『 化石 』
− Fasten your seat-belt −
機内上部のサインが盛んに点滅している。
島村ジョ−は あまり気のない手つきでそれでも一応シ−ト・ベルトに触れてみた。
本当に事故ったら。 このベルトではとてもぼくの身体を支えきれないよな・・・
誰にも聞こえないようにこっそり溜息をもらし、ジョ−はバックシ−トに身体を預けた。
久し振りに搭乗した民間機、それも国際線だった。
どんな目的であってもジョ−にとって take off の瞬間はこころ踊るものだ。
随分と長い間ドルフィン号に乗っていない。
このところ、全員で集まる大きなミッションもなく、平穏で平凡な日々が続いていた。
それが・・・ 珍しくも依頼された < ミッション > のためにジョ−は単身
新大陸へと向おうとしている。
みんな ・・・ どうしているかな。
そろそろ機がランを始めるはずだ。
ジョ−は窓から名残惜し気な視線を飛ばす。
窓の外の異国の風景にそっと別れの挨拶を託した。
フランソワ−ズ ・・・! 黙っていってしまって・・・ ごめん。
一回でもきみのステ−ジが見られてよかった。
やっぱり ぼくは戦場を駆けるきみよりも舞台で踊るきみが ずっと好きさ。
勿論 ・・・ 一番好きなのは ・・・ ぼくの腕の中で 燃えるきみ ・・・
「 ・・・ 置いてゆくなんて・・・ひどいわ! 」
・・・・ は ???
昨夜の二人だけの思い出に突然、怒った声が降ってきた。
ジョ−は かなり甘い想いに浸っていたので しばらく何が起きたかわからなかった。
「 あ・・・? 」
「 ジョ−! 一人で勝手に行ってしまって・・・ ひどいじゃない! 」
「 ・・・・ あ ・・・・ ああ。 ふらんそわ−ず・・・ 」
「 ふらんそわ−ず、じゃないわよ! まったく。 」
昨夜、ジョ−の腕の中で 切なげに呻き全身をうすい薔薇色に染めあげていたフランソワ−ズは
今、目の前でやはり頬を染めてはいるが、大いに湯気もたてている。
「 お客さま〜〜 お早くご着席くださいませ! 機が出発できません〜〜 」
客室乗務員が半ベソでフランソワ−ズの前後左右をうろうろしている。
「 あら。 ごめんなさい。 ねえ、このムッシュウのお隣は空いています? 」
フランソワ−ズは落ち着いた様子で乗務員に尋ねている。
「 ・・・え? あら、そう、よかった。 それじゃ・・・ わたしはここに座るわね。 」
「 ・・・ ふらんそわ−ず ・・・ 」
「 Bonjour Monsieur Joe Shimamura? Commont allez-vous? 」
「 ・・・あ ああ〜〜 え〜〜っと。 うい、めるし。 まどもあぜる。 」
「 Bien。 さあ、そろそろ離陸ね。 シ−ト・ベルトは・・・っと。 」
やっとランを始めた機の窓からフランソワ−ズはじっと目を凝らせた。
「 Au revoir, mon Paris ・・・ しばらく お別れね。 」
「 フラン! ねえ、どうしたのかい? 」
ジョ−はやっとのことで我にかえり フランソワ−ズの腕を引いた。
「 きみ ・・・ 今日はオフなんだろ。 どうして・・・? 」
「 ・・・ ジョ−。 島村ジョ−さん? 」
「 ・・・ はい〜〜?? 」
「 わたしだって003なのよ。 ・・・ 何回、いえ、何百回言えばわかっていただけますの? 」
「 えっと・・・ はい、勿論よ〜くわかってマス。 」
「 だったら! コレはなんなんですか。 ・・・ 黙ってゆくなんて酷いわ。! 」
フランソワ−ズはぽすん・・・とジョ−の隣のシ−トに座りなおし、ごそごそバッグをさぐった。
「 ・・・ ホラ!」
ジョ−の目の前に 端っこがヨレた一枚のメモを突きつけた。
「 あ・・・ だって・・・ きみ、昨日までの舞台で疲れているだろうなって思ったし。
今回の<仕事>は ミッションかどうか・・・ 」
「 そんなの、行ってみなくちゃわからないでしょう?
とにかく。 わたしだってちゃんとサイボ−グ戦士の一員なんですから。
ご一緒します。 」
「 本当に・・・ 大丈夫かい? 」
「 ・・・ あの。 それとも わたし、邪魔?
急に割り込んだりして ・・・ イヤな女ね。 ・・・ ジョ−、呆れてるでしょう・・・? 」
「 あ・・・! そ、そんなこと・・・
ううん! 全然! そんなことないよ、本当さ。 」
フランソワ−ズは急にしゅん・・・と俯いてしまった。
白い頬に睫毛が濃い影をおとす。
亜麻色の髪が豊かに波打つうなじが 微かに震えていた・・・
そこには 昨夜ジョ−が散らした花びらにも似た跡が見え隠れしている。
・・・ 可愛いなあ ・・・!
