天使の鎧・・・天から舞い降りたエンジェルナイトが身に付けた伝説の鎧
天使の鎧
その鎧はかつて一人のエンジェルナイトが身に付けていた物だと言う。
天使の鎧の名の通り、属性は神聖系だった。闇から身を守る光の鎧。
クレリックの娘がそれに憧れていた。
いつか身に着けたいと望んで・・・願いが叶えられる。
身に着けたそれは身体にピッタリでまるで自分のために誂えられたような気がした。
天使の鎧、光の鎧、
着けているだけで身体も心も軽くなるような気がした。
不思議な気持ち、まるで世界が薔薇色に思えた。
鎧の後ろに天使の羽根が生えてパタパタと飛べそうな気がしていた。
何処に・・・?
周りの皆が声をかけた。
楽しそうね、嬉しそうねと・・・。
ええ、とってもとクレリックの娘ははにかんで答える。
あんなに嬉しそうに笑っていたのに・・・・・・。
エンジェルナイトなんて誰だってなりたくないのだ。
レベルが上がるたびに嘘の命が減っていく不条理。
土の匂いもお日様の温もりも水の冷たさも感じられない時間を過ごす。
無数のエンジェルナイトたち
人間だった娘たちの涙・・・・・・
天使の鎧は悲しすぎて・・・・・・
だからとてもきれいなのだ。
そしてみんな、身に着けたいと望む・・・・・・。
(2004.3.28)