『  RE: ・・・  』

 

 

 

 

 

 

*****  初めに  *****

例の 炭酸飲料水のCM をご覧になってから

お読みくださいませ <(_ _)>

 

 

 

 

 

     ザバ −−−−−−− ン ・・・・・!   

 

一際 大きな波がその崖の中ほどまで水飛沫を散らす。

真夏の晴天、 大海原は荒れてはいない。

しかし この近辺は地形の関係でいわゆる < 近深 >、 海岸からほんの少し入っただけで

どん、と深くなっている。

全体としては穏やかな湾なのだがここは海流の勢いをまともに受けてしまっているらしい。

 

    ド −−−−−− ン !   ザバ −−− ・・・・

 

突き出た断崖に またも波が白い飛沫とともに砕けてゆく。

波が引けば 時折カモメたちが飛び交うが 海水浴客の姿はない。

湾内には波の穏やかな有名ビーチやら風光明媚な海岸線も多いので、わざわざ好んで

こんな荒れた海にくる必要はないのだ。

 

その ― 断崖の上によく見ると一軒の洋館が見える。

かなり注意しないと気がつかないのであるが ・・・ 堅牢な、しかし少々年代ものにもみえる

建物が へばりついていた。

 

   あ〜 ・・・?  岬の洋館? ・・・ ああ!  あの家かぁ〜

   うんにゃ、空家じゃねえ。  あそこには白髭のご隠居とガイジンさんの若夫婦が住んでるさ

 

   そうそう・・・ なんたらいう研究所 らしいけど ・・・

   何の研究・・・って あ〜 たぶん気象とかじゃねえの? 海洋なんとか、かも?

 

   だな〜 別にヘンなこと、してるわけじゃないよ、ここいらの駐在さんとも仲がいいし。

   若奥さん、美人でカンジがいいヒトだよ〜

 

地元の人々の反応は 悪くない。

洋館の住人はほどよく地域に溶け込み、穏やかに日々を送っている ・・・ らしい。

 

 

     ザバ −−−−− ン ・・・・

 

またひとつ。  大波が崖っぷちに当たり砕けていった。   

 

  ―  と。  その崖の突端に人影が ひとつ。

「 お〜〜い フラン!? ほんとうに大丈夫か〜〜〜 」

下の海岸にも一人 ・・・ 茶髪の青年が海パン姿で見上げている。

「 気をつけろよ〜〜   え?? なに〜〜?? 」

彼は崖っぷちを見上げ 怒鳴っている。

「 え?? き こ え な い〜〜〜  !!  」

 

     「 だ  い じょう ぶ よォ〜〜〜〜〜 !! 」

 

波の音を塗って 高声が響く。  ・・・ 女性の声だ。

「 ・・・・・・・・・ 」

彼は 腕組みをしたまま崖を見上げている。    

一際 大きな波が、ざっぱ〜ん・・・と押し寄せ ― 崖に当たって砕けた。

 

   ・・・ と 次の瞬間 ― 崖の上の人影が宙に舞った。

 

ひらり、という形容が相応しい軽やかさで 彼女はまっすぐに宙を跳ぶと大海原を目指す。

夏の陽光を受けきらきらと輝く髪を揺らし、白いしなやかな肢体は   ―   海に消えた。

 

「 ・・・・・・・ 」

青年は じ・・・っと海面を見つめている。

「 ・・・ ふ ・・・ん。  心配させようったってダメだぞ? この近さだもの、ぼくにだって

 きみの潜っている音を拾うことができるぞ! 」

海面は もうとっくに彼女がたてた泡を飲み込んでしまっている。

「 ・・・ まだだ  まだ潜っているね、 きみは ・・・  おやおや  海の妖精・・・

 いや これは人魚姫 ・・・ってとこかなあ 」

彼は彼女の 音 を拾いつつ楽しんでいる。

「 う〜〜ん ・・・・ きみと同じ 目 があればなあ 海中を舞うきみの姿を眺められるのに ・・・

 ちょっと残念 ・・・・ ?  あれ どうした?? 」

≪  ・・・ あ いや〜ん  ジョー −−!  来て〜  あ! ダメェ〜 来ないでェ〜 ≫

「 うわ・・・ な なんだ なんだ?!  あ ・・・ 脳波通信かあ ・・ えっと・・・ 」

突然の、それも悲鳴に近い通信に青年は ぎょっとして大慌てで  < 切り替え > た。

≪ ・・・ あ〜 あ〜〜〜???  聞こえますか どうぞ? 

