一概に「シスタープリンセス」と言えども、キャラクター設定を軸に連載小説、ゲーム、アニメは異なる世界を構築している。
その差異は極めて小さく、余程慣れないと気が付くものではない・・・と思う。
その世界観を一纏めに扱うのは、非常に暴力的である。
・・・が、明らかに異なる部分はさて置き、似て非なる程度なら注釈を添えて同列扱いとする。
シスタープリンセスは、電撃G's-magazine誌上で読者参加企画として第1部を1999年3月号から開始された。
読者参加企画の為にキャラクター紹介としてイラストに多少の文章を添えて掲載された。
当初9人しかおらず、帰国組の亞里亞嬢、春歌嬢、四葉嬢は2000年2月号で発表された。
同時に、プレイステーションでのゲーム化も発表された。
引き続き第2部が2000年3月号から開始され、追加された3人の妹を含めて12人の小説風絵本として2001年4月号まで展開された。
第3部は2001年5月号から、妹間の交流の描写も追加され2002年4月号まで続いた。
第4部は2002年5月号から2003年8月号まで。 現在進行形の独白型ではなく、お兄ちゃんへの手紙と言う形式を取り、シリーズの締めを飾った。
TVアニメ「シスタープリンセス」は、2001年4月に放送を開始した。 後にプロミストアイランド編と呼ばれる。
キャラクターの基礎情報こそ変わらないが、後にも先にも無い独自の世界観を持っている。
主人公の兄・海神航(みなかみ・わたる)のヘタれっぷりが当初懸念されたが、紆余曲折の末の成長物語でもあった。
全26話。
TVアニメ「シスタープリンセスRePure.」は、2002年10月から放送された。
前半15分「ストーリーズ」と呼び前作プロミストアイランド編を受け継がない、小説寄りの設定に変更され、兄もまた変更された。
後半15分は「キャラクターズ」と呼び、12組のスタッフによるキャラクターコレクションよりのオムニバス。
出来は悪くないのだが、迷走振りを伺わせる作品でもあった。
全13話。
全て書き下ろし(!!)。
小説の12人の妹には、12人の兄がいる。
ゲーム化により一人の兄に統合されたが、本来彼女達に面識はない。
それ故か、彼女達12人姉妹の間に年上と年下の概念は極めて薄い。
更に、公式設定において彼女達の年齢は公表されていない。 恐らく作業用の非公開設定はあるだろうが、視聴者は彼女達の挙動で推し量るしかない。
ゲーム版:2月15日:白雪特製七色みぞれ鍋デザート(ダイヤモンドダストまんじゅう)付き。 固形燃料も付いている。
密かに、大食い。
ゲームでは、にいさまの為に新しい料理を開発しようと話題の店を食べ歩くのだが、一度に数件ハシゴする。 しかも、全てあっさり完食。
同伴したにいさまの方が完食に苦労した。
普段は、小食。
妄想娘。
可憐嬢の上を行き、クラスメイトにもすっかり認められている。
しかもにいさまにキスをしてもらう妄想をしたままベッドに入ったら、翌日ほてって熱を出した。
料理全般が得意だが、基本は洋菓子。
毎日自宅でも作っていて、大量に余らせている。
にいさまは当然、母親や友人達にも配るがそれでも大量に余らせてしまい、あろう事か、ペットのウサギ(!!)のショコラちゃんにもあげて処理していた。
しかし後日、自宅近所の保育園に持って行くと言う解決策を得る。
しかしその保育園でオマセさんに告られて、まんざらじゃない白雪嬢。
その場に(何故か)訪れたにいさまに、オマセさんが「お姉ちゃん(←白雪嬢)大事にしなかったら許さない!」宣言して泣いて走り去ると言う、甘酸っぱい青春物語(笑)。
男にとって、料理上手と言うのはポイント高いですなあ。
しかし、ファン投票では万年最後尾グループ。
ナチュラルに色気付いていて、語尾に「〜♥」か口癖の「〜ですの」が付く。
さらにプロミストアイランド編では、それが行動で出ている。
嬉しそうにオシリを振りながら料理している。
しかしその一方で「えっと・・・卵が7つありました、ケーキを作るのに2個と半分を使って、残りの卵が4つと半分・・・うーん・・・どうしましょう、なんだかちっともやる気が出ないわぁ〜・・・。」(原文ママ)と言う描写がある。
自分で理解しやすく食材に置き換えたにしても、数学らしさは匂って来ない。 どう考えても算数。
小説が進行するリアルタイムで、マダム・ピッコリと言うご近所のフランス人の老未亡人が開いているお菓子教室に通う。
しかし取り上げられたエピソードはバターやクッキー生地の温度管理の再入門らしく、白雪嬢は全力で本気なものの、知らない訳がない内容。
さらに、白雪嬢視点なのでマダムの心中までは推せないが、白雪嬢のにいさまの話を聞きたがったり若い頃の自分と良く似た顔の青年の写真を飾っていたり「小さな2人のラブを応援します」(原文ママ)とか積極的に応援したりと、つまりそうなのか、と言うお人。
RePure./キャラクターズで映像化している。
アニキ!