昨夜、常夜灯の影に揺れていた白い肢体がジョ−の目裏に蘇り、
彼はあわてて足を組み替えた。
「 ごめん! ぼくが悪かったよ。 本当いうとね、きみを誘いたかったんだ。
でも ・・・ あんまり素敵な舞台だったし、昨夜も・・・そのぅ・・・疲れてるだろうなって。
こんなミッション、きみにはやっぱり相応しくないって思ってさ。 」
「 ・・・ ジョ− ・・・ そんなコト!
あなた、言ってくれたじゃない。 ぼくはいつもでここにいるよって・・・ 」
「 ・・・ だから、ごめん。
来てくれて嬉しいよ。 一緒に行こう! 」
「 ・・・ ありがとう、ジョ−・・・! 」
フランソワ−ズは差し出されたジョ−の大きな手にするり、と白い指を忍び込ませた。
ことん・・・とジョ−の肩に頭を寄せればふんわりと馴染んだ香りが彼女を包んだ。
ふふふ・・・ ジョ−って。 ほっんとうに甘チャンなんだから♪
・・・ あああ ・・・ 昨夜は本当に寝不足で ・・・ ( 誰のせいかしら? )
フランソワ−ズはほっとして目を瞑った。
美酒の酔いにも似た心地よい眠気に 彼女はすぐにつかまってしまった。
・・・・ ふわり。
長いランを終え、ジャンボ・ジェットはゆっくりと宙に舞い上がった。
昨夜。
フランソワ−ズの所属するバレエ団の公演、その千秋楽にジョ−は滑りこんだ。
まだ、ほんの端役なのよ・・・・と彼女ははにかみつつ言っていたけれど、
難無くジョ−は彼女をステ−ジで見つけることができた。
全幕ものの出し物の中で、フランソワ−ズは活き活きと踊っていた。
・・・ よかった。 こんな彼女を見るのって久し振りだよ。
劇場の隅で、ジョ−は心からの賛辞の拍手を彼女に惜しみなく贈った。
そして、今回はやはり・・・と心に決めたのだった。
そうだよ。 彼女に相応しい居場所は舞台なんだ。
硝煙ただよう戦場じゃない。
華やかな幕切れのあと、ジョ−はひとり頷いて席をたった。
「 お待ちどおさま! 」
軽やかな靴音を響かせ、フランソワ−ズが楽屋口から駆けてきた。
出口から少し離れた壁によりかかっていたジョ−は 手を揚げて彼女を迎えた。
「 お疲れ様。 ・・・ よかったよ、すぐにわかった。 」
「 まあ、そう? 嬉しいわ〜 」
「 ・・・ 綺麗だった。 それにすごく楽しそうだったよ。 」
「 ジョ−・・・ ありがとう。
ねえ、お仕事は? もう終ったの。 」
「 うん。 なんとか今日でカタがついたよ。 ふふふ・・・ココへはギリギリだったけど。 」
「 ごめんなさいね、わざわざ。 ・・・ でも嬉しかった♪
見に来てくれるとは思わなかったんですもの。
あ、これ♪ ありがとう。 わたし・・・ 薔薇はピンクが一番好き。 」
フランソワ−ズは抱えていた花束をちょっと差し出すと、顔を寄せて花達にキスをした。
「 ありきたりでごめんね。 でも気に入ってくれてよかった・・・ 」
「 ジョ−からだったらなんでも大好きよ。 すごく・・・嬉しい・・・ 」
フランソワ−ズはにっこり微笑んで、もう一度ピンクの花たちを抱き締めた。
「 あ〜あ? ぼくはその薔薇に嫉妬しちゃうなあ。
ねえ・・・ 今日は打ち上げとかないのかな。 もし、時間があったら・・・ 」
「 大丈夫♪ ジョ−との時間が一番優先よ。
さ、お食事に行きましょう。 わたし〜〜 もうお腹ぺこぺこなの〜〜〜 」
「 ははは・・・ よ〜し。 それじゃ・・・ 張大人の店には敵わないけど、
美味しい店を聞いてきたんだ。 ・・・ あ、きみの方が詳しいよね、地元だもの。 」
「 ううん。 ジョ−のご案内に任せるわ。
地元っていっても・・・ もう知らないトコばかりですもの。 」
「 ・・・・・ 」
ジョ−は黙って細い肩を引き寄せた。
自分の片手で簡単につかめてしまう薄い肩。
彼女は その肩に計り知れない重荷を担っているのだ。
サイボ−グという重さ、そして ・・・ 40年という空白の年月の重さ。
ほんの少しでもぼくが 引きうけられたら・・・
ジョ−は時々その<重荷>の差に、ひとり溜息を吐く。
ああ。
自分は 彼女になにをしてあげられるのか。
その想いは時に不安となり 時に自己嫌悪となりジョ−を苛んだ。
「 ジョ−? どうしたの。 」
「 ・・・あ。 ごめんごめん。 さあ行こう。 あ・・・荷物、持つよ。 」
「 いいわ、これ重いのよ。 」
「 やだな、重いからこそぼくが持つって。 」
ジョ−はひょい、とフランソワ−ズが肩からかけていた大きなバッグを取り上げた。
「 よし、じゃあ出発。 」
「 わい♪ ああ・・・ もうお腹空いて目が回りそう〜〜 」
どこにでもいる恋人達が 寄り添ってパリの夜に溶け込んでいった。
規則正しい寝息がジョ−の腕にも伝わってくる。
ジョ−は彼女の額にかかる亜麻色の髪をそっとかきやった。
ついさっきまで あんなに熱く火照っていた身体は、今ウソみたいに穏やかだ。
濃い睫毛は白い頬に落ち、そよりとも揺らがない。
本当は すごく疲れてたんだろ?
