資料−原子力開発関連の用語集
(Glossary of Nuclear power development)

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 ■日本の現状(Current state of Japan)

 世界で唯一原爆を浴びた日本人は嘗ては原子力アレルギーなどと言われましたが、その原爆の原理を制御して利用する原子力発電は現在の日本の総発電量の約30%を供給して居ます。

 ■用語集(Glossary of Nuclear power development)

  ・原子力(atomic energy)は、核分裂核融合の際、放出されるエネルギー。原子核内の陽子と中性子とを結び付けて居るエネルギーに由来し、化学反応の際のエネルギーに比べて桁違いに大きい。原子エネルギー。原子核エネルギー、核エネルギー。

  ・核分裂(nuclear fission)は、ウラン/トリウム/プルトニウムなどの重い原子核が、中性子などの照射に依って略同程度の大きさの2個の原子核に分裂する現象。1938年ハーンらが発見。この際、大きなエネルギーの放出を伴い、これを用いて原子爆弾原子力発電が開発された。原子核分裂

  ・核融合(nuclear fusion)は、水素/ヘリウム/リチウムなどの軽い原子核が融合して重い原子核になる原子核反応。その際、中性子などと共に大量のエネルギーを放出する。恒星のエネルギー源水素爆弾はこれに基づく。熱核反応。融合反応。

  ・原子力発電(nuclear power generation)は、原子核エネルギーを利用して発電すること。現在では、原子炉の中の核分裂反応に依り発生する熱エネルギーで蒸気を作り、蒸気タービン発電機で発電する方式が採られて居る。濃縮ウランなどの核燃料は従来の熱源より遥かに大きなエネルギーが得られ、一度装入すれば長期間使うことが出来る。今日では、火力・水力と並ぶ重要な電力供給源の1つと成って居る、安全性に対する疑問や放射性廃棄物処理など、未解決の問題も多い。<出典:「学研新世紀ビジュアル百科辞典」>

  ・原子炉(nuclear reactor)は、ウラン235/プルトニウム239などの核燃料を用い、原子核分裂の連鎖反応を制御し乍ら持続させる様にした装置。使用する減速材に依り天然ウラン黒鉛型軽水型に大別され、後者には加圧水型(PWR)沸騰水型(BWR)とが在る。目的に依り、研究用/発電用/船舶などの動力用/医療用などが在る。

  ・炉心(reactor core)とは、[1].炉の中心部分。
 [2].特に原子炉の中心部分で、実際に核分裂連鎖反応が起きて居る部分。核燃料減速材冷却材制御棒などから構成される。
<出典:一部「学研新世紀ビジュアル百科辞典」より>

  ・炉心溶融/メルトダウン(melt down)とは、〔理〕原子炉で、炉心の核燃料が融点を超えて熔融する重大事故

  ・核燃料(nuclear fuel)は、核分裂に依って多大のエネルギーを出し、原子炉の燃料として使用される物質。ウラン235/ウラン233/プルトニウム239などの放射性元素を多量に含む。原子燃料。

  ・減速材(moderator)とは、原子炉中に在って、核分裂に依って発生する高速中性子を減速し熱中性子にする為の材料。熱中性子は燃料物質に吸収され易く連鎖反応を起こし易い。軽水/重水/黒鉛/ベリリウムなど。<出典:一部「学研新世紀ビジュアル百科辞典」より>

  ・冷却材(coolant)とは、原子炉の炉心を冷却し、熱を取り出すのに利用する流体軽水/重水/ナトリウム/ヘリウム/空気などが使われる。

  ・制御棒(control rod)とは、原子炉で、核分裂に依る連鎖反応が適当な割合で進む様に炉中へ出し入れする棒。熱中性子を強く吸収するカドミウムホウ素(硼素)を多く含む。