一緒にパソコン見に行かない?
もしアニキが援助してくれたら・・・
アニキHP作っちゃうよっ♥
メカ娘。
祖父の影響で、機械系に強い。
ソフトウエア系や化学系もたしなむ様子だが、あくまで機械系の補助らしい。
小森さんと言う、ロングヘアでメガネな(クラスメイトだが)妹希望のスールがいる。
サッパリしたその性格が同性人気に繋がっている訳だが、鈴凛嬢自身は非常に困惑している(笑)。
家事全般、掃除料理洗濯が苦手。 特に掃除。
そんなではアニキに見限られる・・・と言う不安が、若干ある。
不安はあるものの、飽くまで欠点の補強は得意分野の機械で・・・と、自作するも良い結果は出ていない。
もっとも、他の妹達には占い程度の認識、と言う解釈が最も正解なのかもしれない。
確かに、年端も行かぬ少女達がそろってジプシーの呪術や星の暦に詳しかったら恐ろしいモノがある。
やあ、兄くん・・・・・・。ん、顔に
死相が出てるじゃないか・・・・・・。
ふむ、私も初めて見たよ・・・
美しいな。
プロミストアイランド編のキャラクター紹介では「占い好きの女の子」みたいに説明されているが、実際その本編で複数回転生して現世に辿り着いた事を取り扱い、それも当時恋人だった兄くん(転生前の記憶は完全に失っている)を追い掛けての事であって、とてもじゃないが占い好きでは収まらない。
魔女と言う呼称が最もよく似合う妹。
アニメ版では、その辺り兄妹だった事はぼやかされている。
ただ、戦死した兄くんを追って服毒自殺して追い掛けてきたものの、永遠に結ばれないと言う呪いも受けたらしい。
兄くん、キミは常に千影たんに監視されてますよ・・・(引きつり笑い)。
正直、萌えを超越した凄まじいモノを感じるのだが・・・。
幼少時、酒瓶持っていた小人の王様を助けた事から大好きな人をリアルタイムに覗ける水晶球を貰う。
プロミストアイランド編では12人(+1人)と兄の個室の詳細設定がしっかり出来ているが、彼女の個室には生活感が全くない。 強いて言えばイスとテーブルがあるが、タロットカードと水晶球の為にしか使われていない。 描写はあるもののベッドの設定はなく、どう寝ているのか、実に謎。
RePure./ストーリーズでは、パジャマを選ぶ花穂嬢にそっと耳打ちで自分のパジャマを教えると花穂嬢が顔を赤らめていたが・・・そのパジャマ姿は出てこないし、寝床も出てこない。 個室は、石打(大理石ではなさそう)の床でテーブルとイス以外は本棚と燭台、あと不自然に小物置きがあるだけ。
ゲームでは影千代と言う使い魔を飼っている。
特に細かい描写は無いが、飛ぶからには鳥類らしいのでカラスと思われる。
こうして兄君さまに
お仕えするのが夢でした♥
ワタクシ、せいいっぱい兄君さまを
お守りいたしますわっ!
白雪嬢の上を行く、妄想娘。
妄想もすごいが、根本的に天然。
再婚してドイツに嫁いだ祖母の元に預けられ、日本人より厳しい日本人教育を受ける。
幼少時に奉公に出ていたような世代の祖母だけに、春歌嬢に唄に踊りに草書まで教え込む。
・・・と言うか、奉公に出ると言うのはそれなりの経済状態だと言う事であって、どうしてそんな文化程度なのかと疑問に思わないでもない。
プロミストアイランド編では武芸の稽古と称して、庭先で刃の付いた薙刀を振り回し練習している。
感情が高まると頬が染まる音「ポ」を声で発するが、更に感情が高まると「ポポポポポ」と連発する。
アニメ版では、これが声付きで激萌え!!!
