イロハカエデ(イロハモミジ)
(伊呂波楓)

カエデ科(カエデ属)


2002.05.13.英連邦墓地

実がついています。カエデ科に共通する特徴は、長い柄と葉が対生することです。もう一つ果実に2枚の羽がつきます。子どもの頃に遊んだ竹とんぼそっくりです。

イロハニホヘトで葉が7裂ときに5裂が名前の由来。
別名 タカオモミジ

素朴な疑問ですが「カエデ」と「モミジ」どう違うのでしょうか?

2001.12.英連邦墓地

2本とも、墓地の中で印象深い木です。毎年見つづけています。

やはり秋の紅葉は、楽しみのひとうです。自然の中の重層的で複雑な紅葉とは違った趣があります。


ちょっと調べてみました。

カエデ科

 主として北半球の温帯に多く、世界に2属約100種がある。葉は対生、単葉または複葉、托葉はない。果実に羽があり、熟すと風に乗って飛んでゆく。日本にはカエデ属だけがある。

カエデ属

 落葉またはまれに常緑、高木もあり低木もある。複葉または単葉、単葉の多くは、てのひら状に裂ける。約100種ほどが北半球の温帯に分布する。

 カエデ類は古くから日本各地に植栽されてきた。過度の乾燥をきらう種類なので、多くは谷間のような所に繁茂する。秋の紅葉は水とよく似合う。

 モミジの名は「紅絹地(もみじ)という赤い布」から、または「色が揉みだすようだ」からなどといわれています。

 カエデの由来は、「葉がカエルに似ている」といわれています。なんだか納得した様な妙な感じです。

  保育社、標準原色図鑑全集8「樹木」より、講談社、「樹木たちの歳時記」より


カエデの画像の追加(20110806)
20101211
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万葉集(20110806追加)
0016 冬こもり 春さり来れば 鳴かざりし 鳥も来鳴きぬ  咲かざりし 花も咲けれど 山を茂(し)み 入りても聴かず   草深み 取りても見ず 秋山の 木の葉を見ては   黄葉(もみ)つをば 取りてそ偲(しぬ)ふ 青きをば 置きてそ嘆く   そこし怜(たぬ)し 秋山吾(あれ)は
黄葉黄葉(特定の樹木に限らず紅葉した木の葉)
0047 ま草苅る荒野にはあれど黄葉(もみちば)の過ぎにし君が形見とそ来し
0137 秋山に散らふ黄葉(もみちば)暫(しま)しくはな散り乱(みだ)りそ妹があたり見む
0159 やすみしし 我が大王の 夕されば 見(め)したまふらし明け来れば 問ひたまふらし 神岳(かみをか)の 山の黄葉(もみち)を   今日もかも 問ひたまはまし 明日もかも 見(め)したまはまし   その山を 振り放(さ)け見つつ 夕されば あやに悲しみ   明け来れば うらさび暮らし 荒布(あらたへ)の 衣の袖は 乾(ひ)る時もなし
0196 飛ぶ鳥の 明日香の川の   上つ瀬に 石橋(いはばし)渡し 下つ瀬に 打橋渡す   石橋に 生(お)ひ靡ける 玉藻もぞ 絶ゆれば生(は)ふる   打橋に 生(お)ひををれる 川藻もぞ 枯るれば生(は)ゆる   なにしかも 我が王(おほきみ)の 立たせば 玉藻のごと   臥(こ)やせば 川藻のごとく 靡かひし 宜(よろ)しき君が   朝宮を 忘れたまふや 夕宮を 背きたまふや   うつそみと 思ひし時に   春へは 花折り挿頭(かざ)し 秋立てば 黄葉(もみちば)挿頭し   敷布の 袖たづさはり 鏡なす 見れども飽かに   望月(もちつき)の いやめづらしみ 思ほしし 君と時々   出でまして 遊びたまひし 御食(みけ)向ふ 城上の宮を   常宮(とこみや)と 定めたまひて あぢさはふ 目言(めこと)も絶えぬ   そこをしも あやに悲しみ ぬえ鳥(とり)の 片恋しつつ   朝鳥の 通はす君が 夏草の 思ひ萎えて
   夕星(ゆふづつ)の か行きかく行き 大船の たゆたふ見れば   慰むる 心もあらず そこ故に 為(せ)むすべ知らに   音のみも 名のみも絶えず 天地の いや遠長く   思(しぬ)ひ行かむ 御名に懸かせる 明日香川 万代までに   はしきやし 我が王(おほきみ)の 形見にここを
0208 秋山の黄葉(もみち)を茂み惑はせる妹を求めむ山道(やまぢ)知らずも
