいいから射型を見なさい。
ベスト1よりオンリー1[べすとわんよりおんりーわん]…大会の目標は何だ、ベストなんぼ?とたずねたら、この言葉が帰ってきた。どういう意味かは不明だが、とにかく一番の中の唯一を目指すということだろう、と思う。
変則弓倒し[へんそくゆだおし]…正しくない弓倒しのこと。審査の前になって急に直そうとしても、簡単には直らない。

防風シート
[ぼうふうしーと]…透明なテーブルクロス、透明テープ、荷造りロープ、靴ヒモ、画鋲、などを組み合わせて自作した、射場に寒風や雪が吹き込まないようにするための設備。
防矢ネット[ぼうやねっと]…放った矢が安土の屋根を超えて人に危険が及ばないように、矢道上部に設置されたネット。強風や大雪の際は、ネット自体の危険防止のために地上に下ろしておく。


まぁ見ててよ
[まあみててよ]…ある日、突然射込みでハイテンションになったD君が言い放った言葉。
 D「I、俺いまキテる、キテるよ」
 I「???」
 D「すげーキテっから、この4本全部中ててみせるよ」
 I「なに?どゆこと?なんなのその自信」
 D「まあ見ててよ」
 一同「?」・・・皆中予告、結果は半矢だったようです。普段物静かなD君に、この時いったい何が起こったのかは永遠の謎。
巻藁[まきわら]…藁を米俵大に束ね、至近距離から矢を放つ練習をするためにある備品。巻藁矢が突き抜けたり、跳ね返ったりするようになったらもう寿命なので、新しい巻藁を買わなくちゃ危険。古い巻藁の一部は、観の家の畑で切り刻まれ土に還る。
的張り[まとはり]…的枠に的紙を両面テープで張り、的を作ること。一高では両面テープを使い、弓道会ではガムテープを使う。以前は、紙と的紙を糊を使って貼ったので、天気の良い日にしか作業できなかった。
的枠破壊[まとわくはかい]…的枠に矢を立ててしまうこと。根性であてたと誉めるべきか、備品を壊すなと非難するべきか。
丸こくなるな![まるこくなるな]…猫背で引く部員、もしくは「あたらねぇ・・・」とか言ってアルマジロのごとくひざをかかえて落ち込みポーズをとる部員に向かって、コーチが叫ぶ言葉。どんよりして何になる? マイナス思考を身体で表現するひまがあったら、ほかにすべきことがもっとあるはず。

見取り
[みとり]…他の人の射を見て勉強すること。大会でも、部活でも、これをちゃんとしてほしい。よく見、よく考え、人の射を見て我が振り直すことができる。

無断欠席
[むだんけっせき]…正当な理由無しに、黙って部活を休むこと。度重なると部員からの信用を失い、選手選考でマイナス評価になる。

名言
[めいげん]…弓道部員の心を打つすばらしい発言。失笑を買うとただの駄ジャレ。どちらも日々増殖中。
メンバーチェンジ[めんばーちぇんじ]…公平さと冷静さと状況分析力が必要な、非常に非情な決定。練習であたるからといっても試合でもそうとは限らないし、昨日あたったからといって今日も必ずあたるとは限らない。試合はたったの4射で決まるのだ。選手との信頼関係が必要。

毛布
[もうふ]…顧問の先生が、寒さしのぎにと寄贈してくださったありがたいもの。みんなで足をつっこみ、体温を利用したコタツとして活用する。
土竜もぐら]…一高道場の矢道に巣食うほ乳類。彼等の活動の痕跡があらわれると、「極寒の道場にも、春が来たんだなぁ」としみじみ思う。
 M「先輩、矢道にイモとか植えちゃってもいいっスか?!」
 T「植えても無駄だ。この矢道、ぜってーモグラいっから」
モシャス!もしゃす]…矢取りに入ってもらうために、射場から叫ぶ言葉「おねがいします!」の誤った例。春の陽気にさそわれて、S君はこう叫んでしまった。検索してみたら、本来はドラクエシリーズに登場する攻撃補助呪文なのだそうです。
もじゃもじゃです[も
じゃもじゃです]…髪型のことかと思ったら、弦の表面がけば立っていることを指していた。失礼しました。
 F「(射込みで1本引いたあと)あ、やべぇ」
 観「どうしたの?」
 F「もじゃもじゃです!」(と、頭上を指差す)
 観「髪型なんか、気にするな〜!」
 F「いいえ! 弦がもじゃもじゃなんです!」・・・その場にいた誰もが、髪型のことを指したと信じて疑わなかった、という申し訳ない話。
モナリザ[もなりざ]…K君の邸宅にあると噂される名画。「弓がほしい」「弓道場がほしい」というK君に、この絵の売却をお勧めしている。


