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剣は、いかにして振るべきか


PS2の「」というゲームです。
いやあ、驚きました。
このタイトル、知ってる人いないんだものなぁ。

「天誅」という、忍者アクションゲームを出してる、
「アクワイア」という会社が、スパイクから出したゲームです。

舞台は、明治10年、武士が駆逐されていく時代だ。
二つの勢力が対立しているきな臭い街、六骨峠に一人の風来坊が現れる。

と、くれば黒沢の名作「用心棒」のオマージュだってのがすぐ分かる。
見てないっすか?
こっちは江戸の中から終わりくらいのお話で、
ヤクザ同士が殺し合いをしているところに
腕利きの侍が来て、知恵を絞って、二つの勢力を駆逐、
街に平和を取り戻すと、背中を一回揺すって去っていく、という
もう、思わずため息漏らしちゃうほど、カッコイイ映画だ。

んで、この「侍」は、それをゲームに使ったんだろうなあと思ったのよ。
ちょっと良い意味で裏切られましたね。

かなりね、ステレオタイプなの。
真夏の入道雲、日暮の鳴く夕闇、月明かりの、夜。
寂れた宿場、蜂起をしようとする青年武士、大ヤクザの親分と、怪しい情婦。
そして政府の密命を受けて暗躍する忍者と、
峠を乗っ取ろうとする、尊大な明治軍人。

この世界で、剣を縦横無尽に振り、戦っていく。
登場キャラクターは、きてれつな奴ばっかりなんだけど、
それぞれ芯を持っていて、性格が簡単じゃない。
下卑た権力ずくの小役人でさえ、ヤクザの情婦と駆け落ちしちゃうなんて、
おいしい役所がある。

ゲームとしてはね、割と簡単。
「苦手」という人にはお勧めできないけど、“やさしい”モードなら、
そこそこ進められる。
プレイ時間は1時間ちょい。んで、マルチエンディングなの。 どこかの勢力につくことで、いろいろストーリーが進んでいく。
別にね、ストーリー進めなくても良いのよ。
街道に待ち伏せして、ひたすら辻斬りだってあり。
「ど、どうして俺が…」なんて、ザコの断末魔聞いてると、
かなりいい感じですわ、うひひひ。
ヤクザの手先になって地上げ屋もできるよ。
もちろん革命の志士にも、正義の侍にもなれる。

ストーリーは独特の脂っぽさと、殺伐さがある。
変なユーモアセンスも、狂ってていいかんじ。
時は明治、時代に飲み込まれていく「侍」として、
どういう風に剣を振るうか、侍の最後の意地を見せることができるゲームだよ。

…一般受けしないっすね。
でもね、ゲームが好きな人には、ちよっとオススメ。
変化球としては、楽しいよ。

う・・・・久し振りにゲーム雑文書いたけど、
すっかり営業口調
とほほほほほほほほ。