『 とも☆のサイボーグおっかけ日記・番外編―居酒屋オフ会編 』

 

 

だんだんと寒さが増してきた11月のある日―。

ここは都内に近いとある町の居酒屋。

今年初めにオープンしたばかりだが、早い・安い・うまいの三拍子で結構人気があるらしい。

今日は花の金曜日、ではなく、普通の日曜日。

翌日が仕事の人が多いから、それほど込んでいないかと思いきや、それでもそれなりに繁盛しているようだ。

というのも、この店には、名物店員がいるからなのだが・・・

彼の名は、ジェット・リンク。自称18歳。国籍合衆国。

高い背と高い鼻、長い髪と長い鼻。赤い髪と赤い鼻(ウソ)。

なぜか日本語がペラペラな彼は、お客さん(主に女性)から、人気があるらしい。

去るバレンタインデーも、下駄箱を空けるとチョコレートの山が・・・

というのは冗談にして、常連の女性客の声を聞いてみよう。

「もちろん毎回ジェットさん目当てで通ってます。特別ハンサムなわけじゃないんだけど、なんていうか、その・・・面白いのよね」

「米国人ってみんなああいう鼻なのかと思っちゃったわ」

「うちの娘の婿になってくれないかねえ・・・」

そんなこんなで、彼の働く店に足しげく通うお客は多いのです。

だが、そんな彼の正体は、実はサイボーグ。

一見普通の人間のように見えますが、彼の足はあんなことになっちゃってるし、彼の鼻の中も、あんなことに

なっちゃってるのです。

そのことは彼の仲間達以外、誰も、だあれも、知らないはずなのですが・・・

彼の正体を知っている者達が、数人、数十人、数百人、いや、数千人いる!!!

・・・・・・かどうかはわかりませんが、その彼の正体を知っている女性8人が、今日この居酒屋に、

やって来ることになっているのでありました・・・

ジェットはそのことをすでに知っている!というのは、彼女達を招待したのが、ジェットの仲間の一人だからなのであって・・・・・・

まあ、とにかく、話を進めよう。

 

* * *

 

「は〜い、みなさん着きましたよ!」

というわけでやってきた、妙齢の女性集団。

その集団を取り仕切っているのが、首謀者・とも☆。彼女は実は00ナンバーサイボーグの一人・ピュンマとメル友であって、

彼と相談してこの居酒屋オフ会を実現させたのでした。

そう、先程の「彼女達を招待したのが、ジェットの仲間の一人だからなのであって・・・・・・」←この仲間の一人とは、

ピュンマ君のことだったのです!

総勢8人の女性達・・・年齢も違ければ住むところも違う、まるで00ナンバーサイボーグ達のような集団(国籍は同じだって!)

とも☆以外の者の名は、あいうえお順で、ANJU、ぐりーん、はたやん、ばちるど、BARA、はるみ、harumi、という。

みんな1〜9までの数字に以上に萌えてしまう8名。

4、2、9&3、4&7、2×4、5×8、6×7、アル×ヒル・・・あれ、だんだんおかしくなってるぞ!