≪ ちょっと! ふざけないでよっ !! ねえ ねえ どうしよう〜〜 ≫

≪ だから どうしたのって聞いてるだろ?  今から ぼくも海に入るから ≫

≪ だめっ!!!!! 来ないで〜〜 あ でも やっぱり すぐに来て!! ≫

≪ はあぁ???? ≫

≪ すぐに来て! 来てってば ジョー !  で ね アナタのまふらー持ってきて! ≫

≪ ま まふらー ???  って  防護服の アレ? ≫

≪ そうよ!!  急いで〜〜ッ  わたしはジョーほどながくは潜っていられないのよ〜〜 ≫

≪ だから どうしたのってきいて ≫

≪ ともかく はやく!!!!  マフラーもって潜ってきて! ≫

≪ へいへい ・・・ え〜と・・・?  こんなこともあろうかと 海岸に置いといてよかったけど ≫

≪ ジョー!!!  は や く  〜〜〜 ≫

≪ わかったよ ・・・ なあ 息が続かないなら海面に出たら どうだい? ≫

≪ ダメッ!!!   だって だって ≫

≪ だって? ≫

≪ ・・・・ 水着のトップが  流されちゃったのっ !!! ≫

≪ ― ぼくがゆくまで、潜ってろ〜〜〜〜〜 !!! ≫

青年は ― いや 島村ジョーは 大慌てで海岸に置いてあった防護服一式をひっ掴むと

 どどどどど・・・・っ!と海に駆け込んでいった。  

肝心の黄色いマフラーは 海岸の松ノ木にくくりつけたまま・・・

≪ おお〜〜い フラン〜〜〜 今 ゆくぞォ〜〜〜 ≫

≪ きゃ〜〜〜〜  ジョー  早く来てェ〜  あ! やっぱり こ 来ないでェ〜〜〜 

 あ!  後ろ向いて来て! ≫

≪ えええ?! ≫

 ・・・ そりゃいくらサイボーグだって無理だよ・・・  ジョーはぼやきつつ潜水していった。

その速さといったら。 

仲間内で唯一の水中仕様のサイボーグ、ピュンマが気を悪くしそうなほどだ。

≪ ふ ふ フラン〜〜〜 あの はい 着替え! ≫

ジョーは後ろ向きで さらにご丁寧にぎゅ・・・っと目を瞑ったまま、防護服を差し出した。

「 !? あらぁ〜〜 ジョー、 随分速かったのねえ?

 あ! 水中でも加速装置稼働可能になったの? 」

≪ え・・・?  ( ああ 音声会話に切り替え か ・・・ えい。 )  加速そうち? 

 ―  いっけね。  ・・・加速装置のスイッチ 入れるの、忘れてた〜〜〜 」

 

 

  ぽと ぽと ぽと ・・・  亜麻色の髪から雫が滴り落ちる。

「 だから マフラー って言いました。 」

「 ・・・で でも  こうやってしっかり着た方が・・・ 」

「 濡れた防護服なんて どんなに気持ち悪いかわかっているでしょう?? 」

「 ・・・でも でも あのままじゃ その ・・・ 」

結局   水着の上  はぷかぷか・・・太平洋に漂っていってしまった  らしい。

「 ほら この方がしっかり隠せるじゃないか!  ね? 」

「 ・・・ マフラーを持ってきて、と言いました。 」

「 すぐにさ、着替えればいいよ。 なんならこのまま加速装置で家まで運ぶよ? 

 あはは・・・ 水滴も切れてあっと言う間に乾く ・・・ 」

「 ・・・ わたし、脱水機じゃないです。 乾きません。 」

「 あ そ そうかな〜  でもさ ほら 誰に見られても安心だろ? 」

「 マフラー持ってきて といいました。 」

「 ・・・ はい、 すみません。  ・・・遅くなりましたが ・・・ マフラーです 」

「 もうけっこうよ。  それにこれ・・・この防護服 ジョーのでしょう? ぶかぶかだわ。 」

「 ・・・ すみません ・・・ あの ・・・ 一応、どうぞ。 」

ジョーはおそるおそる彼のマフラーを差し出した。

「 ・・・ ま、 乾いているだけ マシね。  ありがとう、ジョー。 」

彼女は ジョーのマフラーで顔やら髪を拭い、首に巻いた。

「 さ 帰りましょ。 早く博士に報告しなくちゃ。 」

ジョーの防護服を着て 髪から雫をちらばせつつ、フランソワーズはさっさと歩き出した。

「 え! なにかあったのかい。 」

「 ええ。 今さっき海中に潜っていたでしょう? 」

「 うん。   きみって随分長く潜っていられるんだねえ〜〜 びっくりしたよ。 」

「 ジョー。 」

先を歩いていた彼女が くるりと振り返った。

「 は はい! 」

「 あのねえ。 わたしだって003なのよ?  アナタよか小型だけど

 ちゃんと酸素ボンベは内蔵されています。  ・・・さっきは使わなかったけど。 」

「 え ? 使わなかったのかい??  ひええ〜〜〜 きみってすごい肺活量なんだねえ? 

 ふうん ・・・ それにしちゃ・・・ その ・・・ サイズが さあ・・・? 」

彼は感心して 彼女の人工心肺を収納してある、とおぼしき部位をじ〜〜っと見つめた。

「 !!!  スケベ !! 」

   ―   ぱ ぁ 〜 ん !!

小気味の良い音が 人気 ( ひとけ) の無い海岸響き ・・・ 平手打ちが炸裂した。

 

     う ッ わ  〜〜〜〜〜  ・・・! 

