タブノキ(椨) クスノキ科(タブノキ属)

2002.05.02.英連邦墓地

新芽の芽吹きはまるで赤ちゃんの「手」のように柔らかく弾力がありほどよい艶があります。
古い葉と新しい葉の対象が独特です。
常緑樹の中ではこの春先の葉の出方が際立っていますので名前も憶えやすいと思います。

2002.06.02.永田東

手前にガードレールがあり、後ろは石垣です。この状況から推測すると、植栽された木ではなくもともと幼木の時からここで育ったのでしょう。出会って25年ほどになりますが、春に赤みがかった若葉が枝先にいっせいにでます。名前を知りたくて図鑑で調べた記憶があります。いつまでこ の姿を保つでしょうか。

先日、この木の持ち主と話をする機会がありました。昭和29年に15cmぐらいの苗木を庭の隅の山肌に植えたそうです。当初は道路も整備されてなく、山だったそうです。
すると約80年ぐらいの樹齢になります。

葉は透かすと細かい網脈まで良く見えます。
左下の丸い印はタバコの火を押し付けた跡です。
※死環を調べたのですが、やはり不明瞭でした。
※葉の表面か裏面に、たばこ、蚊取り線香の火を押し付けると黒い環がつく木があります。

2002.06.23.千葉金谷にて
南区で実の写真を撮る時期を逃してしまいました。
上記で代用です。
ちょうどサルの食事時で美味しそうに食べていました。照葉樹林を形成する代表的な「木」再認識しました。
2005.06.19.
ムクドリが集団で集まり朝食をとっていました。

画像の追加2009.11.21
2009.03.28 南区お寺 2009.03.28 左に同じ


別名をイヌグスといいます。クスノキに較べて材がすこし劣るからと言われています。常緑高木で、太い枝を張り出してたくましい姿になります。葉を手で揉むと強いにおいがします。材は、家具、建築、今はなつかしくもちつきの「臼」に利用されました。

本当は由緒ある大変な樹木です。
日本書紀の記述に 『杉及び櫲樟、此の両の樹 以って浮宝とすべし
『櫲』はタブノキのことでクスノキに較べて耐寒性があり朝鮮半島にはたくさん有り古来船材として大切に使われました。


磯の上の都万麻(つまま)を見れば根を延へて年深からし神さびにけり
                                 万葉集 巻19 4159  大伴 家持
たぶの木のふる木の杜に入りかねて 木の間あかるきかそけさをみつ
                                               折口 信夫

葉や樹皮から線香を固める※糊料に利用。http://www.baieido.co.jp/okou/genryo.html
八丈島では樹皮を※黄八丈(きはちじょう)の染料とする。http://www.f2.dion.ne.jp/~juni/

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