1章 十二勇士紹介 |
この物語の主要登場人物であるオルランド、オリヴィエ、リナルドの生い立ちと、物語に入るまでのエピソードを紹介。 |
2〜4章 アンジェリカを巡る冒険 |
5旬節の祝日に、シャルルマーニュの下を訪れた美女アンジェリカ。彼女の弟と戦い勝ったら自らを与えると言う話に我こそはと名乗り出る面々。しかしアンジェリカは、その父であるカタイのガラフロン王がシャルルマーニュ達を混乱に陥れる目的で送り込んだ自らの娘だった。アンジェリカに会うために冒険する者や他の敵と戦うために冒険する者の旅が始まる。十二勇士筆頭オルランドはその過程で魔法にかかり、アンジェリカに恋をしてしまう。そしてシャルルマーニュによる召喚命令で十二勇士達は王都パリに戻るのだが、唯一オルランドだけはアンジェリカの心をつかむために旅を続けるのだった。 |
5〜11章 イスラム軍侵攻 |
アフリカの大王アグラマンを筆頭とするイスラム教徒の大軍がフランスに上陸した。スペインのイスラム軍との連携でフランス軍を苦しめる。また、トロイのヘクトル(ギリシャ神話の英雄)の血を引くと言うロジェロをも味方につけることに成功した。合戦の途中で、リナルドの妹である女騎士ブラダマンテは敵としてロジェロに出会い、その勇敢さに心引かれる。戦いはイングランドの援軍を率いたリナルドの夜襲によって、フランス軍がイスラム軍を後退させ、均衡状態まで戻すに至った。
一方傲慢な王女アンジェリカは負傷したイスラムの若者メドロを介抱するうちに傲慢さが薄れ、ついにはメドロと結婚してしまった。 |
12〜14章 狂えるオルランド |
アンジェリカがメドロと結婚した事を知ったオルランドは逆上し、ついには発狂してしまう。そのころアストルフォは魔法使いアトラントに囚われていた数々の勇者を解放した後、アビシニア(エチオピア)で使徒ヨハネに出会う。ヨハネからオルランドの窮状を知ったアストルフォは、救う手段があると言う月に、魔法の二輪馬車(チャリオット)でヨハネと共に向かう。そこで「オルランドの思慮分別」を手に入れ、地上に戻った。 |
15〜16章 決闘 |
アストルフォはアビシニア王セナプスを救ったことから彼の協力を得、セナプスの軍勢でアグラマンの国の首都を包囲する。防戦一方のアグラマンが密かにアフリカに戻るがすでに包囲されているのを知り、一気に形勢逆転を狙って決闘を申し込む。その後アストルフォとオルランドが合流し、オルランドは正気を取り戻し、決闘者に名乗り出る。
フランス側はオルランド、オリヴィエ、フロリマールが、イスラム側は大王アグラマン、老戦士ソブリノ、セリカンの王グラダッソが名乗り出た。決闘の結果アグラマンとグラダッソは討ち死に、ソブリノは降伏し、フランス軍の勝利で終わった。だがその戦いでフロリマールも死亡した。
一方ギリシャ帝国の皇太子レオがブラダマンテを妻に迎えようとしてる事を知ったロジェロは、彼女への愛情のためフランス側に付く。そしてレオといざこざがあったが、結局レオはロジェロにかなわないことを知り、求婚を辞退するのだった。 |
17章 ロンスヴァルの戦い |
アグラマンに協力したスペインのイスラム王マルシリウスを攻めたシャルルは、その戦いでも勝利する。マルシリウスは貢物を出すことを約束し、オルランドが少数の部隊を率いてその受け取りに行くことになった。しかし裏切り者ガンの内通により、マルシリウスはオルランドの部隊へ奇襲をかける。この戦いでオルランドの部隊は壊滅。オルランド、オリヴィエ、アストルフォは討ち死にする。
怒ったシャルルはスペインのサラセン人の本拠地サラゴサを陥落させ、マルシリウスとガンを捕らえて処刑した。 |
18〜19章 リナルドの死 |
ロンスヴァルで多くの勇士を失ったシャルルは気落ちし、残忍な息子シャルロの言いなりになってしまった。リナルドはそのシャルロの機嫌を損ねたことからシャルルの大軍に追われ、自らの城に篭城する羽目になった。だがシャルルの妹でもあるリナルドの母アヤのとりなしで和解への道が開き、その条件の一つとしてリナルドの愛馬バヤールをシャルロに譲ることが含まれた。リナルドはシャルルに逆らうことへの愚を悟りその条件を飲む。そしてシャルロはリナルドの目の前でバヤールを殺してしまう。
悲嘆に暮れたリナルドは地位を捨てケルンの修道院で生活を送り、教会建築を無心で手伝う。その真面目な態度が怠惰な労働者の恨みを買い、リナルドは彼等に撲殺される。 |
20〜22章 ユオン・ド・ボルドー |
シャルロの仲間でガンの従弟アモリーは、当主が変わったばかりのギエンヌ公爵領をシャルロに手に入れさせるためその若い当主ユオンを待ち伏せして殺そうとしたが、逆にユオンはシャルロとアモリーを返り討ちにして殺してしまう。怒ったシャルルだが許しを求めるユオンに、スルタン(イスラム教の君主)ゴーディソの娘に3回キスをし、ゴーディソのあごひげと4本の歯を持ってくれば許すと条件を出す。それを受けたユオンは早速アラビアへ出発し、妖精王オベロンの協力を得て任務に成功し、ゴーディソの娘クラムリンダと結婚する。
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23〜25章 オジエ・ル・ダノワ |
デンマーク王ジョフロワはシャルルの臣従の礼をつくすようにという要求に拒絶し、戦いとなった。しかし力及ばず敗戦し、長男のオジエを人質とすることになった。しかしオジエはナモや妖精の女王モルガナの庇護の下イスラムとの戦いで活躍する。それを快く思わないシャルロはオジエを侮辱するが、逆にシャルルにその発言を叱責されオジエに恨みを持つ。やがてシャルロのせいでオジエは窮地に立たされるが、十二勇士の年長者たちの協力で窮地を脱することが出来た(この数年後にユオンの事件が起きることになっている)。
そしてオジエが対イスラム軍の戦いで活躍し、船でフランスに帰る途中、モルガナの島にたどり着いてしまう。モルガナのもとで満ち足りた日々をすごしたオジエだがやはりシャルルの宮廷のことが気になりフランスに戻る。しかしそこに待っていたのは、カロリング朝が途絶え、カペー朝の初代王ユーグ・カペーの治めるフランス王国だった。そこでイスラム軍からフランスを救ったオジエだが、またもモルガナの魔法によって彼女の島へと移動させられ、姿を消した。 |