 

「 ふん。  わたしはバレリーナですから。  これでいいんです。 」

「 ・・・は はい  すみません ・・・ 」

「 解れば 宜しい。 」

彼女は重々しく頷いた。

「 ねえ フラン・・ 」

「 はい なんですか? 」

「 あ あのう〜〜 で ― その ・・・手に持っているモノは  なに? 」

「 え? ああ ・・・ これ? 」

彼女はず〜〜っと片手にぶら下げていたものを ひょい、と持ち上げてみせた。

不思議な形で ハンカチよりは大きくスカーフかマフラーに近いサイズだ。

「 う うん ・・・ それ は  なんですか? 」

「 ワカリマセン。  さっき潜ったときに、海底の岩場に挟まっていたの。 」

「 ・・・ 巨大サヤエンドウ・・・? 」

「 ― じゃないことだけは確かね。   これ 人工物 ( ツクリモノ ) よ。 」

「 ・・・ ホントだ ・・・ 変わった素材だねえ・・・ 柔らかい金属・・・っていうカンジ。 」

「 あら ジョーにしちゃ、気の利いたこと、いうわね。

 そうね、なんと言うか・・・ 金属製のベルベットみたい。 触感も不思議なの。

 こんなので防護服を作ってもいいかもね〜  」

「 ・・・ 博士に見せようよ! なんか ・・・ ヤバいものかもしれないし。

 一応 ここの海岸はウチの私有地なんだからさ。  敷地内に不法侵入だろ? 」

「 海はウチのものじゃないでしょ。  でもまあ ともかく博士に相談してみましょう。 」

「 それがいいよ!  ・・・ また 事件とかじゃないといいなあ 」

「 あら。 久し振りのサスペンスっぽくて 面白いじゃない?

 もしかしたら〜〜 宇宙からの侵略者 だったりして〜〜 ♪ 」

「 フラン〜〜 冗談でもそんなコト、言うなよ。 」

「 だぁって。 最近、事件とか全然なくて退屈なんですもの〜〜 」

「 あのな、 ぼく達はヒマな方がいいんだよ? 

 ぼく達の存在なんて 世間の表舞台からは完全に消えて忘れ去られればいい。 

「 う〜ん ・・・ そりゃそうだけど。  でもねえ・・・ちょっと淋しいわね?

 幕引きくらいは華々しくぱ〜〜っと行きたいわぁ 」

「 あのね〜〜  あっと・・・ ソレ、直接地下の研究室に持ってゆくよ。 」

「 ええ お願い。 わたし、シャワー浴びて着替えてから行きます。 それでお茶にしましょ? 」

「 オッケ〜   今日のお茶タイムのオヤツは は〜にかな〜〜〜♪

 あ〜 ぼく、お湯とか沸かしておくね〜〜  」

  ふんふんふ〜〜ん♪  ジョーのお気楽なハナウタが聞こえ ・・・ 

崖っぷちにギルモア邸は いつものごとく穏やかな午後の時間が流れてゆく   はずだった。

 

 

   ザッバ −−−−−−  ン ・・・・・!!!

 

ジョーのハナウタがまだ消えない時、 そして フランソワーズが濡れた防護服を

着替え終わらないうちに  ソイツは突然、海からやってきた。

 

 びー びー びー !  びー びー !

 

ギルモア邸のアラート・シグナルが鳴り響く。

「  な! なんなんだ〜〜〜?! 」 

ジョーがキッチンの勝手口から 裏庭に飛び出した。 

「 博士〜〜〜  フラン〜〜  無事か〜い? 」

「 ・・・ ジョーや。  一体なんなのだね?   煩くするとイワンが起きてしまうわい・・・ 」

博士はイワンを抱っこしたまま 不満顔だ。

「 でも博士!  このアラームが鳴るってことは  ―  海か空か からの不法侵入アリ 

 ってことですから。 」

「 それはそうじゃな。   あ!  あのサヤエンドウのせいかの〜〜 」

「 あれ・・・ ナンだったんです? 」

「 わからん。 わからんから精密に検証しよう、とスキャンし始めたところじゃった。 」

「 じゃ やっぱりこのアラームの原因はサヤエンドウと関係あり、ってことですよね!?

 フラン 〜〜  フラン?  どこにいるんだ〜〜 」

≪  ここよ!  海 ・・・ 下の海岸に来て! ≫

≪ え〜〜〜〜 ・・・ らじゃ。 ≫

いきなり飛んできた脳波通信に びく・・っとなったがとりあえず彼女の指示通に行動した。

 

 

   ズザザザザ ・・・・・ !    ザザーーン ・・・!

 

俄かに邸前の海は沖合いから白波が立ち、 海岸付近でも風が強くなってきている。

「 な なんだ??  今日はこんなに海が荒れるって聞いていないぞ? 

