雑記表紙へ

メディアリテラシー


メディアリテラシーとは、ここ
http://e-words.jp/w/E383A1E38387E382A3E382A2E383AAE38386E383A9E382B7E383BC.html
によると、
>情報が流通する媒体(メディア)を使いこなす能力。
>メディアの特性や利用方法を理解し、
>適切な手段で自分の考えを他者に伝達し、
>あるいは、メディアを流れる情報を取捨選択して活用する能力のこと。

だ、そうです。

大業な事は分からないので、俺の話を。
情報を伝えるって、難しい。
特に、「営業の場合」は。

僕は、ゲームを紹介する原稿を「プロとして」書いている。
書く姿勢として、編集部から要求されているのは、
「ゲームの面白さを伝える。プレイしたいと思わせる。」
この二つの、大命題。
基本的には、「誉める、宣伝する」ということを求められているわけですよ。

で、書く。
僕はお調子者だ。
自分の心がある程度暴走してくれるポイントを探し、“視点”を探す。
もちろんプロなので、全体を紹介できているかを苦心する。
その上で、自分が紹介したい視点は、書く。

ただの「感想文」じゃなく、自分の心を出した上での、「オススメ」原稿。
大好きなゲーム以外でも、書くことのできる、バランス感覚、
ここを評価してもらっていて、なおかつちょっと狂ってる、
これが、自分の原稿のウリなんだと思う。

ゲームとしての利点は伝えているし、エゴを出しすぎないようにする、
なんと言っても、読んで面白い原稿であることに常に心を向けている。
もちろん、実現しているとはとても言い難いけど、これが、目指すところだ。

原稿を書いて、よく言われるのが、
「いらいじゃは本当にこのゲームを面白いと思っているのか?」と、いうことだ。
これに、僕は正直に、否とも、応とも答えられない。
なぜならば、それは、僕自身がそのゲームを好きかという問題になり、
プロライターである僕の原稿とは乖離した質問だからだ。

「好き嫌い」は、完全に個人の物差しであり、
万人が面白いと思うものなど、存在しない。
もちろん、僕自身の好みだって、ある。

どんなゲームも、自分の心を殺して、好みを無視すれば、書ける。
それでも、断ることもある。明らかに僕や、消費者が、
完成度に疑問を持つ作品というものが存在していて、
それに気がついてしまったときは、誉める原稿は書けない。

しかし、それ以外、ある視点で語れば、
たまらなく魅力的なゲームとなる作品の場合は、僕は喜んで書く。
ここで気をつけたいのは、嘘をつかないこと、
触れた人が感じるであろう不満点にも、きちんと注意を向けておくことだ。
仕事だから、もちろん誉める。

気持ち的にはできるだけ、中立な視点を入れておきたい。
ここでは、僕個人の好き嫌いは意味がない。
このゲームには、どんな人が好きになりそうな要素があるか、
どういう人には合わないかもしれないか。
この部分を、感じてもらうように書く原稿というのが、
僕が今のところ目指しているものだ。

僕自身の原稿は、勘違いもするし、多少、好みがモロに出ている部分もある。
我を忘れて、アピールするという部分は僕の売りの部分でもあるからだ。
すごい場合は僕自身の好みから外れてすら書く場合がある。
僕個人は多少ついていけないが、好きな人に向けて、
制作者が大きくアピールしているからこそ、そこを拾い上げる。

話を戻そう。
レビューに対して、僕自身の好き嫌いを聞かれることがある場合、
僕は、 否定的なニュアンスで応えることがある。
この時、原稿と自分がずれていることで、
「嘘をついている、おべんちゃらを書いている」と、
判断されかねないが、 それは、違う。

僕個人は、ストライクゾーンの異常に狭い、好きなゲームの少ない人間だ。
しかし、プロの自分が書く原稿は、自分の好き嫌いは、
ある程度超越しなくてはならない。

そのゲームをプレイすると、どういった楽しさが得られるか?
制作者は、どこを見てもらいたいと思って作っているのか?
このゲームのテーマは何で、それがどこまで達成されているのか?
完全中立は不可能だ、しかし、制作者サイドよりも、プレイヤーに近い部分で、
ゲームの「感触」が伝えられればと、思っている。

もちろん、足がかりとして、狂っている自分ならではのポイントも出す。
セガが好きだったり、飛行機が好きだったり、
ウルトラマンが好きな自分が見た場合、
このゲームは、こういう部分が優れている、といった視点。
大部分を営業的な誉め方をしつつ、
判断材料のひとつとして、自分の視点を「例」として出してみるのだ。

僕の書き方が正しいか分からないが、個人のホームページとは違う、
公人的な視点で、僕は原稿を書いている。
できれば、この姿勢で、安定して仕事がもらえるようになればと、
ちょっと思っている。

断言していてなんだが、
あまり、こういう部分は突き詰めないで、多少混乱したままが良いかも、とも思う。
「天然」が僕の味なのだ。自分のセールスポイントを自覚して、
そればっかり強調すると、勘違いもひどくなる上、内容が薄くなる。
表現に凝る労力を使うならば、内容を詰めたいし、情報を載せたい。

全然自信はないけど、ちょっと自戒と励ましを交互に繰り返して、
プロの道を進んでいきたいと思う。