クリ(栗)

ブナ科(クリ属)



馴染みの深い木ですがクリの実は知っていても、山に生えているクリの木とクヌギの木を見分けるのは結構むずかしいです。
特に葉を落としている冬場は戸惑います。
そんな時はじっくり春まで待ち葉の様子を見ます。クリの鋸歯は鷹のつめのように曲がっています。クヌギのそれは真っ直ぐ尖っています。
幹もクヌギの方が縦割れが深く全体に野武士のような力強さを感じます。
もっと気長に実を付けるまで待てば一目です。
1年をかけてじっくり答えを出すのもまた楽しみがあります。

昔といってもそれほどでもないと思います。
クリの木は大きな木が山にたくさんあったそうです。線路の枕木や炭鉱の支柱に大量に使ったそうですから本当にごく普通に生えていたのでしょう。個人的な事ですが、私の田舎の家の梁はクリの木を使っていると聞いたのはつい最近の事でした。おじいさんが山で見立てて立ち木を切って利用したそうです。大袈裟な家ではないのですが、それほど身近は木だったのでしょう。

クリの葉(表)
クリの葉(裏) 2008.02.23.
冬芽
2008年6月15日
知人の庭木

クリの雌花と雄花です。
初夏、雄花が目に付きますが、たまたま
いい塩梅に枝が見れますと、雄花と雌花を
一緒に観察できます。
上部の丸い棘棘の花が雌花です。
すべての花に付いているわけではありません。
花は半分近くが落下していました。

北海道南西部から本州四国、九州なで広く分布する落葉高木、高さ20mになる。
クリの実で野生のものは「シバグリ」と呼ばれ、「タンバグリ」など地方の名前を付けたクリで観光地でよく売られています。
ほとんどが栽培された木です。私のふるさと「九州」でも村おこしの有力な商品になっています。
囲炉裏や薪風呂があれば焼いて食べるのが一番美味しいように思います。次に栗ご飯でしょうか。
下ごしらえがちょっと大変ですが、苦労して皮を剥くといっそう味が引き立ちます。

万葉集
0802  瓜食(は)めば 子ども思ほゆ 栗食めば まして偲はゆ
 いづくより 来りしものぞ 眼交(まなかひ)に もとなかかりて
 安眠(やすい)し寝(な)さぬ
1745  三栗(みつくり)の那賀に回(めぐ)れる曝井の絶えず通はむそこに妻もが
1783  松返りしひてあれやも三栗(みつぐり)の中すぎて来ず待つといへや子
 松返りしひてあれやは三栗(みつぐり)の中上り来ぬ麻呂といふ奴・・・・・・古典文学全集 小学館より
 三栗→クリノキ→ひとつのイガの中に実が三つあるもの。
       余談・・・ひとつ「栗」、7,8個あるものを「箱栗」

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