無名抄 その拾四
あったらいいな!
【校舎敷地内に弓道場】
本来これが普通なのですが、一高にとっては夢です。
現役時代「屋上でもいいから道場建ててくれないかな〜」と冬場は特に思いました。
あれば、朝練も昼練もできるのに。今の道場までの移動時間を練習にあてられるのに。
雨が降ろうが雪が降ろうが、難なく道場に行けるのに。
のどが乾いたら校舎内に水を飲みにいけるし、トイレも心配なくなるのに。
部活紹介の時使う巻藁を自転車に積んで体育館まで往復しなくていいのに。
(今は、やっていないかもしれませんが↑)
しかしこう考えながらも、今の道場への愛着はあるし、建設後20数年の歴史に対する敬意は、
決して消えるものではありません。【床板】
本来あるはずですが、一高の道場には…(T_T)
何故無いかというと、道場建設中(直後?)に川の氾濫で冠水し、
床板がはがれて浮かんで流されてしまったから、と聞いたことがあります。本当でしょうか?
床板があれば、足の裏の冷たさも軽減、摺り足も上手くなるのに。
掃除もしやすくなるし、梅雨時や冬の床の結露もなくなるのに。
もしも今後予算がついて床板が貼れることになったときは、いろいろな木の材質があるので、
先生方や部員がよく吟味して、足踏みや摺り足に最適なすばらしい床材を選んでください。
観の個人的な意見を申し上げますと、青森県営武道館弓道場の床板が、とてもいい感じでした。
滑らかながら滑りすぎず、足踏みがぴしっと決まり、踏ん張りがきくような床板がほしいですね。【床暖房・床冷房】
オプションとして… まず無理な話ではあります。(^^;)
射場は半分屋外同然で、窓を開けようが閉めようが、夏は暑すぎるし冬は寒すぎます。
でも、この自然の力に打ち克たねば武道ではない!のかもしれませんね。【矢取り道に屋根】
運動会のテントのような簡単なものでもいいので、屋根がほしいです。
屋根ぐらい、卒部生が寄付を募って寄贈してあげられればいいのですが…面目ない。
女子のインターハイ出場記念に贈るには、機会を逸してしまったかもしれません。
卒部生で大工さんになった方がいたら、是非作っていただきたいですね。
雨にも雪にも負けず、頑張って練習に行く現役部員さんたちのために。
彼らの大事な矢が濡れないように。
何回も矢取りに行って風邪を引かないように。【冬期防風防雪シート】
掲示板において、ひくくいけ!さんが「こんなのもありますよ」と教えてくれました。
射場のシャッター部分に透明なシートをカーテンのように引き、矢が飛んでいく部分のみ、
窓のように穴が空いている、雪国の防寒設備です。
シートではなく、シャッターや引き戸がこうなっている場合もあるそうです。
シャッターを上げないと練習できませんが、風さえ入って来なければ体感温度がかなり違ってきます。
あれば、冬場の練習もはかどるのではないでしょうか。
前項で「自然の力に打ち克たねば武道ではない!」と言っておきながらも寒がりなもので…【発熱する繊維でできた冬用弓道衣】
また「自然の力に打ち克たねば武道ではない!」に反する「あったらいいな」です。
弓道衣を着て稽古をすると、夏は暑くて汗だくになり、冬は寒くて中にいろいろ着てしまいます。
冬用道着・夏用道着も、いちおう販売されています。しかし、新たに開発されてもいいのでは!
剣道や柔道と異なり、「静」の武道である弓道にスポーツウェア並に研究開発をした快適な装備を。
繊維メーカーで弓道をやっている皆様、どうかご検討くださいm(_ _)m
ついでに足袋も発熱する繊維だと、なお嬉しいです。高齢の弓道家にも喜ばれると思います。【折畳み弓】
寒がりの要望からちょっと離れましょう。
これは高校の頃「ないもんだべか」「ないべ〜?」とみんなで話していたものです。
高校時代の水沢・花巻・北上・盛岡での大会への遠征は、列車を利用していました。
矢筒、弓道衣などの入ったバッグに加え、最大の大荷物は弓でした。長すぎる〜
ぶつけてはいけない、と注意してもドアや天井にガツガツぶつかるし、他のお客さんにとっても
危なっかしくて迷惑のかかる弓。「なぎなたですか?」といつも聞かれる弓。
これがこう、半分くらいの長さに折り畳めたらなぁ。縮む弓でもいいなぁ。
でも、折畳みを元にもどして引いたら「バキっ」といきそうだよなぁ。
と、考えたことはありませんか? 車や飛行機での移動の際も、短いほうが楽です。
一説には「すでにある」という噂ですが、真偽のほどはわかりません。【発熱する素材でできた矢】
あっ、また寒がりの要望に…軟弱者だな、私。
冬場に矢取りに行くと、ジュラ矢は冷たくて手にもっていられません(大袈裟)。
「竹矢にしろよ〜」と先生に言われますが、高くてもったいなくてとても買えないし使えません。
あまり発熱すると、口割でやけどをしてしまうので、「あったかい缶コーヒー」程度の温度で、
あづちの砂に刺さると反応して瞬時にあったかくなる矢、なんてないものでしょうか。
発熱する矢ならば、矢道の積雪に埋まってしまっても、発見しやすいですね。(^^;)
春の雪解けまで矢を埋没させたままにしたことが、何度かあります。冬の矢の滑走は厳禁です。
しまった、夏には発熱する矢だと困りますね。【切れる前に予告する弦】
車のタイヤは、すり減ると警告サインが出てきて交換時期を知らせ、未然に危険を回避できます。
弓の弦は、何の予告もなく突然切れてしまいます。見た目ではほとんどわかりません。
替え弦は必ず用意しておくとしても、大事な試合での弦切れはできれば避けたいものです。
あと3回くらい引いたら切れそうな時、弦輪が突然黄色に変色する!とか、
「何回引いた弦」か解るように色が1回引くごとに変化していくとか。
まさか「ミギヘマガリマス」とかアナウンスするトラックのように「キレマス」と警告する弦…
は冗談として。一本一本手作りであろう弦ですから、耐久性の差もあるでしょうね。
1本で切れることもあるし、何年も切れないこともありました。
竹弓には弦切れが必要不可欠なのだ、と先生に言われたこともあります。
切れるのは練習中に限ってほしいものです。切れる予告が出れば、試合前に交換できます。【丈夫で通気性もよくて防水加工の弓袋】
現役部員さんたちが今使っている弓袋は新しそうなのでたぶん大丈夫でしょうが、
私達が現役の頃はあまり立派な弓袋がありませんでした。
穴があいていたり、ひもがちぎれていたり…布地もへろへろしていました。
デザイン的にもかっこよくて機能も充実した弓袋を揃えて、雨の日の移動も酷暑の移動も
心配なくなるといいですね。
◆ ◆ ◆ ◆
以上、ばかばかしいものから切実なものまで「あったらいいな」を並べてみました。
弓具屋さんがこれを読んで、すごい新製品を開発してくれたら嬉しいです。
弓人の皆さんも何か「あったらいいな」と思うものがありましたら、観までお知らせください。
「あったらいいな」第2弾として、無名抄に掲載したいと思います。
2002.10.31 観