・・・ 相変わらずだね、 ・・・ ぼくのお姫さま・・・
ジョ−はほんのりさくら色を残した彼女の頬に唇を寄せた。
ゆっくりお休み・・・
・・・ やっぱり きみにはこの街が あの世界が よく似あうよ・・・
行ってくるから。 今回は留守番をたのむね。
もう一度。 小さなキスを盗むとジョ−もすぐに寝入ってしまった。
ジョ−が案内したビストロは 小さいけれど落ち着いた雰囲気で
二人は久し振りに一緒のディナ−を楽しんだ。
「 ああ・・・ 美味しかった・・・! も〜〜お腹いっぱいよ。 」
「 うん、そうだね〜 ふふふ・・・ きみがあんなに食べるの、初めてみたよ。 」
「 あら・・・ だって今夜くらいはダイエット解禁だわ?
・・・ ああ ・・・ 夜風が いい気持ち ・・・ 」
「 ちょっと歩こうか・・・ あ、疲れてる? 」
「 ううん ・・・ 美味しいモノ食べて元気いっぱいよ。 」
「 じゃあ、ちょっとだけ。 あの ・・・ぼくの泊まっているホテル、すぐ近くなんだ。 」
「 ・・・ そう ・・・ ? 」
「 ・・・ ね? 」
ジョ−は黙って彼女の肩にまわした腕に力を入れた。
フランソワ−ズは やはりなにも言わないで彼の胸にぴたりと身体を寄せてきた。
二人の足取りはふわふわと雲を踏んでいるみたいだった。
縺れ込むようにしてこの部屋に入ったのは そんなに前のことじゃない。
モノを言う時間ももどかしく、二人はベッドに倒れこんだ。
ジョ−の手が巧みに恋人を一番美しい姿に変えてゆく。
彼の腕の中で 悪戯な指先の元で 彼女は全身を薄紅色に染めた。
しなやかな身体。 ヒトとしての活力に満ち 身体中が燃え立っている。
ジョ−は誘われ、吸い込まれ ・・・ 自身を熱く爆ぜさせて ・・・
やがて共に芳しい奈落へと落ちた。
満ち足りたこころと身体を寄せあって、恋人達は穏やかな眠りにすべてを委ねていた。
翌朝、フランソワ−ズが爽やかに目覚めたとき隣には一枚のメモが枕に止めてあった。
おはよう。 よく眠れたかい。
博士からの頼まれた小さいミッションに行って来ます。
一週間もしないで戻ると思います。
ジョ−。
・・・・ そして。
彼女は今、ジョ−の隣の座席にしっかりと収まっているのだった。
「 でもさ。 ・・・ あの、どうしてわかったの。 」
「 なにが? 」
「 あのぅ・・・ 今度のミッションのこと。
ぼく、なにも言わなかっただろ。 」
「 ええ、そうね。 ひとっ言も教えてくれなかったわね。 」
「 だから・・・ ごめんってば。
公演で忙しいだろうなって思ってたし。 それにミッションというほどでも ・・・ 」
「 ジョ−ォ? 」
「 ・・・はい、ごめんなさい。 」
「 素直でよろしい。 ふふふ・・・あなた、これ・・・忘れていったでしょう?