「ああ、この店にジェットが働いているのね!」

「とも☆さん、今日、他のメンバーも来るんでしょ?ジョー&フランソワーズに会えるのね!」

「お姉さま、私もうれしいです。お二人のお子様にも会えるといいですね・・・」

「とも☆さん、とも☆さん、生4&7も見れるのよね!4&7(ノーマル限定)を広めましょう!」

「ああ、ヒルダさんにも会いたかった・・・」

「アル、なんでドイツにいなかったんだろう・・・」

「ああ、もう緊張・・・・・・」

↑の会話、誰がどのセリフを言ったのか当ててみてください。正解者には何も出ません。

「みなさん、そんなに緊張しないで。お店入りますよ」

00ナンバーズおっかけ歴が長いとも☆は、それほど緊張していない様子。

「あ、とも☆さん、ちょっと待って!」

みんなバッグの中から鏡を取り出して、メイクチェックをはじめた。

もう身だしなみよりも空いたお腹の事しか考えていないとも☆は、店のドアを開けた。

「へい!らっしゃい!」

とたんに聞こえてくる元気の良い声。

「おお、とも☆じゃねえか、よく来たな!」

ジェットに親しげに呼び捨てにされているとも☆、みなさんのジェラシーの目が大丈夫か・・・と心配しみんなを見てみると・・・

みんな、動きが止まってますがな。

「ま、まじ?」

「本物だ」

「ほんとにジェットだ」

「ああ・・・・・」

「・・・・・・かっこいいっ・・・・・・!!!」

最初の失神者はharumiでした。

「harumiさん!!!」

「おい、大丈夫かよ!」

ジェットがharumiの体を抱きとめる。

「ジーンズずくめのその姿・・・あんたもしかして・・・・・・」

「え!」

真っ赤になったharumiを見て、ジェットがふと気づく。

「あんた、harumiだろ!いっやあ〜!いつもお世話になっています!」

何が起こったのかわからぬharumi。

「あんたのおかげでオレにもあんなにかわいい彼女ができて、本当、感謝してるぜ!美咲と会えたのは、

あんたのおかげだものな」

(「美咲」というのは、harumiさんのサイト「J&J

Cafe」にいる、ジェットの恋人となるオリキャラの美女の事です)

「本当にありがとよ!美咲、愛してるぞ〜!」

「いやだ、ジェットったら!」

harumiはジェットの背中を、バーン!とたたいた。

「い、痛ってえ・・・」

「ジェット、はやく席に案内してよ」

とも☆は感動しているジェットに言った。

「わかったよ、お客様、こちらの席です」

女達は、案内された席へ向かった。

 

* * *

 

「なんだかひどくいやな予感がするんだが・・・」

ここは居酒屋の外、先ほどの女性集団とはまた違った意味で目立つ集団が店へと着いたところだった。

総勢、9名。男8人(うち一人は赤ん坊)+女1人。年齢も国籍もばらばらな、とても目立つ集団。

そう、彼らがジェットの仲間のサイボーグ達!

今更説明するまでもないが、ジェットを除いた8名(イワン・フランソワーズ・ハインリヒ・ジェロニモ・張々湖・グレート

・ピュンマ・ジョー)&ギルモア博士。

なんでこんなに大勢が揃ってジェットの居酒屋へとやって来たのかというと・・・

ピュンマがメル友のとも☆と面白がって計画したからです!ピュンマがまずジェットに相談し、フランソワーズ、ジョーに相談し・・・

「なに、俺達のファンの人達が集まるって!?そりゃ面白そうだな」

というわけで即決定。ただし、ピュンマは、ただ一人の人物にはこの計画のことを内緒にしておいたのでした。

それはこの、さっきから青ざめている男。サイボーグナンバー004ことアルベルト・ハインリヒ。

彼だけは、なぜ今日みんなが揃いも揃ってジェットのバイトする居酒屋に行こうとしたのか、わかっていなかった。

アルベルトは最初誘われた時、なんだかいやな予感がしたのだった。でもみんなが行くのに断るのも悪いかなと思い、

ついてきた。 今になって、あの時、やっぱり断っておけば良かった、と思ったのだった。

いやな予感がする。前にも何度か感じたことのある予感。だが彼が今感じている予感は、今まで感じたものより倍率ドン!

更に倍のいや〜な予感であった。

「アルベルト、どうしたの?顔色悪いわよ」

フランソワーズのこのセリフ、前にも聞いたことがある。そうだ、俺のストーカーだとかいうあの女に会ったときと同じだ。

心配そうに声をかけてくるくせして、フランソワーズの顔が少し笑っているかのように見える。他の仲間達の顔を見回しても、

なんだか笑っているような、「いい気味だ」というような表情をしている。

それもそのはず、ピュンマに聞いたところによると、今日集まる自分達のファンは、ほとんどが004ファンだという。

メンバーはアルベルトに嫉妬していた。そのアルベルトが気分が悪そうにしている。これを笑わずにはいられようか!