  ・臨界量(critical mass)は、核分裂性物質が連鎖反応を持続出来る必要最低限の質量臨界質量。<出典:「学研新世紀ビジュアル百科辞典」>

  ・放射性元素(radioactive element)は、放射能を持つ元素。天然に存在するものはウラン系列/アクチニウム系列/トリウム系列の諸元素など。人工的に作られるネプツニウム系列の元素もこれに属する。超ウラン元素は全て人工放射性元素である。

  ・放射性物質(radioactive substance)は、放射性元素を含む物質の総称。
 補足すると、原子炉内ではウランの核分裂で放射性ヨウ素のヨウ素131(半減期8.06日)とヨウ素133(半減期20.8時間)が多量に生成されるので、事故時には重要な注目元素と成ります。

  ・超ウラン元素(transuranium elements)とは、ウランの原子番号(92)より大きい元素の総称。現在知られているものは、原子番号93から109までの17種類で、全て人工放射性元素ネプツニウム(原子番号93)やプルトニウム(同94)など。

  ・半減期(はんげんき、half-life)とは、放射性元素の崩壊に因り原子数が半分に減る迄の時間で、元素固有の定数。ウラン238は45億年、プルトニウム239は2万4千年。

  ・原子爆弾(atomic bomb)は、ウラン235・プルトニウム239などに核分裂反応を爆発的に行わせた時に発生する熱線・衝撃波・各種放射線で殺傷・破壊する爆弾。1945年8月ウランを用いたものが広島に、プルトニウムを用いたものが長崎に投下され、大惨害を齎した。略称、原爆

 ■過去の原子力発電所の大事故(Important accident of nuclear plant)

  ●原発事故の深刻度の評価

  ・国際原子力機関(International Atomic Energy Agency, IAEA/IAEA)は、国連の機関の一。原子力平和利用促進の為に1957年設立核拡散防止の役割も担う。本部はウィーン。<出典:広辞苑>

  ・国際原子力事象評価尺度/国際評価尺度(International nuclear incident evaluation scale, INES/INES)とは、原発事故・故障情報を一般の人に理解し易くする為に作られた評価尺度。IAEAとOECDのNEAが検討、1992年3月に各国に採用を提言した。経済産業省も日本独自のものに変えて採用。尺度はレベル0〜レベル7迄に分類され、数値が大きい程深刻且つ重大。

  レベル0  :安全上重要で無い事象
  レベル1〜3:異常な事象
  レベル4〜7:「事故」に相当。

 分類の基準は、

  [1].発電所外に放射性物質が放出された場合の影響
  [2].発電所内での従業員がどの程度放射線を受けたか
  [3].原発の安全システム機能がどの程度損なわれたか

の3基準。我が国でのトラブルは殆どレベル0に成るので、0プラス0マイナスに細分化した。「もんじゅ」の事故は0プラス。東海村臨界事故はレベル4。<出典:「現代用語の基礎知識(2004年版)」>

  ●過去の重大な原発事故

  ・スリーマイル島(Three Mile Island)は、アメリカ東部、ペンシルヴァニア州ハリスバーグ市のサスケハナ川に在る島。1979年3月同島の原子力発電所加圧水型炉で炉心の半ばが溶融する事故が発生、放射能が外部に漏れた。事故の国際評価尺度は。<出典:一部「現代用語の基礎知識(2004年版)」より>

  ・チェルノブイリ(Chernobyl)は、ウクライナ共和国の首都キエフ北方の地名。1986年4月、同地の原子力発電所4号炉で、炉心の爆発・溶融破壊、建屋破壊事故が起き、推定数億Ci(キュリー)の放射能が放出。多数の死者 −事故直後に31人、ウクライナで4400人、事故処理作業員5万5000人− が出、欧州諸国など世界各地へ放射能汚染を齎し、牛乳・肉・野菜などが汚染。事故の国際評価尺度は。残る3基の発電炉も含め2000年中にこの発電所は閉鎖。<出典:一部「現代用語の基礎知識(2004年版)」より>

    (以上、出典は主に広辞苑です)


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