ホテルの部屋の机に置きっぱなしだったわ。 」
「 ・・・え ・・・! 」
フランソワ−ズは ジョ−の前に一通のエア・メイルを差し出した。
「 これを読んで わたしは一番早い便に飛び乗ったのよ。 」
「 ・・・ さすが・・・ 003。 」
「 ありがとう。 」
そもそもコトの起こりは・・・ ギルモア博士に届いた一通の手紙、フランソワ−ズがジョ−に
示したその手紙だった。
これは誰だっけ・・・と博士は差出人の名に首を捻っていた。
ちょうど、ギルモア研究所にはご当主の博士とイワン、そしてジョ−しかいなかった。
他のメンバ−達はみな、故郷に戻っていたり日本在住でも
大人のように別の場所に住んでいたりしていた。
「 それで ・・・ その話に乗った、ということなの? 」
「 うん。 一応調査に協力しようってね。 」
「 ふうん ・・・ でも、本当なのかしら。 」
「 写真、見たろ? ブレてるけど・・・ 恐竜に見えなくもない。 」
「 あ、ううん。 違うの、現代に生き残った恐竜のコトじゃなくて・・・
そのロス博士のこと。 本当に ・・・ 博物学者になったの・・・? 」
「 ・・・ うん。 その点はね、ぼくもちょっと・・・
でも、ともかく行ってみれば判るんじゃないかな、と思って。 」
「 そう・・・・ それなら、余計にわたしの、ううん、みんなの 能力( ちから ) が
必要になるんじゃない? 」
「 そうかなあ ・・・ 」
「 そうよ。 その・・・なんとかいう恐竜をとにかく捕まえる、っていうのが
一応の<ミッション>なんでしょ。 」
「 ナントカ・・・じゃなくて ディノニクス。 まあ、そうだね。 」
「 ほ〜らね。 そう思ってね、わたし・・・ 」
「 なんだい? なにを企んでいるのかい。 」
「 ふふふ・・・ それは向こうに着いてからのお楽しみ♪ 」
「 ??? 」
フランソワ−ズはにっこりと笑い、ジョ−の手から博士の手紙を取り戻した。
「 え・・・っと、この 化石古生物研究所 までは・・・ 」
「 かなりロ−カルな場所のようだよ。 飛行機を乗換えて あとは車だな。 」
「 ふうん ・・・ それならいっそドルフィン号で来ればよかったわね。 」
「 え・・・ そんな、一人や二人のミッションにドルフィンは飛ばせないよ。 」
「 ええ、一人や二人ならばね。 」
「 ・・・ フラン〜〜 きみ、なにか企んでるな〜〜〜 」
さあね・・・・とサイボ−グ戦士の紅一点は澄ました顔をして笑っている。
「 まあ、いいか。
丁度いいよ、向こうに着くまでディノニクスについての資料、よく読んでおかなくちゃ。 」
「 そうね。 時間はたっぷりあるわね。 」
ジャンボ機はやっと旧大陸の空から離れたところのようだ。
「 ここよ〜〜 ! 」
人影もまばらな空港ロビ−で フランソワ−ズは大きく手を振った。
ぱらぱらとゲ−トから出てくる客も のんびりと待っている人々も
みな一様に 振り返り目を見張る。
・・・ あは・・・ こりゃ 目立つなあ。
ジョ−は苦笑し、彼女の後ろからゆっくり着いて行った。
「 それで ・・・ これで全員? 」
「 ううん、国内組がまだよ。 えっと・・・ あと30分かしら。 」
「 そうか。 やあ、アルベルト。 ピュンマも・・・ 久し振り。 」
懐かしい顔に ジョ−も手を揚げて迎えた。
「 ・・・ おう。 」
「 やあ、ジョ−。 フランソワ−ズ、連絡ありがとう。 」
「 Bonjour、 アルベルト、 ピュンマ。
会えて嬉しいわ。 遠くまでご苦労さま♪ 」
順番に頬にキスをし、フランソワ−ズはご機嫌である。
「 ふん ・・・ なんてロ−カルなんだ! 国際線から二回も乗換えたぞ。 」
「 丁度ユネスコの用事でブリュッセルに来ててよかったよ。
あれ? 僕たちだけかい。 きみの連絡だと・・・ 」
「 あ、グレ−トと大人はあそこのティ−・ル−ムでお茶してるわ。
二人とも買い付けで上海に行ってるって聞いてたの。
domestic team ( 国内組 ) は次のフライトで到着予定よ。 」
「 ふうん ・・・ ああ、僕もそれじゃちょっと何かつまんでくるよ。 」
「 あ。 じゃあ わたしも。 」
「 やけに張り切っているじゃないか。 」
アルベルトはピュンマと仲良く腕を組んでゆくほっそりした姿を顎でしゃくった。
「 うん・・・ 実は留守番頼むつもりだったんだけど。 わたしを置いてゆくの?って ・・・ 」
「 ふん。 まあ元気なのは結構だが。
本当にミッションなのか。 彼女の連絡だとどうも怪しいな。 」
「 それは ・・・ まだわからないよ。 」
「 ・・・たまにはこうして集まるのも悪くないが。 」
「 へえ? アルベルト、君がそんな風にいうの、珍しいね。 」