(ごめんなさい。とも☆の創作です。00ナンバーズの皆さん、こんなに心の狭い人達じゃないですよね)

「まあ、とにかく入りましょう!」

フランソワーズが店のドアを開けた。

「へい!らっしゃい!」

とたんに聞こえてくる元気の良い声。

「おお、お前たち、よく来たな!」

ジェットが仲間達を迎えてくれた。

「やあ、ジェット。彼女達、来てる?」

首謀者・ピュンマが尋ねる。

「もちろんさ!彼女達とすぐ近くの席、空けてあるぜ!」

「ちょっと待て、彼女達ってどういうことだ?」

更に青ざめたアルベルトが尋ねる。

「あれ、聞いてないの?ピュンマ、教えてやらなかったのか?」

「あ、そうだ。アルベルトに教えるの忘れてた」

テヘ、失敗失敗!わざとらしく答えるピュンマ。

「彼女だよ。アルベルトのファンの、とも☆だよ!」

「!!!」

「彼女、今日は他のファンのやつらも連れてきてるぜ!全部で8人だ!」

「!!!」

突然アルベルトがその場に倒れた。

「アルベルト!!!」

「おい、大丈夫かよ!」

ジェットがアルベルトの体を抱きとめる。

その瞬間、ジェットは自分のあごに下に、固いものが突き付けられたのを感じた。

「ジェット・・・手袋越しでもなあ、マシンガンは撃てるんだそ・・・俺が今ここで撃ったらなあ、バイトクビどころじゃなく

お前の頭ごとおさらばだぞ・・・」

アルベルトはその口を大きく曲げてニヤリと笑った。

「俺じゃねえよ!ピュンマが計画したことなんだよ!」

とたんにアルベルトを抱える手を離すジェット。アルベルトはとっさに手をついて、体制を立て直した。

「そうか、ピュンマがねえ・・・でもジェットもその計画を知ってて俺に黙ってたってわけか・・・」

アルベルトが右手にはめた手袋をはずそうとした。

「は、はやく席につきましょう!ジェット、案内してくれるかしら」

このままでは自分達がみんな黙っていたことがばれてしまう。焦ったフランソワーズはジェットに声をかけた。

「あ、ああ。じゃあ案内するぜ」

歩き出すジェット。そしてアルベルトは

「俺は帰るからな」

と、店の外へ出て行こうとした。仲間達は彼を止めることができない。

そこへ、一人の大きな男が、アルベルトの前に立ちはだかった。

「ジェロニモ・・・!」

ジェロニモは、アルベルトの右腕をつかむ。

「途中で帰るの、よくない・・・。みんな、一緒に食事するの、楽しみに、してた」

「離せよ」

アルベルトはつかまれた右手を、ジェロニモに向けようとする。

「お前銃撃つ、俺、きかない。店、大騒ぎになる。席につこう」

「お前、いつからそんなしゃべり方になったんだ!?」

強い力で握られて、アルベルトはあきらめたようだった。

「わかったよ、帰らないから、離せ」

ジェロニモが手を離した。

「ああ、よかった〜」

みんな安堵のため息。

「じゃあ、さっそく案内するぜ。こっちだ」

ジェットはそれでも少しアルベルトの様子を伺いながら、仲間達を席まで案内した。

 

* * *

 

「さてさて、注文しよう!」

席に着くやいなや、とも☆は叫んだ。

「よ〜し!今日は飲むわよ。私生ビール!」

「BARAさん、私も、ビールね。ジェットに注文するんでしょ?」

「もちろん!」

「ワシこのドイツビールってヤツがいいかなあ・・・」

「私甘くないと飲めないんだよなあ・・・梅酒お願いします」

「はるみさん、私も甘めのが好き!私は梅サワーで!」

「・・・あの、最初からワインでいいですか?辛口の白ワインお願いします」

「harumiさん、ここに『NY

Dandy』ってカクテルがあるわよ。『当店の名物店員・ジェットが考え出したカクテルです』だって!」

「なんですって!それも頼むわ!」

「私は焼酎水割りね。とも☆さんは?」

「私は焼酎レモン割り!(←とも☆の定番!覚えておくように(何のために?))」

以上の会話。前書きアンケートを読んでいただければ誰が誰かわかるかと。

「じゃあ、注文ね。・・・とも☆さん、私がジェット呼んでもいい?」

ジェットスキーharumiさんのひとこと。

「もちろんじゃないですか!ジェット〜注文お願い!」

「もちろん」と言っておきながら、自分で呼ぶとも☆。

・・・・・・だがジェットは来ない。

みんな???という表情をしていると、そこへジェットが現れた。

「お客様、こちらの席になります」

そう言うジェットの後に続く集団は・・・

我等が00ナンバーサイボーグご一行様!