 あ!  お〜〜い フラン〜〜 どこにいるんだ〜い 」

ジョーは周囲を見回し声を張り上げ  ―  ず〜〜〜っとヤカンを握りしめているのに気がついた。

「 いっけね〜〜  お茶用にあっつあつのお湯、沸かそうとしてたんだ・・・ 」

海の異様な荒れ具合も気になるが 握り締めたヤカンの処置も気になる。

とっとと置いてこようか、 と思った瞬間 ・・・

≪ ジョー! 気をつけて!  博士とイワンをお願い! ≫

いきなりフランソワーズから脳波通信が飛んできた。

≪ え ・・・ い いいけど・・・で でも ぼくが! ぼくが護る ≫

≪ ダメよ。 今 わたし、ジョーの防護服、着ているのよ?  ジョーのスーパーガンも

 持っているの。  あなたは丸腰でしょう? ・・・ 危ないから退避していて! ≫

≪ ・・・ く ・・・!  わかった。 ≫

ジョーはヤカンをぶら下げたまま 渋々博士とイワンの側に走った。

「 おお ジョー ・・・・  いったい全体  ・・・ 」

《 何カ来ルヨ!  ・・・ アノさやえんどうヲ追ッテ来タラシイネ 》

「 やはり? アレは敵のスパイ・サヤエンドウだったのか? 」

《 シレハワカラナイケド。  中身ハ透視デキナイ。  シカシ微弱ナ電波ヲ発信シテイルンダ 》

「 うむ ・・・ おそらく その電波を追って ・・・ くるのだろうな。 」

「 博士。 イワン ・・・ でも いったい何が ・・・・ あ!!! 」

 

    ザバ −−−−−− ンン ・・・・! 

 

突然海が割れて  脚の生えたクラゲみたいなモノ が現れた。

「 な なんだあ〜〜 ありゃあ・・・  あ! 博士 イワン こっちへ! 」

ジョーは慌てて イワンを抱いた博士を海岸線から退避させる。

 

    ビ −−−−−− ッ !   ズザ〜〜〜〜          

 

脚付きクラゲ が突然レーザーとおぼしき光線を発した。 海岸の防波ブロックに中る。

「 な! くそ〜〜   加速そ〜  え? ? 」

ジョーが激昂し、思わず奥歯のスイッチを噛もう・・・とした 時。

 

   「  おい! やめろ。 止めるんだ!!! 

 

赤い防護服が 颯爽とソイツの前に飛び出してきた。

黄色いマフラーを海風にたなびかせ・・・  時折亜麻色の髪がきらり、と光る。

サイボーグ 003 は  スーパーガンの照準をきっちりと合わせ、仁王立ちだ。

 

   ビッ ビ 〜〜〜〜 !  ビ〜〜〜〜 !!

 

ズザザ ・・・・・  正体不明の光線が 003に向けて連射される。

赤い防護服は 余裕で飛び回り光線をかい潜る。

「 は! ・・・ ふん そんなタルい光線になんか当たるもんか。 」 

今度はこっちからお見舞いしてやる!  ・・・と 003はスーパーガンを構えた。

「 去れ!  不法侵入の上、 いきなり攻撃とは ―  卑怯だぞ!! 」

 

  ヴィ 〜〜〜〜  ン ・・・・  ガッシャ ガッシャ ガッシャ ・・・・

 

脚付きクラゲ はゆらゆらしつつ海から上がってきた。 ひょろ長い脚は案外頑丈そうだ。

本体部分をあちこちに向け、 付近を探索している。

「 ふん ・・・ 聞く耳をもたない、ってことか。

 ようし ・・・ それならこちらもそのつもりで徹底的に破壊してやる! 」

 

     ヴィ −−−−−−  !!!     グワッシャ ・・・・!

 

003のスーパーガンが火を吹き 確実にクラゲの脚の一本に命中した。

「 よし。  じゃ 次はそのアタマにぶち込んで 」

「 待って!  003、 もしかしたらこの・・・サヤエンドウが目的なのかもしれないよ! 」

「 ジョー ・・・じゃない、 009!  余計な口、挟まないで! 」

「 でも! 無駄な闘いは止めよう! 闘いは・・・虚しいだけだよ。 闘いは もう・・・沢山だ。

 ソイツがこれ以上攻撃しないのならば ・・・ 」

「 う〜〜しかし ・・・ ( く〜〜〜 いいトコなのにィ〜〜 ) 」

003は スーパーガンを握りなおすと油断なく構えた。

 

     ガッ チャ ・・・ ガシャ ガシャ ・・・・

 

脚付きクラゲ は不均衡になったカラダを揺らしつつ向きを変え、海に向かう。

「 あ! 逃げる気だな〜〜  ようし、トドメの一発〜〜 」

「 やめるんだ!  003! 」

「 あ! 」

009 はぱっと003に飛びつくと 彼女のスーパーガンを押さえた。

「 危ないわ!! なにをするの!? 」

「 ・・・ 無抵抗になった相手に 追い討ちかい? 」

「 !  けど! アレはいきなり攻撃してきたのよ!? 」

「 そうだけど・・・ 今は様子を見よう。  アイツの仲間とかぞろぞろ出てきたら・・・・

 なにせ今はきみとぼくしかいない。 皆を呼ぼう! 」

「 ・・・ そうね 」

003は しぶしぶ・・・スーパーガンをホルスターに収めた。

「 あ〜〜〜ん・・・! ずば!っと破壊してすっきりしたかったのに〜〜 」

「 ・・・ フラン 〜〜〜  きみって 案外過激なんだね・・・ 」

「 ふん。  あ〜 それにしても! サイズの合わない防護服って最低ね! 」

フランソワーズは 片手でズボンを引っ張り上げ空いている手で 袖口をたくし上げた。

 

