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MAFIA

実に1年ぶりぐらいのゲームレビュー。
いやー、だって、仕事でやってるしよう……。

んで、お気に入りのゲームの紹介です。
PCゲームの、「MAFIA」。とても面白いゲームっす。

舞台は1930年から、戦争前まで。
マフィア映画の基本の時代、
禁酒法なんてアホな法律やるものだから、
闇で酒扱って、マフィアがウハウハになっちゃうという、
そんな時代が舞台のゲームです。

ゲームの基本は、「GTA3」そのまんま。
なんて言っても、コアな人しか分からないので、

「街をポリゴンでそのまま再現、ドライブゲームと
アクションのシステムで、いろんな事ができる」

というゲームです。
まあ、写真を。

(画像は全部、クリックすると拡大するよ。)


舞台は、ニューヨーク。
くすんだ色彩で、ビル街からダウンタウン、貧民窟、
郊外まで完全再現。
そこを本当に自由に歩ける。
結構ストーリー性の高いゲームなので、
ゲームそのものは「何をして良いか分からない」
なんて事はないのだけど、

ただ街を歩くゲームモードもあって、
もうね、ほんとテーマパーク。
高架鉄道や、路面電車にも乗れるし、
時季はずれだから人いないけど海水浴場にいってみたり、
高級住宅地を散策したり、
その、おもいっきり細かい作りは、感動の一言なんだ。
さて、ストーリー。
タクシーの運転手をしていた主人公・トムは
マフィアの逃亡を手伝ったばかりに
敵対組織に狙われ、なし崩しに自分もマフィアに。

最初の仕事がミカジメ料(所場代、お花代ってやつだな)の
取り立てだったりするわけですよ。

そのあとも、レストランのマスターの娘の
ボディーガードをやったりとか、
賭けレースのレーサーなんかもやらされちゃったりもします。


このゲームは海外ならではの自由度もいろいろあって、
例えば事務所の金を持ち逃げしようとするやつがいるんですが、
あらかじめ車のタイヤ撃ってはずしておくと、
次のステージがチェイスになるはずなのに、
その場で撃ち合いになったりね、
「こうやったらうまくいくかも?」
というアイデアが、ちゃんとうまくいく仕掛けが随所にあって、
すごく楽しいです。

その代わり難易度はとても高いんですが・・・。
「Ha! ボーイ、君はヒーローじゃないんだぜ? 
そんな無謀なコトしたら、即死だよ!」という感じで、
何も考えずに撃ち合いをしたら、すぐ殺されちゃいます。
それなのに10人くらい相手にしないといけないし。

それでも、実に多彩で、アイデアたっぷりのカッコイイ
シチュエーション、ストーリーが気分を盛り上げてくれます。

トムの所属する組織のボスは・サリエリ。
彼は街の実権を握ろうとする敵対組織から目の敵にされ、
サリエリはそれに対抗する。
やがて二つの組織は、血で血を洗う凄惨なものになっていきます。
トムもまた、爆破、暗殺、放火など、
その手を血に染めていきます。

このゲームの最初のシーンは、
トムが刑事とある店の奧で待ち合わせをするシーンから始まります。
彼は刑事に、自分がマフィアの一員になった経緯、
そしてサリエリの悪事をすべて告発する、として、
刑事に語っていく、という流れになっていきます。

彼の「裏切り」は何故おこったのか、という疑問を
紐解いていくのがストーリーの鍵となるわけです。

以下ネタバレです。

サリエリは激しい抗争の末、勝利をつかみます。
しかし、一度踏み越えた「力と恐怖」への衝動は、
彼を暴君へと変えていきます。
そんな中、トムは非情なマフィアになりきれない自分を
自覚していきます。
彼は、消すはずだった組織を密告した売春婦を逃がし、
家族を人質に取られ、帳簿を売ろうとしたサリエリの右腕の
逃亡を助けていたのです。

彼は親友が持ちかけた計画にのって銀行を襲い、
その金で高飛びを計画します。
銀行強盗は成功、しばらく身を潜めた後、金を分けるために
親友の家に向かったトムを出迎えたのは、
冷たくなった親友の死体でした。

手を下したのはもう一人の親友、サム。
組織から抜けようとする二人への、刺客。
「売春婦も、ボスの右腕も、ほんのちょっとだけ
寿命を延ばしたに過ぎない。トム、組織の手足は
考えてはいけない、自分の頭を持ってはいけないんだよ。」

トムは、親友・サムに銃弾を浴びせ、生き残ります。


彼はそのまま警察にすべてを告白、サリエリを刑務所へと送り、
自分は新しい人生を西海岸で過ごすことになります。

初老となり、家を持ち、青々とした芝生に水をやっている
トムの背後に、二人の男が車から降りてきます。
「サリエリさんからの伝言だ」
そのセリフとともに向けられるショットガン。

銃声と共に、物語は幕を閉じます。

ゲームとしては難易度がコワレ気味なので、
はっきり言って人にお勧めできません。
しかし、面白い、とても楽しく、ゲームであることは
声を大にして主張したい。

面白い映画が作れない日本は、ゲームでも、
ここまで「映画」的なゲームを作れてはいません。
ストーリー、演出、プレイヤーへのスタンスなど、
ゲーム的な楽しさ意外にも、楽しめたゲームでした。


しかもね、これだけシリアスなゲームなのに、
終わったら解禁されるゲームモードは大馬鹿。
「時速70kmで、炎を引きながら走るランナーをひき殺せ!」
とかそーゆー馬鹿ゲームが楽しめるようになってます。
街のど真ん中に何故かでっかいジャンプ台とかあるし。
ああ、スタッフが頑張ってシリアスやって、
バカを必死でこらえてたんだなあ、と感じさせられるところがあって、

もーね、あらゆるところが「アメリカン」なんだけど、
すごく良いゲームなのよ、コレ。