『　　卓上の小劇場　−　ちょっと小噺　−　』

　　　　　　*****　i-mode　の　卓上カレンダ−♪　にんまり眺めているうちに　妄想が・・　*****

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　書ける月だけです、すみません。　<(_ _)>

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　お手許に無い方、ISHIMORI@STYLE　でご覧になれますよ〜

　【　４月　　　幸せの夢　　】

・・・・え、ワシの家族ですか。

器量よしだった妻は　早くに亡くなりましたが、一人娘が今では

そっくりに、生き写しになりましてなあ・・・・

あれの髪と瞳は　母親譲りですよ。

縁あってとおい極東の島国に嫁ぎましたが

婿がまあ、こころ優しい好青年でして。

待望の孫も生まれて・・・　幸せにやっとりますよ。

ええ、　ワシにはもったいない家族ですな。

　・・・・　え・・・？

「　・・・博士！　ギルモア博士。　コ−ヒ−がはいりましたわ。　」

「　・・・　あ・・？　ああ・・・。　ありがとうよ、００３。　」

「　はい、どうぞ。　　ふふふ・・・なにかいい夢でもごらんになりまして？　」

「　うん？　・・・どうしてかの？　」

「　だって。　とっても楽しそうなお顔で寝ていらしたから・・・　」

「　・・・ああ。　いい夢じゃったよ・・・。　ワシには勿体無いほどの、な。　」

「　あ、ジョ−。　ちょっとここをお願いね。　イワンが起きたみたい。　」

「　うん、いいよ。　ああ、コ−ヒ−いい薫りだね・・・　うん・・・美味しい！　

　フランソワ−ズ、上手だねえ・・・　　」

「　うふふふ。　ありがとう♪　　　ねえ、イワンも飲めたらいいのにね？　」

「　イワンもこのいい匂いに　牽かれて目が覚めたのかもしれないよ。　」

−　ハカセ。　ボクモ　オナジユメヲミサセテモラッタヨ

ワシにあんな夢を見る資格なぞ　ありはしない。

だが・・・

目覚める直前の夢は　正夢とかいうから。

・・・都合の好い幻想と嘲笑してくれるな・・・・

ワシは。　

心底　お前達のしあわせを　望んでいるよ・・・

　