 

 

今日も朝から か! と太陽は照りつけ、 海原の表面には金の光がゆらゆらとたゆたう。

時折 沖合いからカモメが一羽 大きく弧を描き飛んでくるがすぐに戻ってゆく。

「 ちッ!  ここいらじゃ魚もいねえのなあ〜〜  ふぁ・・・ 」

思わず欠伸を噛み殺し、 赤毛のノッポは沖に視線を飛ばした。

「 そうだね〜  近海の漁なら海岸通りの方がいいみたいだよ。 」

「 ふ〜ん ・・・ ジョー、お前 釣りにでたのかア ? 」

「 あは ・・・ うん。 でも いつもの通り ・・・ 」

「 スーパーで魚買って帰ったってか?  ははは だ〜らしね〜   いて!  フラン〜〜 」

大仰に笑っていたら  ボス!と蹴飛ばされた。

「 ちょっと! たらたらしないで!  これら陽動作戦開始 よ! 」

「 ・・・ようどう ・・・? 」

「 もうすぐ全員集合よ。 それまでに ― 」

 ポイ ・・・っと彼女は手にしたモノを放り出した。

「 ??? コレ・・・ あの さやえんどう  じゃない? 」

「 そうよ。  どうもね〜 今回の事件はコレがキイみたいな気がするの。

 だから これに細工して ― アレを誘き出すの。 」

「 え。  細工 ?  」

「 ええ。  これをねえ・・・ 括りつけて。  あとは ジョー、あなたとジェットの出番よ。 」

「 へ! オレ様の出番か?  それで何するんだ? 」

「 ぼ ぼくゥ??? 」

「 そうよ。 これはジョーにしかできないわ。  ・・・ああ あとジェットも。 」

「 え ・・ ぼくにしか? 」

「 ええ。 頼りにしてるわ〜〜〜 ジョー♪ 」

  ちゅ・・・っとキスが飛んできて ジョーはたちまち勇気百倍! 作戦に臨む。

のっぽは興味津々、茶髪はどぎまぎしつつ・・・・ 彼女の手元を覗き込んだ。

「 ほう? それで 我輩らはなにをしたら宜しいのかな、指揮官どの? 」

「 皆はね、 ドルフィン号で ― 」

亜麻色の髪の 司令塔  は 全員にてきぱきと指示を飛ばした。

 

 

 

 

 

  ゴ −−−−−−    ゴ −−−− ・・・・

 

微かにエンジン音を響かせ、ドルフィン号は岬上空を軽やかに飛翔している。

後部ハッチが カパ ・・・っと開いた。

「 いい?  これはテストだから。  この高度からなら十分でしょう? 」

「 お〜〜〜  いい眺めっす〜〜〜 なあ ジョー? 」

「 え ・・・あ  う うん ・・・ 」

「 では お願いします。  そうねえ ・・・ 少し高度があるけど。 大丈夫よね? 」

「 あったりめ〜よぉ  オレ様を誰だと思っての発言だよ? なあ ジョー? 」

「 え ・・・あ  う うん ・・・  高 ・・・ いね ・・・ 」

「 おし!  ほんじゃ ま〜 行くぜ〜〜  あらよっ! 」

「 わあ〜〜〜!? 」

空飛ぶサイボーグは隣でどきどきしていた茶髪ボーイの首を抱えると  ―  ダイブした。

「 お願いね〜〜〜  わたしは下で待機しているから〜〜〜 」

 

  「  ら  じゃ 〜〜〜〜 !!! 」

  「   うわ〜〜〜〜ぁ〜〜〜   ら   らじゃ・・・! 」

 

赤毛と茶髪は絡まりあいながら 高度・・・ン千メートルから落下していった。

「 ふうん ・・・ こうしてみると 長いマフラーって華麗でいいわねえ・・・

 おっと〜いけない、肝心なモノを忘れるところだったわ 〜 」

フランソワーズは 例の サヤエンドウ に 炭酸飲料水のペットボトルをくくりつけ ・・・

 ぽい、と後部ハッチから 空中に落とした。

「 さあ〜〜 頑張ってね〜〜 ステキな黄色いマフラーさんたち♪ 」

「 おやおや。 今更のご感想かな マドモアゼル? 」

「 うふふふ・・・・ ね グレート、 打ち合わせ通りお願いします。 」

「 了解!  まあ ・・・ ゲネがないのはチト不安だが。 ぶっつけ本番をこなすのも

 俳優の本領・・・ってとこですかな。 」

「 ふふふ さすが名優は違うわ。 ピュンマ、ドルフィンの操縦、お願いします。

 アルベルト、援護射撃お任せします。 ジェロニモ Jr.わたしのバック・アップ、お願いします。 」

「「「 了解  ( ラジャ! ) 」」」

頼もしい返答を受け フランソワーズは満面の笑みを浮かべた。

「 ― さあて。  ふふふ・・・ 侵入者どもに ゼロゼロナンバー・サイボーグの

 実力をとっくと見せてさしあげるわ。  ふふふ ・・・・ 」

最強の戦士 サイボーグ003は 最高の微笑をその美しい唇に浮かべるのだった。

   キュ ・・・・ ン ・・・  ドルフィン号は澄み切った大気の中急降下してゆく。

 

