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彼女たち
「ぎゃはははははははは」
辺りをはばからない大声、というものがある。
そして発信源には、彼女たちが、いる。
青、銀、金、バラバラに染めた、あるいは抜いた髪。
瞼、唇、金属色の強調した、化粧。
浅黒い肌。ものすごい高さの靴底。
彼女たち、である。
オタクである僕は、どうしても彼女たちになじめない。
わりと軽い気持ちで、彼女たちのセンスを否定する。
お互い様であるが・・・・・・。
しかしである。ふと気がついたのだが、彼女たちは、
誰に向かってその姿をアピールしてるのだろうか?
そう、ひょっとしたら、異性ではないのであるかもしれないのだ。
わりと驚きである。ま、男の方の「かっこいい」も、大いなる勘違いではあるが、
化粧というものは、本来、異性を誘惑するためのものだったのではないだろうか?
鏡に向かって顔を作る。
自分の姿をイメージ通りに変える。それはとても納得できるし
楽しいことだと僕も思う。
どうしても「ホットドッグ」とか、「ポパイ」(もうないんかどーかもよくしらん)
での思考ベースがあるのである、化粧って言うものは。
「こうすればモテモテ!」
「オンナイチコロ!」
というため、「男は!」なんていのとは違う、「人を意識した」ものなんである。
昆虫の擬態なんかと同じ、見てくれたものの意識を考えてやるものなのだ。
彼女たちの、その相手の意識を考える気持ちの欠落は、
ひょっとしたらものすごい物じゃないかと、
推察しちゃうわけだ。
見られている、というのを意識せず、「自分のためのもの」
なんじゃないでしょうか?
なんかの漫画で、「男は髪の長い男に惹かれることを知っていて
彼女は髪を伸ばしている」てのがありました。
彼女たちは短い原色のスカートをはきます。ノースリーブだったりします。
媚びてるようにしか思えないのに、実は違うとしたら、どうでしょうか?
わかりやすい男の頭の悪い理想像から行くと、
化粧っけがないとか、そのままとか、そう言う馬鹿なたとえがでてきます。
彼女たちはそこから激しく反発してます。化粧のうまいいい女ってのとも違います。
頭の悪くて単純な男の好み、ってとこから激しく離れた向こう岸の存在。
それが、彼女たちであるとしたら、どうでしょうか?
男に媚びず、自分のセンスを信じて、自らのカッコを磨く!
いいじゃないですか。きちんと、自己主張してるんです。
アリですよね、認めましょう。彼女たちは世間の常識というものから、
反抗してるんですよ。
エッジは世間から理解されない物です。
しかし、その孤高性こそが、彼女たちの誇りの証明になるじゃないですか!
・・・・・なんてね。
そんなわけないのです。本気だと思いました?
だってあの人達、みんな同じ格好してるじゃないですか。
ほんのちょっと違うところで個性とか言われたって、
世間じゃザクか旧ザクかグフかなんて分かんないのと同じで、
何の意味もありゃしません。
同じような価値観の人たちが、同じ所に集まって、
自分たちにしか分からない話を、同じ格好でする。
これって、オタクでしょ?
そう。彼女と、僕達は同じ存在なのよ。
劣等感持ってるか、そうでないかくらいだと思うぞ。
まぁ、劣等感までなくしたらオタクもおしまいではあるが、
せめて自覚しとくってのが、ありだと思う。
彼女たちは自覚のないオタクに似ている。
秋葉原に行って、そー思ったわけ。
なお、本文中の「僕達」は、読者の方々を必ずしも、指しません。
う、でもよく考えたら、二十歳前の女の子の行動と、
30過ぎの男の行動が同じレベルだったら、やっぱり危ないか?
そうなると、それはそれで問題あるな・・・・・・・
とほほほほ、だいなし。