デニムが宿に帰ってきた時、オリビアは窓辺に立って歌を歌っていた。
故郷の・・・子守唄だ。
素朴なメロディーがオリビアの口から静かにこぼれる。
デニムは黙って聞いていた。オリビアはデニムに気がつかず、歌い続ける。
その目は遠く、
思うのは懐かしい家族のことか、故郷の大地か・・・

遠く異国の地で旅を続ける。
かの騎士が命をかけて守ろうとしたものをこの目で確かめるために、
オリビアと2人で。

一人で祖国を旅立った自分を追いかけてきた水のセイレーン
驚いて、それでも嬉しくて、笑って、手をつないで・・・
触れ合う指先が温かかった。

これからも2人で旅を続けるのだろう。



オリビアの歌にデニムが声を重ねた。
振り返ったオリビアはデニムの姿に気がついて歌うのをやめた。

デニムが一人で歌を続ける。
いつしか歌は子守唄から別の歌に変わっていた。

オリビアが懐かしそうに笑う。

幼い頃、よくデニムや姉たちと歌った歌だ。ピクニックに行って、草原で輪唱した。

歌声は窓から外に、ゼテギネアの空に・・・


太陽が西に沈む。
その先にある祖国。

空が赤く染まる。
ヴァレリアの流した血のようだとデニムは思った。



そして夜の帳が下りて、恋人たちは愛を囁くのだ。



意味不明・・・
仕事が忙しくて更新できなくて(子供熱出してますます絵とか描けないし)
とりあえず何かをと思って思いつくまま言葉を並べてみました。(2003.5.17)