夜間照明
[やかんしょうめい]…オレンジ色のふたつのライト。明るいが矢所は見えない。つくまでにとても時間がかかるため、点灯中にこのスイッチに寄りかかったりカバンをぶつけたりして消してしまうと非難轟々。なので、フィルムケースを切って作ったガードを付けました。
矢尻は尻じゃない[やじりはしりじゃない]…永年弓道をやってきたが、こんな疑問はもったことがなかった。が、30代目の1年生がこう言うのを聞いて、彼の柔軟な発想力に驚きを禁じえなかった(←大袈裟)。
 T「俺、思うんですけど・・・矢尻って、矢の尻じゃないですよね?飛んでくさまを考えると、どっちかっつうと、頭じゃないですか。」
 観「そう?いえばそうかな(-_-;)」
 T「こう、スーパーマン的に飛ぶと想定すると、尻じゃなく指さきじゃないですか。飛び蹴り的に飛んで行くと考えたら、足の裏ですよね」
 観「・・・確かにそうだね。お尻で安土や的に着地する飛び方ってないよね」
矢取り
[やとり]…安土に刺さっている矢を回収すること。的のうしろに立ち、的から遠い矢から順に、1本ずつ右手で抜き、左手に持ち替える。一高道場では、自分の矢所を見るために、他人の矢を残して矢取りをすることがあるが、県営や市武道館で練習する際は、全員ぶん矢取りするのが基本。
やばい[やばい]…的中の調子が良いことをあらわす言葉。近年「良い意味」でも使われるようになった語なので、頭の中身が古いコーチはちょっと戸惑う。日本語は進化する。
 A「一年のOは今日ちょっとやばいですよ」
 観「えっ!?耳でも払ったの?」
 A「いえ、5割くらい中ってるんです」
 観「あ〜、そういう意味の『やばい』ね…」
山菜おろしそば[やまなおろしそば]…正しくは「さんさいおろしそば」だが、コンビニでこれをお昼に買おうとした2年生のH君はちょっとうっかりしていてこう読んだとのこと。

優勝旗を忘れてきました
[ゆうしょうきをわすれてきました]…弛まぬ努力、恵まれた弓道センス、素直な寛い心をもって、逆境にめげずに仲間とともに高校弓道に打ち込んだ彼らならば、最後の高総体のあとのこの言葉も、負け惜しみにはならない。
 観「バスに荷物、ぜんぶ積んだ? よその学校の弓とか積まないでね。忘れ物はないですね」
 S「忘れ物、あります」
 観「えっ、なに?!」
 S「優勝旗を忘れてきました」
ゆがけ[ゆがけ]…右手に着ける鹿の皮製の手袋のような弓具。「かけ」と略して呼ぶこともある。たいへん大事なものなので、これを着けるときは必ず正座か跪座をし、丁寧に取り扱うこと。皮が擦り切れて穴があくこともあるが、修理可能な場合もあるので弓具屋さんに相談すること。
弓倒し
[ゆだおし]…一高道場は狭いため、正しい弓倒しをすると前の人の頭を直撃する。それを避けるために、前の人の体の右側に倒す方法がとられているが、審査でもこれをやってしまわないよう注意。でたらめな弓倒しをしていると、コーチに「見てないと思うなよ!」と注意され、みんなに笑われる。
ゆみ]…並弓で221センチ、2寸伸弓で227センチもある、長〜い和弓。高校生は通常、部の備品の弓を借りて使うので買う必要はない。あまり数が多くないので、同じキロ数の弓を2人以上で使うこともある。一高には、8キロから17キロまでの弓が備品としてある。

