仮面貴族
ミル・マスカラス
昭和の伝説は平成のリングでも現在進行形!!
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「マスカラス・・・あぁーマスカラス・・・マスカラス・・・」
7・20全日本プロレス日本武道館大会後の夜、私はマスカラスのことが頭から離れず、夜も眠れなかった。かっこいい入場シーン、シャレたデザインのマスク、そして華麗な空中殺法・・・。おかげで次の日に寝坊してしまい、私は部活を遅刻してしまった。
7・20の全日武道館大会の目玉、それは間違いなく「武藤敬司の三変化」だった。武藤敬司、黒師無双、そしてグレート・ムタの日本復活。この三人(?)のファイトが1日で見られるのはこれが最後だろうと、沢山のファンが会場に足を運んだはずだ。もちろん、私も「三変化」のうちのグレート・ムタが楽しみで楽しみで仕方がなかった。ところが・・・
「三変化」のひとつである武藤敬司は、第五試合の6人タッグマッチに出場、相手はブッチャー(!!)、愚乱浪花、グラン浜田、パートナーは、ドス・カラス、そして、あの伝説のレスラー、ミル・マスカラスだった!! ミル・マスカラスは、華麗な空中殺法と、テーマ曲「SKY HIGH」による入場シーンにより、社会現象を巻き起こした昭和のスーパースターだ。彼が来日した時の大会のパンフレットでは、当時活躍していたジャイアント馬場さんや、ジャンボ鶴田よりも大きく写真が載せられていたり、映画に出演して堂々と主役を演じるなどの人気ぶり!!今でも、マスカラスのグッツがメインのグッツショップが沢山あるほどだ。そんな昭和のスーパースターが、平成のスーパースター、武藤とタッグを組む・・・。考えただけで胸が躍る。
武道館全体にあの「SKY HIGH」が流れ出す!!その瞬間、武道館全体が嵐のような歓声にあふれる。テーマ曲が流れただけで、会場が揺れるのだ。そして、テーマ曲にのりながら弟のドス・カラスと共に、仮面貴族・ミル・マスカラスが入場する。会場のボルテージはさらに上昇するのだった。
試合開始のゴングが鳴った!フライング・クロスチョップ、兄弟そろっての合体殺法・・・。ムッチョな逆三角形の体が宙を舞うたびに、観客が狂喜し、武道館に歓声の嵐が吹き荒れる。普段、自分のオーラで相手を呑み込んでしまう武藤が、この日はパートナーのマスカラスのオーラに呑みこまれているような気がした。そして・・・
なんと!!マスカラスと武藤が、ブッチャーに向けてダブル・フライング・クロスチョップを決めたのだ!!仮面貴族と閃光魔術師が夢の編隊飛行!!この瞬間、会場のボルテージが最高潮に達した。そして、ドス・カラスのパワーボムが浪花に決まり試合は幕を閉じた。
全日本プロレス日本武道館大会第五試合。それは、長州力対橋本真也のような激しい試合でもなければ、獣神サンダーライガー対グレート・サスケのようなスピーディな試合でもなかった。そこにあったのは、昭和の少年達を魅了した、「古き良き時代のプロレス」だった。60歳を越えた体で、それを演じたミル・マスカラスは、「武藤敬司の三変化」よりも、私に大きな感動を与えたのだった・・・
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