千英のひとりごと〜 Chie's words 〜

2004/1/10
舞い初め
 初春のお慶びを申し上げます。皆様、明けましておめでとうございます。天候に恵まれたお正月、いかがお過ごしだったでしょうか?
 お陰さまでこの千英ホームページも1周年を迎えることとなりました。ホームページを開きカウントが少しでも上がっていると嬉しく、このようなつたない文章を書き続けてくることができました。ありがとうございます。
 一週間後の18日には国立文楽劇場小ホールにて伊勢志賀山流16年度の『舞い初め』を開催させていただきます。今年は国立文楽劇場が日本橋にできて20周年、私たち志賀山流の舞い初めも第20回を迎える大切な節目の年となります。私にとりましても今年は大切な節目の年となりました。個人的なことで恐縮ですが、この6月に初めての出産を迎えます。新しい未来と希望と慈愛に満ちて感謝の気持ちでいっぱいです。これからどのような経験が訪れてくるのか楽しみでなりません。もちろん、またすぐに舞いはじめます。お腹の子はもうすでに踊っておりますが・・・。
 本年度もご指導ご鞭撻賜りますようよろしくお願い申し上げます。

平成16年 1月10日 千英
2003/12/17
備中神楽
 私は先日、奈良の大倭教拝殿という所で備中神楽を拝見しに伺いました。太鼓が100畳ほどの会場に鳴り響いて、舞が静かに始まると私は室町か鎌倉時代にタイムスリップしたような錯覚を感じました。
のっしりのっしりと歩く姿はとても素朴でそれは「ナンバ歩き」といい、右手右足、左手左足を同時に出して歩くのですが、江戸時代まで武士や町人もそのような歩き方をなさっていたとか。今となっては信じられないですね。その後西洋の文化が入ると同時に更新を見習って歩き方も変わってきたそうです。
 志賀山流の振りにはナンバが多く残っています。他の流儀にはあまりみられないでしょう。そして大国主命がひとさし舞い終えると、お供え物が皆に配られます。お年寄りも大人も子供も皆、小さな子供が大好きなものをもらう時のような目をして、大きく手を伸ばし、大国主命から撒かれたお餅やお菓子と一緒に福を授かろうと一生懸命です。そして次々と演目はつづき、松尾明神の酒造りは漫才を交えて面白おかしく進行します。太鼓をたたく人が明神に突っ込みを入れながら私たちの身近なネタをユーモアたっぷりに話をしてくれます。現在の漫才そのものです。それから最後に有名なヤマタノオロチ退治(大蛇退治の舞)のお話です。
 舞うということ、演ずるということ、そして落語や漫才など、今の芸能の原典なのだということを改めて感じ感動しました。
 この催しは毎年十一月の最終の土曜日に同じ場所で開催されるそうです。

平成15年12月17日 千英
2003/11/9
水道筋商店街
 私の最近お気に入りの場所― 水道筋商店街(神戸市灘区)

 昔から商店街が大好きで訪れるだけでウキウキしていました。水道筋商店街は今はそんなに活気があるとは言えない(失礼!)ですが、とても魅力のある街です。商店街の入り口には古道具屋さんがあって「本当にこんなの売れるのかいな・・・。」「うわぁ、こんなに可愛いランプがある!大正ロマンだなぁ。」「えぇ!これ売り物?どう見ても学校の校章なんだけど・・・。」そんなことを考えているだけであっという間に時間が経ってしまいます。そろそろ行こうとお店を出て歩いてゆくと、炭火で焼いた美味しい焼豚屋さん。タコ糸で形を整えて焼かれた豚肉がたくさん吊り下げられていて、「今日は4人だから。」と言うとお店の方が「じゃあ○○グラムにしときますね。」と言いながらはしっこをおまけしてくれるやり取りがまた楽しい。さらに進んでいくと、父がいつも買う豆腐屋さんの豆乳があり、お店の人が顔を見ると、「大将今日も砂糖抜きですなぁ。」と早速コップにそれを注いでくれます。そのすぐ先のお魚屋さんではまた「大将今日は何にしときましょう!」と声がかかる。「そしたら、どじょう焼いといて。」とお願いして、すぐ近くの温泉に向かいます。神戸市は比較的よい温泉が湧いていて、町のお風呂屋さんでも気軽に温泉を楽しむことができるのです。ここに来ると私は温かい家庭に迎えられ、帰ってきたような心地よい気分になります。
 以上私の最近お気に入りの休日の過ごし方でした。