「 おい、真面目な話だぞ? 時々は体制を確認しておかないといざって時に
不具合を生じては それこそ命取りになる。 」
「 ・・・ そうだね。 そんな時、来ないことを祈るけど。 」
「 ふん ・・・ 相変わらず平和主義者だな。
しかし 今回の話もちゃんと見極めておく必要はあるな。 」
「 うん。 やっぱり皆に来てもらってよかったよ。 」
俺も一服してくる、とアルベルトもロビ−を突っ切っていった。
・・・あ〜あ。 次の便まで ・・・ あと20分か。
ジョ−はう〜んと伸びをして隅っこのソファにぼすん・・・と腰を下ろした。
ここはアメリカ・モンタナ州にあるしごくロ−カルな空港。
・・・ 結局、今回の<ミッション>は全員参加となった。
もともとはぼく一人か ・・・ せいぜい現地組のジェットとジェロニモを
誘うかなあって思ってたんだけど。
ジョ−はポケットからごそごそと封筒を取り出した。
本当に信じていいのだろうか。
ロボット工学に嫌気がさし、化石古生物の研究に没頭している、というロス博士。
ジョ−はその人物に勿論会った記憶はない。
なぜ、今頃になって彼はギルモア博士や自分達に接触を求めてきたのか。
幻の恐竜捕獲という、実に曖昧な理由をつけて・・・
彼の本当の目的は何なのか。
それは ・・・ できれば文面通りの事実を信じたいけど・・・・
ジョ−の脳裏にちらちらと暗い記憶が駆け抜ける。
以前の友人やら仲間を装って近づいてきた 奴等。
そして彼らとはいつも 思い出したくない結末を迎えたのだった。
ここで思い悩んでも仕方ないよな。
フランソワ−ズにも言ったじゃないか。
・・・ いまになにもかもわかるって。
その為に こうして全員揃ったんだし・・・
ふう・・・ ジョ−は溜息をついて、また一つ伸びをした。
「 ・・・ あれ ・・・? 」
ふと気がつけば到着ゲ−トに人影が寄ってき始めていた。
閑散としていたロビ−を歩くヒトがぱらぱらと見受けられる。
どうやら次の便が到着したらしい。
この便で、とフランソワ−ズは言っていたけれどそれらしい人影はゲ−トから出てくる人々の中には
全く見つけられなかった。
「 なんだ。 またヤツは遅刻か。 」
不意に背後でアルベルトが不機嫌な唸り声を上げた。
「 あ? う、うん ・・・ どうもそうらしいよ。
でもジェロニモも付き合っているのかなあ。 」
寡黙な巨漢は時間にも仕事にも几帳面なのだが・・・・。
「 ふん、どうせヤツが待たせているんだろう。 」
「 う〜ん ・・・ 困ったな。 出来ればもう現地へ出発したいんだ。
なるべく今日中に着きたいからね。 」
「 ・・・ そんなに奥地なのか。 」
「 まあね。 恐竜は人混みが嫌いらしいよ。
ともかく、先発隊だけでも出発してもらおうかな。
ぼくはあの二人を拾ってから追いかける。 」
「 そうだな。 それが最善策だろう。 」
「 うん、じゃあ ・・・ 皆に声をかけてくるよ。
アルベルト、駐車場に先に行っててくれる? 」
「 よし。 」
ロ−カルな空港ロビ−からはあっと言う間に人影は消えていた。
「 じゃあ、ぼくは後から追いかけるから。 」
「 そう・・・? 気をつけてね、ジョ−。 」
「 やだな、なんてコトないよ。 それより・・・ディノニクス捕獲のプランを練っておいて。 」
「 ええ。 なんだか面白そう♪ わくわくしてきたわ。 」
「 たまには <面白い・ミッション> もまた楽し、というトコロだな、マドモアゼル。 」
「 僕は恐竜とか初めて見るからね。
それが生きている・・・ってちょっとロマンを感じるな。 」
「 ほっほ。 ピュンマはん、途中でここに寄っておくんなはれ。
この地方唯一のショッピング・モ−ルやで。 ここで食材を買い込むアル。 」
張大人がナヴィゲ−タ−の画面を覗き込み、指差している。
「 オッケ−。 それじゃ ・・・ 」
「 ・・・わ! なんだ?!」
まさに、ピュンマが出発しようとしたとき、一台の四駆車が猛烈な勢いで横付けした。
一瞬。 だれもが緊張し、ジョ−はそれとなくフランソワ−ズの乗った車の前に立ちはだかった。
「 ま〜った待った待った!! 」
派手にタイヤを軋ませて停まった車から ぐしゃぐしゃの赤毛頭が飛び出してきた。
「 ・・・ ジェット!! ああ、ジェロニモも〜〜 」
「 いや〜〜 置いてけぼりかと思ってよ・・・ も〜コイツでぶっちぎりさ。
ひぇ〜〜〜 ここってすっげ〜ローカルな! 」
「 え・・・! ずっとコレで飛ばしてきたのかい?! 」
ピュンマは呆れ顔で埃だらけの四駆を振り返った。
「 しゃ〜ね〜じゃんか。 ロ−カル線は出ちまうし・・・ 」
「 オレ、ちゃんと間に合う時間を指定した。 ジェットは寝坊したそうだ。 」
「 わ・・・ それをバラすなって!