 

沈黙。

 

BOMB!!!!!!

大爆発。

 

「お〜い店員さん、ここの席の人達、まだ何も注文してないのに酔いつぶれているよ〜」

近くの席に座る酔っぱらいサラリーマンが、ジェットにそう声をかけた。

 

* * *

 

まずはとも☆が起きあがった。

―あああ、びっくりした。そ、そりゃあね、おっかけもやってるから、何度か00ナンバーズには会ったことがあるし、

今さら驚く事じゃないんだけど・・・でもあんな、いきなり、オールメンバー多国籍軍でしょ。びっくりするわ〜。

そして、一人一人、むっくりと顔を上げる。

00ナンバーズ+博士は、とも☆たちの、通路を挟んで隣の席に座っていた!

BARA「あああ、もう、むふっ。4番さんっ」

はるみ「アルベルト・・・ガサゴソ(バッグの中からスケッチブックを取り出す)」

はたやん「アル・・・ドイツにはあんなにいい男いなかった・・・フランちゃんもかわいいなあ」

ばちるど「ああ、93、ナマ93。素敵・・・」

ぐりーん「本当、素敵ね。・・・ああ、もうダメ(スケブを取り出す)」

ANJU「アルとグレート、アルとグレート、アルとグレート、アールグレート・・・」

「おいおい、お前ら注文決まったのか?」

ジェットがharumiの頭をちょいちょいと叩く。

「ジェット!」

harumiは思わずジェットの手を握りしめる。

「ああ・・・(ほおずり)」

このままじゃあかん!と思ったとも☆は、叫ぶ。

「みんな、とにかく注文しちゃいましょう。ええと、なんだっけ・・・生ビール2つと・・・」

飲み物の他に、とも☆の独断と偏見で勝手に選ばせていただいた居酒屋メニューを一気に注文した。

 

* * *

 

アルベルトは一番壁際の席に座り、顔を背けている。

「アルベルト・・・?どうしたのよ。こっち向きなさいよ」

アルベルトはフランソワーズのやさしい呼びかけにチッと舌打ちして、つぶやく。

「は〜あ!」

その時、ピュンマが大きくため息をついた。

「ピュンマ、どうしたの?」

「別にっ」

なんだか不機嫌そうな顔をしているピュンマを、フランソワーズは不思議そうな表情で見つめる。

「ピュンマの気持ち、わかる・・・」

ジェロニモが、深い声でつぶやく。

「これだけ多くの女の人から思いを寄せられているのに、当のアルベルトがいやがっているので、すねているんだ」

「ち、違うよ!」

ピュンマが恥ずかしそうに、ジェロニモの言葉を否定する。

「まあ、わからんでもないな。その気持ち」

「グレートのファンも来てるぜ。とも☆ちゃんもそうだし、あとそこの、ANJUさんって人。聞いたことあるだろ?」

ピュンマがとも☆とANJUを教える。

グレートが二人に目線をやると、二人は「きゃあ!」という声をあげる。

「お前だって」

見ると、ANJUは、「ピュンマく〜ん♪」と、ピュンマに向かって手を振った。

「は〜あ・・・・・・」

残された男ども、ジェロニモ、張々湖、ギルモア博士、そしてイワンも(!)、大きなため息をついた。

「さてさて、注文しちゃいましょ!ね、みんな、何飲む?」

フランソワーズは一人明るい。他のみんなが静かな理由もわからなくもないが、なぜジョーがさっきからずっと静かなのか・・・?

「ジョー、どうしたの?」

「うん、・・・達さ、平気かなと思って。つい、この場に連れてくるの気が引けて、預けて来ちゃったけど・・・」

「大丈夫よ!二人とも、・・・さんにはなついているし、心配することないわ!」

フランソワーズは心配を振り切るために、明るく言った。

「そうかな、大丈夫かな。うん。・・・じゃあ僕注文するよ。生ビール!」

「ええ。私も生ビール飲んでみる!」

「同じだね」

「うふっ」

ラブラブの二人にメンバーは冷たい目・・・

隣の席の、とも☆たちは、生で見るラブラブ93に感動・・・

さて、ジョーとフランソワーズの会話に登場した「・・・」に入る人物とは、如何に!

待て、次号!!

 

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