平成15年11月 9日 千英
2003/10/9
芸術の秋、実りの秋
 芸術の秋、実りの秋となりました。いかがお過ごしでしょうか?この季節になるとうんと楽しみも増えて、あそこに行こうここも行きたいとウキウキするのは私だけでしょうか?
 私はできるだけ足を運んで舞台をみようと心がけています。舞台から放たれるあの緊張感と臨場感。申し訳ないけど、役者さんの精気をみーんな吸い取って意気揚揚と家に帰ります。でも私って、いかんいかんと思いながら「この舞台から学べること」を心の片隅で考えてしまうのですよね。だから、どういう意味であの色の照明をつかったのかしら?とか、あの衣裳は・・・?と考えてしまって、すこし疲れて帰るときもあります。しかし!そのようなことが全くないのが大好きな落語。話術にひきこまれて、気がついたら一番大きな声で笑っているのですよねえ。10月16日(木)於・国立文楽劇場「米朝・吉朝の会」を拝聴しにうかがいます。笑って笑って笑いまくるぞー!
 余談ですが、過日おもしろい本を頂きました。朱麻呂氏著の「何が何でも金運をよくする本」です。とても関西らしいタイトルでおもしろいという言葉が適切でしょ。その中から『お芝居やミュージカルなど、生の人間が行っているステージは大きな気を発生させ、それを観客は頂くことができます。ですからステージに近ければ近いほどパワーをもらえるのですからS席はやはりその点からも値打ちがあるのですよ。』との事。また著者は自分の気力がイマイチだなと感じたときは、宝塚に行くのですって。すごいパワーが頂けそうですね。この本はすぐに読むことができて、楽しいですよ。よければ書店でどうぞ。 発行 遊タイム出版 100円プラス税です。

平成15年10月 9日 千英
2003/9/2
新学期
 ゆかた会を楽しく過ごし新学期がいよいよ始まり、あぁ夏が過ぎていったなあと感慨にふけるのは私だけでしょうか?皆様は夏休みをいかがお過ごしだったでしょか?
 私は滋賀県に連れて行って頂きました。帰り道ふらっと信楽の里に立ち寄り、出合ってしまいました。輪島塗の茶筒の第二段!信楽焼きの花入れです。光をあてると釉薬のかかっている箇所が幾通りにもかがやき、その自然のもつ温かみに心を奪われました。今はその子の花台を製作中。家の中で紙やすりをかけると木の粉が空気中に舞い散りそれを掃除機で吸いながら汗をかきかき励んでいます。なんだか愛着がわくなあ。
 先日は某百貨店で毬栗を見つけ製作中の花台にふたつならんではります。これでしばらく楽しめそう♪来週の火曜日には南の稽古場の神社で鈴虫を分けてもらうんだ。感慨にふけるのはやめて秋を満喫しよっと! 「天高く千英肥ゆる秋」

平成15年 9月 2日 千英
2003/7/27
お祭りだ
 お祭りだ!血がさわぐ? 先日自宅マンションから天神祭りの花火を見ることができました。たっまやー! ドドンドンドン チリチンチリチンチリチンドンドン チリリリチチチチチチドンドン  「暑い〜ビールが飲みたい!」と例年ならそんなセリフも聞こえそうなものの、とても涼しくてなんだかちょっぴり風情に欠けるなあ・・・。
 そんなお祭り囃子の大好き千英さんは、8月3日大槻能楽堂に於きまして、第三回 望月太明蔵 望月太明十郎 お囃子 おさらえ会に出演させていただくことになりました。今日はその下合わせでした。(本番前に本番と同じように出演者がそろって、お稽古をすることです。)幕の開く前は(イメージ)、深呼吸をして精神統一。そして静かに静かにボルテージが上がってきて体中の血がさわぎます。よければ遊びにお越しくださいね。