ふ、ふん。 自前で飛んでくれば ちゃ〜んと間に合ったんだぜ? 」
「 はいはい・・・ わかりました。
さあ、それじゃ皆一緒に出発しましょう。 」
フランソワ-ズの一声で サイボ−グ達は3台の車に分乗して空港を後にした。
「 ちょっと・・・ジェット? ちゃんと防護服は持ってきたでしょうね。 」
「 当たり前よ。 ・・・ ほれ ちゃ〜んと。 」
ジェットはくるり、とド派手にスパンが着いた革ジャンを持ち上げて
ついでにジ−ンズもずり下げてみせた。
「 わかったわ! もう・・・ 」
「 お前こそどうなんだよ? ほれほれ・・・ オレが確認してやろうか。 」
「 結構よ、間に合ってます。 」
「 ジェット、お前な〜・・・! 」
「 へ。 もうちゃ〜んとジョ−に確認してもらってんだろ。
いや、あいつに着せてもらったってかよ。 」
「 ・・・ジェット! 」
どん!とフランソワ−ズは赤毛オトコの足を思いっきり踏みつけた。
「 ・・・ って〜〜・・・ 利くぅ〜〜 」
「 ほら、ふざけてないで。 ジェット、ちゃんと資料に眼を通しておけよ? 」
「 へ〜い。 」
久々のミッションに、みんなこころなしかウキウキしている。
「 ― それじゃ諸君。 いいかね、しつこいようだが・・・ 」
勢揃いしたメンバ−達の前で ロス博士はくどくどと同じコトを何回も繰り返した。
「 あれを絶対に傷つけたり殺したりしないで欲しい。
生きたまま ・・・ 捕獲してくれ。 貴重なサンプルなのだ。 」
「 わかりました。 」
ディノニクス ・・・ というその恐竜の資料を見せ、
生息年代やら骨格標本やら習性やら・・・ ロス博士は熱心にサイボ−グ達に説明をした。
最初は物珍しさから皆熱心に耳を傾けていたのだが・・・
すぐに 資料の陰でアクビを噛み殺したり、端っこに突如閃いた献立をメモしたり・・・
一番後ろに座を占めていた赤毛は遠慮なく机の上に沈没していた。
・・・ なんだ。 こりゃ・・・ <狐狩り>じゃないか・・・
皆の心に同じ思いが浮かんだ。
久々のミッションかと思ったのに。 ・・・ でも、せっかくだ、楽しませてもらおう!
「 ・・・ というコトなのだ。 アレはこの先の渓谷にある水場によく現れる。
だからその付近で待ち伏せをして捕獲してもらいたい。
いいかね、くれぐれも・・・ 」
「 あ、はい、了解です。 さあ〜〜 皆出発しようか。 」
ピュンマが博士の長話を巧みにはぐらかせた。
「 ・・・ どう思うか。 」
「 え・・・ 写真もあるし。 ホンモノじゃないかな。 」
研究所を出、ジ−プに分乗した時にアルベルトがぼそり、とジョ−に呟いた。
「 いや。 モンダイのディノニクスじゃない。
あの ・・・ ロス博士のことだ。 本当にロボット工学から足を洗ったのか。
<改心した>ってのは信じがたい。 」
「 う・・・ん。 フランソワ−ズも気にしていたけど。
もうすぐ判ると思うよ。 恐竜が現れれば、ね。 」
「 ふん。 」
アルベルトはそれきり口を噤むと前方の潅木の茂みを睨みすえた。
ジョ−も岩場だらけのでこぼこ道を慎重に運転して行った。
・・・ 全員、配置についたか。
おう。 いつでも上昇オッケ−だぜ。
おほん。 この水辺の草むらはなかなか快適だぞ。
皆の衆、追いかけっこが始まっても小生を踏み潰すなよ?
標準サイズの蜥蜴だからな!
う〜ん・・・ 水の中は結構賑やかなオアシスだよ。
この泉は地下でどこかに繋がっているらしいね。 小魚が時々やってくるんだ。
ほっほ。 どんな動物でも火を恐れるアル。
ワテの炎で 怯ませてやるヨロシ。 あいや〜美味そうな岩茸アル!
むう。 了解だ。
皆の位置はちゃんとカバ−できるから・・・ 安心して。
ちょっとわくわくするわね?
うん、ぼくとジェットでまずは追跡するつもりだよ。
渓谷に到着して、ほどなく全員が姿を隠した。
ロス博士は岩場の陰にテントを張って助手と一緒に待機するという。
・・・ ジョ−?
なに、フランソワ−ズ。
あの ・・・ ロス博士ね。 やっぱり見覚えはないわ。
・・・ でも・・・
でも・・・? なにか心配事?
