『 二人だけの約束 − なんのために − 』
< 天上 ( ここ )より きみへ >
目を逸らせては ならない
冷静に見詰め 徹底的に壊滅する。
− この時のために 僕は・・・ 生まれてきた・・・のかもしれない。
手をはなしては ならない
灼熱の炎が身体を包み 燃えつきるまで。
− そのために 僕は 生まれてきたのだ。
忘れてなんかいないよ、 きみとの約束。
きみは きっと 見ていてくれるね
きみは 必ず 聞いていてくれるね
最後の最後まで
ふたりで しっかり見詰め合ってゆこう、と。
その瞬間まで
おたがいの 姿をこころに抱いていよう、と。
忘れはしないよ、 二人だけの約束。
− これからも いつも いっしょにいるよ・・・・ きみとの約束。
もう・・・ 目を瞑っても いいかな・・・
ああ ちゃんと見えるよ、聞こえるよ、
こんなに離れた 空からでも
こんなに壊れた 身体でも
− きみの 笑顔。 きみの 瞳。
僕のすべての想いを ・・・・ きみに ・・・・・
フランソワ−ズ −−−−−−−−−−−−−!!
< 地上( ここ )より あなたへ >
泣いてはいけない
わたしは 歯を喰いしばる。
涙で 視界がぼやけるから
嗚咽で 音を拾えなくなるから
今は。
今、 この時 わたしは 見定めなければならない。
今、 この瞬間 わたしは すべてを聞き取るのだ。
− そのために わたしは ・・・ 生まれてきた ・・・ のかもしれない
忘れてなんか いないわ、 あなたとの約束。
わたしは はっきりと見ているわ
わたしは しっかりと聴いているわ
息絶える その時まで
ふたりで しっかりと手を繋いでいようと
目を閉じる その瞬間まで
ふたりの こころは結ばれているのだと
忘れはしないわ、 二人だけの約束。
− これからも いつも 一緒にいるよって ・・・・・ あなたとわたしの 約束。
あなたが
あなたの生命の焔(ほむら)が 燃え尽きるまで
あなたの深い想いが 熔けつくすまで
わたしは
この忌まわしい能力限度いっぱいにレンジを拡げ
見届け 聴きとげる。
− それが わたしの役目
そのために、 この時のために わたしは ・・・・ 生まれて きた の ・・・・
ジョ− −−−−−−−−−−−−−−−−− !!
その夜 ひときわ見事な星が 中天に大きく弧をえがいて 流れた。
*** ( 了 ) *** top Last updated:12,19,2003.
*** ひとこと ***
今更って・・・すみません・・・・・。 でも どうしても書きたくて・・・・ (^_^;)