　【　６月　　　　これもお願い！　】

「　え〜とね・・・　麻婆豆腐と青椒豚肉絲と・・・え〜と二つと　・・・　」

「　え？　両方とも二人前ずつなの？　　」

「　う〜んとね、あれ・・？　麻婆豆腐はたしか・・・　」

「　・・・しっかりしてよ！　００９！　忙しいのよ、オ−ダ−はちゃんと取ってきて頂戴。　」

「　・・・・ごめん。　００３・・・　」

「　もう・・・。　いいわ、わたしが代わるから。　あなたはこのﾒﾓにある材料を・・　」

「　だ、ダメだよ！　オ−ダ−は僕が取るから！　き、きみは　厨房を手伝って。　」

「　どうして？　せっかく素適なチャイナ・ドレス着たんですもの、わたしだってお店に出たいわ。」

「　・・・・　だから　よけいにダメなんだってば・・・・　」

「　え？　なあに？　」

「　・・・　なんでもないよ。　」

「　さあ、００９、お願いよ。　防護服に着替えて　コレ仕入れてきて、急いで〜　」

「　・・・　うん・・・。　え・・・函館かあ・・・　さっきは神戸だったよな・・・　」

「　あ！　そうよ、神戸にももう一度行ってね。　」

「　え〜　なんで？？」

「　だって、あなた、　さっきお釣りをもらってくるの、忘れたでしょう？！　」

「　・・・あ・・・！　・・・それにしても・・人使いが荒いなあ・・・　　」

「　なあに？！　」

「　う、ううん・・・　なんでもナイ。　あの、さ、００３。　その服・・・嫌いじゃないよ、僕。　」

「　・・・・え、そ、そう？　」

「　お二人サン！　そんなとこでいちゃいちゃしてないで〜　オ−ダ−頼むよ〜　」

「　はいはい、　グレ−トはん、あんさんも減らず口叩くヒマに　皿洗いするアルね！！」

「　ちっ！　人使いが荒いぜ〜　大人サンよ〜〜　」

「　００７〜〜〜　００３よりマシだよお・・・　」

「　お前、ありゃあ　かかあ天下になるぞぉ〜〜　もう尻に敷かれてるじゃないか。」

「　え、なんか言った？　」

「「　いえいえ！　なんでもありません！　」」　

　【　７月　　　星降る夜に　　】

足元に波音を聞き　頭上には煩いほど星たちが瞬く

夏の夜

自然界は　なんとにぎやかなお喋りに興じていることだろう

　−　きれいねえ・・・・

ひそっと　みきがささやいた。

ノ−スリ−ブから伸びる華奢な腕が　夜目にも白くかがやくよ。

　−　まぶしいな・・・

え？と、きみは怪訝な顔で僕を振り仰ぐ

ふわり、といい匂いの髪が　やさしく僕の腕を撫でるよ。

　−　なにが。　・・・・・　ヘンなジョ−・・・・・

　　ねえ。　約束しよう？

　　え・・・？

　　ずっと。　これからもずっと　こうして一緒に星を眺めよう。

　　ええ。

　　毎年、　今日という日には　ここで一緒に、ね。

　　・・・・　ジョ−。

　　僕が　先でも。　　きみに　置いて行かれても。　　ここで、ね？

　　・・・・・

　　何があっても　どこにていも。　天でも地でも。

　　この日には、　僕はここに、きみの許に　きっと還って来るから。　・・・きみも。

　　・・・ええ。　かならず。

　　きっとだよ？

　　きっとね。

星降る夜に　地上で交わされた　・・・・・　彦星と織姫の　約束。

　【　８月　　　昂みへ！　】　　　　　　準備中　！

　【　９月　　　壁のまえの真実　　】

なんと依怙地だったのだろう　　なんと愚かだったのだろう

俺は　灰色の壁の前に　佇み深い深い吐息をもらす。

その機会はいくらでもあったのに　　その気になれないなんて虚勢をはって

俺は　鈍色（　にびいろ　）の空の下　　一歩も動くことができない。

　　　−　お前の　眠る　街

お前の、　そして　本当の俺の　眠るこの地。

すぐに　訪れるべきだった　　　とうに　語りかけるべきだった

あの日　あの雨の夜　

　シアワセダッタワ・・・と言ったのか　　アリガトウ・・・と呟いたのか

俺の腕には　まだあの暖か味が感じらられるのに

俺の耳には　まだあの囁きが残っているというのに

・・・今日、やっと　俺は　ここに立つ。

　　−　お前の　眠る　地

忘れはしない　出来るわけがない　　許されるはずがない

俺は。

お前を　忘れない、　　生きているかぎり。

俺は。

この壁を　忘れない、　生きているかぎり。

俺は　たとえこのツクリモノの生命が終わろうとも

お前と同じところには　ゆけないから。

お前と共に手を取ることは　許されないから。

せめて

この地上に　留まっている間は

お前を　想い　　この地を　踏みしめ　　あの空を　眺めよう

それが

俺に　いまの俺に出来る　ただ一つの　・・・・　真実

　

　【　１１月　　親友　　】

「　いい眺めだね・・・　」

「　・・・　うん。　」

「　本当に　ここは　このあたりは気持ちがいいね。　」

「　そうだね。　」

「　きみと走るのが　大好きさ。　胸がすっとするよ、せいせいする。　」

「　僕も。」

「　ず−っと一緒にいたかったな・・・・。　いつまでも。　」

「　ずっと一緒だよ？」

「　・・・・　皆　僕を置いていってしまったから。　

　せめて　君とはもっと長く一緒にいたかったんだけど・・・・　」

「　一緒だってば。　」

「　ありがとう。　僕を・・・・友達にしてくれて。　」

「　僕も　ありがとう。」

「　ずっと　見守っているからね。　いつまでもね・・・・　」

「　・・？　・・　」

「　ねえ、あのお嬢さんのこと、好きなんだろ？　」

「　！　おい〜〜　」

「　そうなんだろ？　はっきり言ってあげなよ。　・・・・　じゃあ、ね。　」

「　おい！　・・・・　クビクロ〜！　待てったら！　」

　

　−　わんわんわんわん　・・・・・・

　【　２月　　　写真　　】

「　出来上がったらすぐに　送るよ！　」

こっちでEDPに出せばいいのに、と首を傾げるきみに僕はわざと朗らかに言った。

「　ちょっとね。　最近凝ってるから、さ。　」

買ったばかり、実はまだ使い勝手もよくわかっていない最新式を

さも　自慢そうに振って見せた・・・・　僕の精一杯の演技。

「　そうなの？　楽しみにしてるわね。　」

そんなきみの笑顔が　もうとにかくたまらなくてこっそり何回もシャッタ−を押したんだ。

−　いつもこの路を通るのよ

まだ春には程遠い街を行くきみの足取りは　春風よりも軽やかだね。

キャスケットから零れている亜麻色の髪が　楽しそうに跳ねているよ。

故郷に帰ったきみとの　半年ぶりの再開

「　仕事の都合で。　たまたま日にちが空いたから寄ってみたんだけど。　」

「　まあそうなの？　その偶然に感謝しなくちゃね♪　」

僕の言葉を真に受けて　きみは艶やかに微笑んでくれる。

　−　なにが＜たまたま＞だよ・・・・

ほんとはさ。

もう、限界だったんだ。　　

きみに　会いたくて　　　きみの　笑顔が見たくて　　きみの　声が聞きたくて

・・・・　きみを　抱きしめたくて。

こっちで上がってきた写真は　素人の第一作としてはかなりの出来栄え。

故郷の街をバックに　　きみへの想いを写しとれた、って思うんだ。

その写真は　まだ僕の手許にある。　

「　ごめんね。　やっぱり失敗しちゃってた・・・。　」

僕は　臆面もなくウソ八百を書き送ったよ。

「　今度は。　ちゃんと撮りたいから。　勉強しておくから。　もう一回頼むよ。　」

　−　カエッテキテ　クダサイ

僕は　微笑む写真のきみに　そっと呟いた。

　

　【　３月　　　その先にあるもの　　】　　　　準備中

Last updated: 04,07,2004. index

****　後書き　　by　　ばちるど　*****

手に入らないと諦めていたi-modeのカレンダ−。

Ｋ様のご好意でゲットできました♪　Ｋ様、ありがとうございます〜

準備中の月は　近日中に・・・すみません、エネルギ−切れ〜〜