え、ええ・・・ あの助手のキ−リ−というヒト・・・
なんか ・・・ イヤなカンジ。 ああいう眼つき、昔あの島でよく見たのよ。
う〜ん ・・・ でも一応ロス博士の助手だっていうし。
そうね。 わたしの思い過ごしだといいんだけど。
大丈夫。 全員で見張っているんだもの。 あ、探索、頼むよ。
了解! 任せといてね♪
ふふふ・・・頼りにしてるよ。
乾いた風が渓谷を吹き抜けてゆく。
この付近は多くは切り立った岩場で この渓谷付近だけが緑のオアシスとなっていた。
遠くの峰には雪が残り、時にそちらから吹き降ろす風はぞくり、とするほど冷たかった。
日没前 ・・・ サイボ−グ達はそれぞれ息を潜めて恐竜の出現を待った。
・・・ きた!
全員の頭にジェロニモの低いがはっきりとした呟きが響いた。
よし ・・・ !
水辺に それ が立っていた。
先ほど研究所でさんざん見せられた資料からまさに抜け出してきたか・・・と
思える姿で それ は忽然と現れた。
― よし。 行くぜ!
・・・ ほんとに居たんだね〜
ジェットとジョ−が音も立てずに背後から忍び寄る。
・・・ 一瞬、気配に気づいたのか、ディノニクスはぎろり、と眼を剥いて振り返った。
「 − いけない! 気がつかれた・・・! 」
「 おし。 このままつっこむぞ! 」
二人が追撃体制に入ろうとした ・・・ その瞬間。
・・・ 待って!! ソレは・・・ ツクリモノよっ!!
フランソワ−ズの通信が全員の頭に飛び込んできた。
なんだって〜〜!!
くそッ! やはり罠だったのかっ!
アッ! 空から・・・ アレは プテラノドン ??
・・・ ! こっちは水蛇の登場だよ!
皆! 慌てるな。 こうなったら遠慮はいらん、破壊するんだ。
了解 !!!
狭い峡谷に時ならぬ爆発音が連続的に響きだした。
「 ・・・ やっぱり ・・・ 」
「 ああ。 罠だった。 ふん、奴等の考えそうなことだ。 」
<ディノニクス> はまだぶすぶすとまだ黒煙を上げている。
アルベルトは忌々しい気に眺めると、右手に手袋をはめた。
「 ロボット工学者自身が B.G.のロボットだった・・・ってわけか。 」
「 お。 上手いことを言うじゃないか?
しかし ・・・ ロス博士も最後には呪縛を自分自身で解いたな。
・・・すべて 塵に還る・・・ということさ。 」
次々とこの世に再び姿を現した恐竜達は すべてロス博士が造ったロボットだった。
<助手>という振れ込みのキ−リ−こそが首謀者で、
彼はBGのもと幹部だったという。
今際のきわにロス博士は全てを告白していった。
「 ・・・ 本当の恐竜達が 怒ってるだろうね。
勝手に彼らを利用してさ。 それもとんでもない野望のために・・・ 」
「 うむ。 自然界の順番を覆すことは許されない。」
「 ったくなあ。 手の込んだコト、やってくれたぜ。 」
「 帰ろうよ。 ・・・ 化石たちの邪魔はもうしたくないもの。 」
「 そうアル。 さ〜あ、帰ったらみんな御馳走アルよ!
ぱ〜〜っと厄払いしまひょ。 ぱ〜〜っと 」
「 でも、たまに全員でのミッションもいいもんだね。 ― 今回はなんともいえないけど。 」
「 ふん・・・ そうだな、初動のフォ−メ−ションの種類をもっと増やしたほう
いいかもしれない。 ピュンマ、後でデ−タを見せてくれ。 」
「 オ−ライ。 そうだね〜。 あ、 ジョ−? きみとジェットの追撃なんだけど・・・ 」
「 うん? なに。 」
全員の無事を喜びあいながらも、彼らは常に危機を視野に入れている。
戦場に立つ日が 再びいつ訪れるとも限らないのだ。
燃え尽きたテントを後に サイボ−グ達は峡谷から立ち去る準備を始めた。
半ば疑いながらのミッションで成功したとはいえ、あまり後味のよいものではなかった。
ジョ−は最後に峡谷を一巡りし、点検から戻った。
ツクリモノの恐竜の残骸など人目につかないように処分した。
・・・ もっともこんな辺鄙な場所にくる物好きもそうそういないだろうけれど。
それでも、不用意にBGの痕跡は残して置くわけにはゆかない。
駐車しておいたジ−プまで戻ってくると。
フランソワ−ズがひとり、ぽつん・・・と車体の前に立っていた。
暮れ始めた空に細い三日月がかかっている。
フランソワ−ズは立ち止まり、峡谷をじっと眺めていた。
夕風に亜麻色の髪が靡いて きらり・・・・と輝く。
・・・ 綺麗だな・・・・
ジョ−は思わず、夕闇に浮きあがる白い横顔に見入ってしまった。
「 フランソワ−ズ? お疲れ様。
やっぱりきみの力はミッションに絶対不可欠だね。 あの一声が全てを変えたよ。
すぐにトラップへの対応が出来たもの。 」
「 ありがとう、ジョ−。 」
ジョ−は彼女の肩にぽん、と手を置いた。
「 ・・・ 疲れちゃったかい。 」
「 ううん。 そんなことない、けど。 ・・・あの・・・ 」
「 うん? 」
「 本当のディノニクス・・・ ピュンマが言ってたけど怒っているわ。 」
「 怒る・・・? 」
「 ええ。 もうずっと・・・ 静かにこの地に眠っていたのでしょう?