平成15年 7月27日 千英
2003/7/3
さいきんこっていること
 最近私は、西国三十三箇所まいりをしています。それがなかなか楽しいのです。私の好きな風格のある古い古いお寺ばかりで、とても厳かな気持ちになります。先日訪れた、槙尾山・施福寺はなかでも洗練されていて、といっても整備された道もなく、ぼうぼうと茂る木立の中を傘をさしながらこけで足がすべるのにも気をつけて二十分ほど参道を登っていくと、それほど大きくもないお堂にたどり着きます。かえって私には高尚な気がいたしました。
 余談で、その次に藤井寺の葛井寺にお参りに行ったのは、閉門の五分前!慌てて駐車場を探していたら、門前の葛屋のおじさんが、「もう閉門の時間だから、ここにおいて早くお参りにいってらっしゃい。」と駐車スペースを確保してくださいました。申し訳なく思い帰りにわらび餅を買って帰ったのですが、お世辞抜きでこれがうまい!またお越しの方がいらっしゃいましたらどうぞ。

平成15年7月3日 千英
2003/6/1
北海道旅行記
 大阪はむしむししてきましたね。皆様いかがお過ごしでしょうか? 私は5月の末お休みを頂いて、北海道の義姉の元へ遊びに行ってまいりました。飛行機から北海道を見おろすと、黄色い無数のお花が咲いていて、何だろうと降りてから注意して見てみると、それはなんとタンポポでした。あんなに小さな命がひかり輝く姿はとても感動的でした。それから一週間色々な場所に連れて行っていただいたのですが、とても思い出に残っているのは富良野。あの「北の国から」で有名な富良野です。残念ながらまだラベンダーは咲いていなかったのですが、大雪山や十勝岳に雪を頂いてそびえる様は壮観!!それから十勝岳にのぼり、元湯(温泉)に入りました。白いものがうようよ浮いていて、姪っ子を抱いていた私は一瞬たじろぎましたが義父に聞くと、濾過もなにもしていないこの状態が本物の温泉なのだそうです。でも一瞬のたじろぎもその景色を見て吹き飛びました。風呂の下は断崖絶壁、目の前は雪を頂いた十勝岳。大自然ですよねえ。そしてとても素敵な経験をしたのは義姉の家の裏山への朝食前のお散歩です。そこには三つ葉や山蕗やコゴミ(ゼンマイの一種)など多数の野草が生い茂っていました。朝食には三つ葉やその他のおひたしが食卓を飾りました。とても青臭くて、にがいくらいなの。でも土から栄養を頂いたという気がしました。
 今回は私の紀行思い出日記のようになりましたが、さーっと読み流してね。

平成15年6月1日 千英
2003/5/8
連休
 五月晴れという言葉のふさわしいこの連休でしたが、いかがお過ごしでしたか?
 私は五月の初めごろに、楓の木に種子をつけているのを初めて見ました。新緑にほのかに赤く色づいた二枚の花びらのようなものをつけていて、風にゆらゆらとゆれるさまはとてもゆかいでした。そのうちに種子は散るのですが、そのさまは風にのって高く飛ぶ竹とんぼのようなのですって。ひれは見逃したかもしれないナァ。
 しかし連休中はこれでもかという程よく遊びましたが、ほんとうにたくさんの人でしたね。私の大好きな某師匠が、ある晴れた日曜日、最高のお花見日和に吉野山に出かけられたそうです。それで「よう見えたナァ。人の尻が。」(失礼)とおっしゃっていました。なにはともあれ、自然を愛する人の心は皆一緒なんですよネ。

平成15年5月8日 千英
2003/4/12
花咲く美しい季節
道に色とりどりの花咲く美しい季節となりました。
心まで清清しくなるようです。いかがお過ごしでございますか?
四月は樹木が新芽をつけるように、つぼみが花を開かせるように、新しく誕生する季節ですよね。新入生もそうですし、新入社員もそうかな?
新しくといえば、私は今月の文楽催しの、吉田蓑太郎改め 三世桐竹勘十郎襲名披露公演を鑑賞しに伺います。私はこの襲名披露ときくと、わくわくドキドキしてしまうのです。襲名なさる方のこれからの大いなる希望や、初心にかえってという謙虚な心や、それにともなう緊張感を肌に感じるような気がするからです。考えすぎかしら?私の大好きな桂吉朝さんの案内する文楽と言うことで、それもとても楽しみです。

平成15年4月12日 千英
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