よくあるよくある
[よくあるよくある]…仲間のミスをフォローすることば。よくあることだから気にするな、の意。
横皆中
[よこかいちゅう]…チームを組んだ5人全員、もしくは3人全員が「○」を記録すること。よこかい、と略す場合もある。私が高校生のころはとくに気に留められなかった記録だが、現在は大会でこれが出ると、拍手で讃えられる。的中を次の人につなげて行くチームの和、大将の冷静さが現れる記録と言えよう。
横矢
[よこや]…安土に刺さるべき矢が刺さらず、的の周辺で横向きに倒れること。日弓連のマークのように的にかかってしまうと最悪。看的係にお願いして除けてもらう。射込みの際に横矢にしてしまった時は、急いで自分で取りに行かないと泣きを見る。
 T「あぁっ!俺の矢が理想的な横矢に〜!」
 F「横矢に理想なんてねーし!」
よし![よし]…仲間の的中を称えるかけ声。応援歌練習で培った大きな声で、男子も女子もコーチも応援席で叫ぶ。一高では昔から「よし!」を使っているが、他に「しゃ!」「よし!(続けて拍手3回)」「せいやぁ〜!」など、さまざまなかけ声が存在する。一高の気合いの入った「よし!」は、仲間の潜在能力を開花させ、不安を打ち消し、パワーをアップさせ、外れ矢を的中に変えるという奇跡も起こしうる。1中なのに3中くらいしたような気持ちになる、素晴らしい「よし!」を、何度も響かせたいものです。


礼記射義・射法訓の額
[らいきしゃぎ・しゃほうくんのがく]…弓道部の大先輩である前一関弓道会長K先生から寄贈された額。校報『いわい』にも載りました。第二回OB戦記念品。道場後方から、部員を見守る。

立射
[りっしゃ]…坐射と違い、1射ごとに立ったり座ったりしない。本座は、執り弓の姿勢で弓のうらはずが射位にかかる位置にとる。通常の部活ではこれが主。

ルール
[るーる]…歴代の弓道部員たちが独自に定めたルールがある。それはその代だけのものだったり、引き継がれるものだったりいろいろである。部活中は携帯使用禁止、射場内では部活時間外でも携帯使用はだめ、射場内での飲食禁止、射込み時の矢取りでは自分の矢だけを取る、など。

[れい]…目上の人に挨拶する際、射位や射場に入る際、学校で先輩とすれちがう際など、礼がきちんとできる弓人になってほしいです。武道館を使わせてもらう時は、玄関に入る前に並んで礼をし「おねがいします!」と叫ぶのが一高の慣習。帰る時は「ありがとうございました!」。

ロングとスモール
[ろんぐとすもーる]…おそらく「伸と並」のことを言いたかったのであろう、H君の無茶な横文字発言。確かにうちの伸弓には白ペンで「L」って書いてあるけどね。
 H「ところでロングとスモールって〜、どう区別すんの〜?」
 A「並べてみればわかるだろ! それに、それを言うならロングとショート、いやロングとノーマルじゃねえの?!」


[わ]…弓道は基本的に個人競技ですが、団体が強くなるためには、チームの和が大切です。仲間を大切にする、信頼し、信頼される選手が揃えば、大会でのあがりやミスも怖くない。
わけ若柳[わけわかやなぎ]…「わけわからない」と「若柳(宮城県北の地名)」の合成語。そういえば、私の大学の弓道部誌の語録には、「わけワカサギ」という語が載っていたが、類語はたくさんあるものだ。
私の目は節穴か?[わたしのめはふしあなか?]…部員の初歩的な思い違いに長い間気が付かずに指導していたとき、いくら探しても見つけられなかったものを後日部員に見つけてもらったとき、コーチは自分の目がちょっと信用できなくなる。見抜く力も視力も注意力もほしい。

をかし
[おかし]…(1)おもしろい。趣きがある。風情がある。(2)賞すべきである。すぐれている。みごとだ。(3)かわいらしい。(4)こっけいだ。笑いたくなる。(古語辞典[改訂新版]旺文社より) 「を」の項をどうにかして埋めようと、古語辞典を引いてみたら見つかった言葉。一高弓道場には、以上のことが日常的にあふれているような気がする。秋の虫の声は風情があり、射癖を克服した部員の射はみごとだし、「体育で足くじいたけどもう治ったもん!」などと言う女子部員はかわいらしいし、ここに載せきれない部員達の名言や不可解行動は思い出すたびに笑いたくなる。

んだぞ!
[んだぞ!]…そうだぞ! そうだってよ! コーチがそう言ってるんだからたぶんそのとおりだぞ! の意。


2006.11.23 観(随時追加訂正中)

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