化石になって ・・・ 幸せな夢をみていたかもしれないじゃない。 」
「 ああ、そうだね。 肉食恐竜の幸せな夢ってもの・・・なんか不気味だけど。 」
「 ふふふ・・・ スプラッタかもね。
でも そんな夢をいきなりニセモノがわいわいかき回して・・・ その上
自分達を囮に利用された・・・って凄く怒ると思うの。 」
「 ・・・ そうだね。 」
「 やっぱり過去のものは 過去に眠らせておいてあげないと.いけないのよ。 」
「 フランソワ−ズ・・・? 」
不意に灰色の影が 彼女の顔を覆った・・・ とジョ−には感じられた。
なぜか どきん ・・・ とジョ−の心臓が大きく打った。
・・・ それはほんの一瞬だったけれど、 ジョ−は反射的に彼女の手を握った。
・・・ どこへも行くな! ここに、ぼくの側にいてくれ・・・!
「 あら、どうしたの。 ・・・ さ。 帰りましょう。
・・・ お休み ・・・ 恐竜さん達。 もう誰もあなた達の眠りを邪魔したりしないわ。 」
一陣の風に フランソワ−ズのマフラ−が翻って揺れた。
きっと 化石達には別れの挨拶に見えた ・・・ かもしれない。
「 ・・・ わたしもね ・・・ 」
「 ・・・ え ? なんだい。 」
寄せ合った肌からは まだお互いに芳しい温気が漂っている。
拡がる空間には そこここに甘い吐息が残っている。
ギルモア邸のジョ−の寝室で 二人はまだ熱い余韻に浸っていた。
淡いフロア・スタンドの光に フランソワ−ズの白い肢体が浮かび上がる。
・・・ 綺麗だ ・・・! 生命の輝きって・・・ このことかな
ジョ−は視線をはずすことができない。
「 ・・・ わたしも 化石 かもしれないわね。 」
「 ・・・ え ・・・? 」
「 わたしもディノニクスとおなじ。 過去の ・・・ 化石 ・・・
埋もれた時間の中から 強引に発掘されちゃったわ。 」
「 フランソワ−ズ・・・! 」
ちょっと気色ばんだジョ−に フランソワ−ズは低く笑いを漏らした。
「 だから・・・ なんだかあの渓谷がとっても印象深くて。
もしかしたらわたしも ・・・ あんな場所に眠っていたかも・・・ 」
「 ・・・ ! 」
ジョ−はがば、と身を起こし彼女のしなやかな身体に腕を回した。
そう・・・ この女性( ひと ) は。
荷物を持とうと差し伸べた手に 重いからいいわ、とさらり、と言うヒトなのだ。
しなやかに たおやかに そして優雅に。 ・・・でも誰よりも強く。
どんな時にも前をきちんと見つめて。
陰の涙を知るひとは何人いることだろう。
ぼくは・・・ きみの<今まで>を分かち合えないけれど。
でも。
これからの日々はぼくにも分けて欲しい。
ディノニクスは一人だったけど。 きみには ・・・ ぼくがいるよ!
ジョ−はほのかに火照りの残る肢体に点々と口付けをしてゆく。
「 化石だって? ふふ・・・こんなに熱い化石は ・・・ どこにもいないと思うよ? 」
口付けの跡がつぎつぎと鮮やかに染まってゆく。
「 ・・・あ ・・・ぁ ・・・ ジョ−ったら・・・! ・・・ や ・・・ だ ・・・ 」
「 ・・・化石なら 一緒になろうよ。
愛の化石ってのもいいかもしれない・・・ 」
ジョ−は両腕に力を篭め、再び薄紅色に染まり始めたフランソワ−ズをしっかりと抱き寄せた。
熱い泉が 波打って彼自身を迎え入れる。
「 ・・・ ジョ−と 一緒なら ・・・ ! ・・・! 」
「 き ・ み と・・・!! 」
二人は共に昂みへと上り詰めていった。
********* Fin. *********
Last updated
: 05,29,2007. index
**** ひと言 ****
あのお話を な〜んとかフランちゃん参加バ−ジョンにしてみたくて・・・
結構四苦八苦してしまいました。
原作は偉大です! あの軽快なテンポは ・・・ 凄いですよね〜〜
改めて 御大・バンザイ・・・ なのでした。
はい〜〜 そしてウチの93は相変わらずらぶらぶの熱々〜〜♪
ジョ−君も二人っきりの時には臆面もなく? ラテン化しております(*^_^*)