兄チャマの秘密は四葉がみーんな
チェキしちゃうんデス!
兄チャマのハートも・・・
四葉がチェキよぅっ♥
英国からの帰国子女。
英国帰りだから迷探偵・・・いや名探偵・・・と言うのは、非常に解せない。
とにかく、おっちょこちょい。
注意力散漫の自爆型天然ドジ娘で、被害が当人だけで済む花穂嬢と違い、周囲を混乱に巻き込む困った妹。
プロミストアイランド編では、ワトソン君と言う玩具を大事にしていた。
賑やかな性格なのだが、ワトソン君に喋りかけている様は、本当に寂しい。
その性格な割に注意力散漫なせいで、恐らく英国時代にも友人は少なかっただろう。
仮装が好き。 本人は変装のつもりだけど。
プロミストアイランド編では「美少女仮面クローバー」を名乗るも、一瞬でばれる。
つーか、クローバーは無いだろう、と言うか。
さすが、自爆型天然妹。
小説では、兄チャマをピクニックに誘う手紙に暗号処理をして送り付け、約束の時間に来ないので兄チャマの家に出向いたら暗号が解けず弱り果てていたので自分で簡単に解こう・・・とするものの、キーを忘れたか四苦八苦してしまい、分かった時に嬉しさのあまり本文と一緒に署名まで読み上げてしまう。 以後、暗号は禁止に。
余談ながら、その手紙の封筒には赤いロウと四葉の「Y」の字で封印を施していた。
しかしそれ以外の味覚は極端に苦手で、健康の為に仕入れた日本のフルーツ「ウメボシ」は刺激が強くて食べられなかった。
と言うか、その直前にレモン飴が食べられなかったのだから、困難なのは当然。
筆者もやってみたい・・・。
亞 里 亞 は 兄 や と い つ も
一 緒 に い た い の に 、
い つ も じ い や は ダ メ っ て 言 う の ・ ・ ・ ・ ・ ・
く す ん 。 早 く 兄 や に 会 い た い で す !
マイペースでスローな独自の世界が余りにも過ぎていて、端的に言ってしまうと障害持ちではないかと陰口さえ叩かれる、不憫な少女。
実年齢は雛子嬢より高そうだが、精神年齢は遥かに低い。
病的なまでの甘党で、しかも洋菓子派。
ミルクティーには砂糖4杯入れるらしい。 想像を絶する。
どうせなら、砂糖漬けにすればいいのに。
しかしフランスでの家族構成は一切不明で、帰国後広い屋敷に多くの使用人と共に一人で住む。
身の回りの世話は、主に「じいや」と呼ばれる妙齢のメイドさんにしてもらっている。
そのじいやさんはそう呼ばれるのが嫌でそう主張するも、亞里亞嬢にとって自分の世話をしてくれる人が「じいや」なので、何がダメなのか分かっていない。
前任のじいやは「お髭のじいや」で、実際に老人だった。
亞里亞嬢はよく怒るじいやが嫌いだが、優しいじいやは大好き。
亞里亞嬢視点ではいつも怒っている怖い人なじいやだが、どれも亞里亞嬢の教育の為で、とても真っ当な理由。
その飛行機と言うのが、「お顔のとがった、大きな大きな飛行機さん♥」(原文ママ)。
ミルクティーで汚れたティースプーンで砂糖をすくってシュガーポットの中をベトベトにしたり、食事の時に甘いものだけ選んで食べて他を残したり、お歌のレッスンを嫌がったり、「兄やとじいやととりかえっこしてください♥」(原文ママ)と言ったり。
どれも、じいやさんに怒られて当然。
おしりを叩かれる事もあるらしい。
フランス時代の幼少時(と言ってもまだ幼いので、数年程度と思われる)、まだ見ぬ兄やに会いたくてパーティに来ると言う「でっぷりお腹にちっちゃなおひげのダイジンさん♥」(原文ママ)にこっそり電話で頼んで、屋敷の庭先に飛行機を乗り付けさせる。
それって、コンコルド・・・。
大時代趣味もここまで来ると、いやはやとしか。
ちなみにその日の前日は使用人総動員の大掃除が屋敷内で繰り広げられる。