0423 つぬさはふ 磐余の道を 朝さらず 行きけむ人の   思ひつつ 通ひけまくは 霍公鳥(ほととぎす) 来鳴く五月(さつき)は   菖蒲(あやめぐさ) 花橘を 玉に貫き 蘰(かづら)にせむと   九月(ながつき)の しぐれの時は 黄葉(もみちば)を 折り挿頭(かざ)さむと   延(は)ふ葛(くず)の いや遠長く 万代に 絶えじと思ひて   通ひけむ 君を明日よは 外(よそ)にかも見む
0623 松の葉に月は移(ゆつ)りぬ黄葉(もみちば)の過ぎしや君が逢はぬ夜多み
1053 吾が大王 神の命の 高知らす 布當の宮は   百木盛る 山は木高(こだか)し 落ちたぎつ 瀬の音(と)も清し   鴬の 来鳴く春へは 巌には 山下光り   錦なす 花咲き撓(をを)り さ牡鹿の 妻呼ぶ秋は   天霧(あまぎら)ふ 時雨をいたみ さ丹頬(にづら)ふ 黄葉(もみち)散りつつ   八千年(やちとせ)に 生(あ)れ付かしつつ 天の下 知ろしめさむと   百代にも 変るべからぬ 大宮所
1094 吾(あ)が衣色に染(し)めなむ味酒(うまさけ)三室の山は黄葉(もみち)しにけり
1306 この山の黄葉(もみち)の下に咲く花を吾(あれ)はつはつに見つつ恋ふるも
1409 秋山の黄葉(もみち)あはれみうらぶれて入りにし妹は待てど来まさず
1512 経(たて)も無く緯(ぬき)も定めず未通女(をとめ)らが織れる黄葉(もみち)に霜な降りそね
1517 味酒(うまさけ)三輪の祝(いはひ)の山照らす秋の黄葉(もみちば)散らまく惜しも
1536 宵に逢ひて朝(あした)面なみ名張野のは散りにき黄葉(もみち)はや継げ
1554 大王の御笠の山の黄葉(もみちば)は今日の時雨に散りか過ぎなむ
1571 春日野に時雨降る見ゆ明日よりは黄葉かざさむ高圓の山
1581 手折らずて散らば惜しみと吾(あ)が思(も)ひし秋の黄葉(もみち)を挿頭(かざ)しつるかも
1583 もみち葉を散らす時雨に濡れて来て君が黄葉(もみち)をかざしつるかも
1584 めづらしと吾(あ)が思(も)ふ君は秋山の初もみち葉に似てこそありけれ
1585 奈良山の嶺のもみち葉取れば散る時雨の雨し間無く降るらし
1586 もみち葉を散らまく惜しみ手折り来て今宵かざしつ何か思はむ
1587 あしひきの山のもみち葉今夜もか浮かびゆくらむ山川の瀬に
1588 奈良山をにほふもみち葉手折り来て今夜かざしつ散らば散るとも
1589 露霜にあへる黄葉(もみち)を手折り来て妹と挿頭しつ後は散るとも
1590 十月(かみなつき)時雨にあへるもみち葉の吹かば散りなむ風のまにまに
1591 もみち葉の過ぎまく惜しみ思ふどち遊ぶ今夜は明けずもあらぬか
1604 秋されば春日の山の黄葉見る奈良の都の荒るらく惜しも
1628 我が屋戸の萩の下葉は秋風もいまだ吹かねばかくぞ黄葉(もみ)てる
1676 勢(せ)の山に黄葉(もみち)散り敷く神岳の山の黄葉は今日か散るらむ
1703 雲隠り雁鳴く時に秋山の黄葉(もみち)片待つ時は過ぐれど
1758 筑波嶺の裾廻の田居に秋田刈る妹がり遣らむ黄葉(もみち)手折らな
2183 雁がねは今は来鳴きぬ吾(あ)が待ちし黄葉早継げ待たば苦しも
2184 秋山をゆめ人懸くな忘れにしそのもみち葉の思ほゆらくに
2185 大坂を吾(あ)が越え来れば二上にもみち葉流る時雨降りつつ
2187 妹が袖巻向山の朝露ににほふ黄葉の散らまく惜しも
2188 もみち葉のにほひは繁し然れども妻梨の木を手折り挿頭さむ
2190 我が門の浅茅色づく吉隠(よなばり)の浪柴(なみしば)の野の黄葉散るらし
2198 風吹けば黄葉散りつつすくなくも君松原の清からなくに
2202 黄葉する時になるらし月内(つきぬち)のの枝の色づく見れば
2209 秋萩の下葉の黄葉花に継ぎ時過ぎゆかば後恋ひむかも
2215 さ夜更けて時雨な降りそ秋萩の本葉の黄葉散らまく惜しも
2216 故郷の初もみち葉を手折り持ちて今日そ吾(あ)が来し見ぬ人のため
2217 君が家のもみち葉早く散りにしは時雨の雨に濡れにけらしも


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