 

  ― 一方 その頃空中では ・・・

 

「 うわ うわ うわ〜〜〜〜あ ・・・・ 」

「 おい 黙れよ、ジョー。  急には落っこちゃしね〜よ 」

「 え〜〜 だってだってだって ぼく 飛べないんだよ〜〜 」

「 おめ〜だってサイボーグの端くれだろ〜〜 なんとかしろよ!

 お?  あ〜 ほら 落ちてきたぜ〜〜 も〜らい♪ 」

「 え?  あ! うわあ〜〜 」

赤毛はジョーの手をひっぱり軽く反動をつけ、降ってきたペット・ボトル ( + サヤエンドウ ) 

をゲット。

「 いっただきぃ〜〜 」

「 な なに・・・? 」

「 へっへ〜  空中で飲むってのもイイモンだ   あ〜 てめ〜〜! 」

ジョーがさっと手を伸ばし、 ペット・ボトルを払った。

「 ぼくが先〜〜〜  !! 」

「 くっそ〜〜〜 負けるかよ〜〜 」

   ゴ −−−−−− !!!

加速装置こそ稼働さえていないが 二人は物凄い勢いで落下してゆく。

「 あ〜 しまった〜 」

「 ナンだよ? 」

「 ・・・ 追い越しちゃったよ〜  ほら ? 」

「 ん??  マジかよ〜 」

信じられないのだが、 二人の数メートル上に ペット・ボトル+サヤエンドウ が浮かんでいた。

「 これならすぐに手が 届くよね〜〜  」

ジョーが少し先にいたジェットを蹴飛ばし反動をつけ にこにこして手を伸ばす。

「 へん! そんなコトさせるかよ〜〜  」

「 あ!  ジェットぉ〜〜〜 」

赤毛は茶髪の手をがっちりと掴むと引っ張り寄せ両手とも捕縛した。

「 え〜〜〜 なんだよ〜〜  」

「 ふん!  こーく はオレ様がゲットする! 」

「 ・・・ アレ ・・・ こーく じゃないよ。  ぺ〇シじゃん。 」

「 ― どっちだってかまやしね〜よ! 」

「 へえ? アメリカ人って 拘り とかないのかな? こーく派 VS. ぺ〇シ・ふぁん とか 」

「 うっせ〜〜〜 」

「 ジェット!  こ、 この手を離してくれェ〜 ! 

 ぼく一人ならゲットできるかもしれないじゃないか!  うわあ〜〜 ・・・! 」

「 ふん 冗談じゃね〜〜〜   お? 」

二人の繋いだ腕の輪の中を ペット・ボトル+サヤエンドウ が きゅわ〜ん・・・と通過してゆく。

「 け!  逃すもんかよ〜〜〜 」

手を振り払い、赤毛は <脚> に点火した。

「 あ〜〜〜 それってズルくない?  イエロー・カードだろ〜〜 」

「 ゲームじゃね〜ぜ〜  オレ様が 」

「 ぼくが先! だってば! 」

           キュィ −−−−−−− ン ・・・・!  

二人のサイボーグは 海面に向かって落ちてゆくペット・ボトルを追い急降下してゆく。

「 オレだ! 」

「 ぼく! 」

ペット・ボトルに同時に伸ばした手が  ―  つるり、と滑った。

「「 あ〜〜〜〜〜〜 」」

 

    ぽわ〜〜〜〜〜ん ・・・・ !  ボトルは大きな弧を描き跳ね上がる。

 

その間に サイボーグ達は急降下を続け ・・・ 

「 ・・・ ジョー。  どこに落ちる? 」

「 ― フランのとこ! 」

 

            じゃっぼ −−−− ん!!!     勢いよく海に落ちた。

そして ペット・ボトルは、といえば。

 

「 ・・・ ふふふ。  ご苦労様。 」

 

浜辺のビーチ・チェアに優雅に腰掛けていた女性の手に すぽん、と収まった。

 

「 あ〜〜〜 ズル〜〜〜 」

「 へ! ・・・まあ フランになら いっか。 」

ぷかぷか海面から顔を出した二人は 彼女を眺め、肩を竦め合う。

 

  ―  と。

 

「 ふふん。   ―  そこよッ !」

ペット・ボトルの蓋を取った瞬間  彼女はボトルの方向を変えた。

 

     ブシュ −−−−−−−−−−−  !!!!

 

さんざん振り回した結果 ・・・ 炭酸飲料は物凄い勢いで噴射しジョー達を飛び越し

忍び寄っていた影を直撃した!

