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映画の話


と、いっても総合話じゃなくて、
「嵐の中で輝いて」という作品の紹介です。

公開は1992年。ドイツの統一直後に撮影された作品で、
主演はメラニー・グリフィスとマイケル・ダグラス。
東西ベルリンで自由なロケを可能とした、はじめての作品だ。
が、しかし、覚えている人ちょー少ない。

えーと、骨子は「ラブロマンス」ですわ。
時は1940年、戦時下。ナチスドイツがユダヤ人に苛烈な弾圧をし、
しかし、ベルリンにまで空襲がとどくような時代。

メラニー演じるリンダはばーさんユダヤの移民。
映画、特に戦争映画の活劇大好き君。で、生意気さん。
不景気で仕事もなく、仕事はできるけど、仕事がない。
「お嬢様が汚れ仕事とかできるって言うの?」みたいな人。


ドイツ語が話せるということで偶然得た秘書の仕事なんだけど、 なんかおかしい。
言葉は滅茶苦茶、意味がない。上司は笑わない、謎の冷血漢・エドワード。
でも、電話交換士が間違ってとった電話の相手は大統領だったり。
そう、エドワードは大物スパイ・やってた仕事は暗号翻訳だったのよ。
それを見破ったリンダはそんなこんなで気にいられて、
軍の通信施設勤務に。
そしてふたりは、恋におちます。

ある日、ドイツに潜入させていたスパイが殺されてしまう。
すぐにドイツ高官に入り込める人を潜入させねば。
リンダは声を上げます。
「家政婦なら? ベルリンの下町のドイツ語が話せて、料理がうまければ?」

こうして、わずか二週間、マイクロカメラの訓練と、
二重底になっている、ちょっとダサイバッグだけを持って。
彼女はベルリンへ。
彼女を出迎えるのは伝説的スパイ・サフラワー。
彼女には、任務の他に秘めた熱い願いがあった。
「フルートが得意の、ユダヤの従兄弟とその家族を助けたい」

2時間でテンポよく、ドキドキさせてくれるサスペンスです。
特筆すべきは「空気」。
アメリカの不景気、戦争への時代、
そして、ナチス支配下の、ドイツ。
上昇志向が激しかったり、疑心暗鬼が強かったりする軍人、
ナチス少年隊、ベルリンの魚屋。
そして、ワーグナーをやるような上流階級の世界。

厳密なツッコミは入れられないけど、
いいリアリティというか、雰囲気がある。

その世界を、冒険好きの女の人が活躍する。
コミック的な活躍じゃない、等身大の人物描写も好感が持てて、
わりと、B級ではありますが「面白い」作品だと思います。

ぜんぜん有名じゃないんだけど、
最近面白いビデオ見てないなあという人は、ちょっとつまみ食いをしてみても。

「そこそこ」おもしろいよ。