 

     ☆★★ж※※ жж ШШ ※※ 〜〜〜〜 !??

 

悲鳴、というか 金属音 というか・・・不思議な音が大海原から響き渡る。

「 な?? なんだ?? 」

「 後 ?? 」

二人は振り向くと同時に 海から飛び出した。 彼らの真後ろに  アレ がいた!

「 ちっくしょ〜〜 例のクラゲのバケモノか! 」

「 そうよ!  囮作戦だったの!  まんまとひっかかってのこのこ出てきたってわけ。 」

フランソワーズは 巨大サヤエンドウ をひらひらさせている。

「 これに反応してきたのよ。  今度こそ仕留めてやるわ! 」

「 フラン〜〜 余計な闘いは ・・・ 」

「 放っておいたら他にも危害を加えるかもしれないでしょ?  悪の芽は早いうちに摘むの!

 さあ〜〜  行くわよっ 」

ひと声合図をすると、彼女は大きく後ろに跳躍した。

  ― と。 絶妙のタイミングで ドルフィン号の銀色の船体が彼女を舳先に乗せる。

「 うわ???  フランって ・・・ あんなにジャンプ力、あったっけ?? 」

「 ・・・・ かっけ〜〜〜〜  ・・・・ 」

   ビ −−−−−− ・・・・!

ポカン、と口を開けていた二人の間を光線が飛びぬけてゆく。

「 い いけね!   おい ジョー、オレ空中から攻撃するからお前、フランに加勢しろ! 」

「 ・・・・・・ 」

「 ? おい ジョー!  しっかりしろよっ 」

赤毛は ポカン ・・・フランソワーズに見とれている茶髪を小突いた。

「 ・・・あ!  ご ごめん ・・・ 」

ジョーは 慌ててスーパーガンを構えた。

  ビ −−−−− !   ズザ ・・・・!!

クラゲオバケ?の攻撃で 海岸の防波堤が抉られる。

「 !  くそ〜〜 とんでもないヤツだね! よ〜し、ぼくが 」

「 ジョー。  ちょい待ち。 見てみ? 」

「  え? 

ツンツン・・・と突かれて ジョーが振り向くと ― 

 

「 こい!  わたしが相手になるわ! 」

 

ドルフィン号の突端に立つ勝利の女神〜〜・・・ フランソワーズがマフラーをたなびかせている。 

「 す すご ・・・・カッコイイよ〜〜 フラン〜〜〜♪ 」

ジョーはすでに目が はあと♪ だ。

「 おい! てめェ 作戦忘れたのか!? オレらは加速して援護だぜ! 」

「 あ! い いけない〜〜  ご ごめん   ・・・ カチッ ! 」

小さな機械音がして 赤毛と茶髪の姿が消えた。

「 さあ 行くぞ!  覚悟しろッ  ブラック・ゴーストめ !! 」

 

   ・・・ BG ・・・ じゃないと思うけどなあ ・・・

 

ジョーは密かに思ったけれど、口には出さず、彼の任務 ― 加速して003の攻撃の援護 に集中した。

 

   ビ −−−−−− ・・・・!

 

   ヴィ −−−−!!  ヴィ  −−−−− !

 

 ズガ −−− ン ・・・!   クラゲのひょろ長い脚に命中する。

クラゲのバケモノからの光線を的確に外し、彼女自身のレーザーはヒットする。

003の射撃の腕、そのスーパーガンの威力は大したものだ。

003はずっとドルフィン号の先端に立ち 攻撃し続けている。

それに ・・・ なぜか敵のレーザーやら砲弾は彼女の手前で爆発してしまうのだ。

「 はっはっは ・・・!  もう終わりなの? それじゃ ― 今度はこちらから行くわ! 」

「 ・・・ ひえ〜〜〜 勘弁してくれよ〜 マドモアゼル〜〜 」

《 ふらんそわーず ・・・・ モウ止メテアゲテ ・・・ 》

実は後ろで透明人間と化したグレートがしっかり彼女を支え

無敵のバリアはイワンが受け持っているのだ。

ドルフィン号の上部ハッチを少し開け、アルベルトがマシンガンで援護している。

そして加速中の二人が防戦するので 目視では砲弾が彼女の前に自滅 ・・・っぽくみえるのだ。

「 な〜に気弱なこと、言ってるのよ?  それだから毎回 毎回 研究所を壊されてるのよ! 」

「 ・・・・・・ 」

紅一点の強気発言に 男たちは反論ができない。

「 ここでね! がっつり ・・・ ゼロゼロ・ナンバーサイボーグはおっかない!って

 プロモーションしておけば!  無用な攻撃を受けることもなくなるわ!  」

「 ・・・ だな。 」

「 ウン ・・・ 」

男達は現在司令塔になっている彼女の指示通りに動くしかない。

 

「 ・・・ 女ってのは本気になるとコワイねえ・・・ 」

「 なんだ、オヌシ、今頃知ったのか? 」

「 ふ ふん!   ・・・ ねえ あのクラゲのバケモノなんだけど

 なんかさ ・・・ あのサヤエンドウにえらく執着してないかな? 」

「 ああ 俺もそう思うな。 」

「 フン ・・・ あんなモノになぜそうも執着するのか?  妙だな・・・ 」

「 そうだねえ・・・ アレの奪還が目的なのかな。 」

サイボーグたちはひそひそ・・・ 脳波通信を飛ばしあう。

クラゲのバケモノは ひょろ長い脚が弱点・・・と見て取ったのだが  

 ― 意外にも自己修復作用を持っていた。 

 つまり ・・・ やられても じきに元通り! になってしまう。

 

「 くそ! もうこうなったらあのクラゲ部分を吹っ飛ばすか?  」

「 だめ! だめだよ そんなこと  だめだよ! 」

「 しかしなあ これじゃ戦線は膠着状態だし・・・ あ! また海に潜った! 」

「 海から攻撃してくるのか?? それとも仲間が・・・? 」

「 どうする? 」

  う〜〜ん ・・・ 全員が頭を抱えてしまった。

 

《  ネエ? スゴク 困ッタ感情 ガ流レテ来タヨ 》

 

突如 イワンの声が全員の頭の中に聞こえてきた。

「 困った??  あ  あのクラゲのオバケが、か? 」

《 ウン。  困惑トイウカ ・・・ ア チョット 恐ガッテモイルミタイ・・・ ソノ・・・ふらんノコト・・・ 》

「 恐がっている?? あのクラゲのバケモノがあ?? 」

《 ナンカ ・・・ 怒ラレルノ、コワイラシヨ? 》

「 ・・・ そりゃ ・・・ フランに怒られたら誰だって怖いさあ〜 」

「 ジョー。 それはオヌシの場合だけ だろ? 」

「 そ ・・・ そっかな・・・ 」

《 オネガイ ダッテ。   ア ・・・  返シテクレ ・・・ダッテ。 ナンカ ・・・ 泣キソウダヨ?

 持ッテ帰ラナイト ・・・ 怒ラレル  ッテ。  》

「 返す・・・って  あの サヤエンドウ を?? 」

「 怒られる?? だ 誰に? 」

 

    「 返してやろうよ! 」

 

ジョーが物凄く真剣な面持ちで言った。  

全員が彼のめちゃくちゃに同情の篭った口調にふか〜く頷lき、同じ結論に達した。

 

     そうだよ!  きっとあの・・・サヤエンドウ は ― 

     あの 脚付きクラゲの カノジョ の大事な品 なんだよ! 

 

メンバー達の説得を 司令塔・003はスーパーガンをくるく回しつつ聞いた。

「 ・・・ ふうん ・・・ そういう事情があったわけ? 」

003は油断なく構えつつも 表情を和らげ ・・・ ちょいと首を傾げた。

「 じゃ ―  忘れもの、返却、ってことにしましょうか。 」

「 わ〜〜〜 フラン〜〜 ありがとう!!  アイツも喜ぶよ〜〜 」

「 ・・・ ジョー。 あなた、いつ アレのオトモダチになったの? 」

「 あ ・・・ そ そういうわけじゃ・・・ 」

「 そんじゃ ま。  返してやっか〜〜〜  」

のっぽの赤毛は 炭酸飲料のペット・ボトルにサヤエンドウをくくりつけると

 

   「  お〜〜〜い ・・・!  持って帰りな〜〜〜 ! 

 

 ブン ・・・!    ・・・・  ペット・ボトル は大きく弧を描き海原に落ちた。

 

《  ・・・ アリガトウ ・・・ ダッテ。 》

イワンのテレパシーが全員の頭に届いた。

「 ・・・ まあ ・・・ 終わり良ければ全て よし、ってことで 」

「 そうだね〜 クラゲかっぷるの前途に乾杯〜 」

「 よかったね、 よかったね〜〜 うん ・・・ 」

「 ― ふん。 早く帰って飲むぞ! 」

「 ドルフィン、格納してくるよ〜 」

メンバーたちはぞろぞろ ・・・ 海岸から引き上げ始めた ・・ その時。

 

   ジャバッ !!!    何かが海中から飛び出してきた。

 

「 ?? な なんだ〜〜〜 」

「 ・・・ こ〜く のペット・ボトル・・? 」

「 ぺ〇し じゃない? 」

「 ― ナンか くっついてるぞ〜〜 」

 

       「 あ〜〜〜!!! わたしの  水着のトップ 〜〜〜 」

 

クラゲの彼氏はちゃんとお礼をしていったのだった。

 

  かくして  最強の戦士003  の伝説はますます広く世に流布されてゆくのであった。

 

 ( 誤解を ) 終らせないでおけば  ( これ以上の闘いは ) 始まるわけはない。

 

            はい、 すべて この世はこともなし♪

 

 

 

***************************    Fin.    ****************************

 

Last updated :  08,14,2012.                   index

 

 

 

*********    ひと言  ********

夏休みのお遊び・・・と ご笑読ください <(_ _)>

ちなみに キャラのイメージ画像、ヴォイス、性格等は

オール 平ゼロ で変換してくださいませ。