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早すぎる・・・・


あるホームページ評に、「更新・なし(月一?)」と書かれてしまったので、
もうネタなら何でもいい、と言うことで、「思い出話」です。
「私はそのころ根府川に住んでましてねぇ」という、アレです。

ま、きっかけはJJにぽろっと話したこととか、
”ギルドマスター・りん”と”衝撃のシャオラン(ちょっと違う・・)”が
UO結婚したとかで、
「そうさのう」とマシューのような遠い目で、昔語りがしたくなった・・・と。
30もすでに遠くないしな。

もう半年以上昔の話になる。(ぐはあ、振り返ると昔だねぇ)
そのころ僕は「トレジャーハンター・イン・ブリタニア」略称TIBの
8番目のメンバーだった。

きっかけはりんの一言だった。
「実はライアン、僕TIBをやめようと思うんだ」

僕にはその一言は非常な驚きだった。ようやくりんを、
「さん」付けで呼ばなくなった頃の話だ。
Dとジュナス、ゆずき、もっちの、そしてりんの人柄に惹かれ、
入ったギルド、「TIB」
おーじろう、鉄郎、という同期の仲間も出来て、
ICQで声を掛け合い、ギルドのメンバーと動くことが楽しくてたまらないときだ。
「どうしてなんですか?」
と、打とうとした瞬間には、りんの黄色いローブをまとったキャラの頭の上には、
文字が浮かんでいた。
誇らしげに、きっぱりと。

「僕は新しいギルドを作ろうと思うんだよ」

す、すごい。大きい男だ、こいつぁ。
たけおみや、リーダー、Dと同じ土俵に立つというのか!
すげえぜ、りんさん!
ギルド設立には、6万GP近くの大金が必要なんである。
白状しますが、僕は未だに3万以上の貯金をしたことがない。
まして当時の僕ははじめて一ヶ月半の初心者君。
目の前にいる「ちょっと先輩」が実はものすごく
隔たりのある人であることに気が付いた瞬間だった。

りんはこの想いを秘めていて、そしてついに旅立とうとしているのだ。
りんならば、きっと素晴らしいギルドを設立する事が出来るだろう。
「すごいね、がんばってよ、りん!」
僕はこう打った。
そして次のせりふだ。
「ライアン、僕と一緒にギルドを作らないかい?」

青天の霹靂という言葉がある。
広辞苑によると、
・・・・突然の変動、または急に起こった大事件。とある。
このことば以外に僕の状況を言い当てている言葉があるだろうか?
いや、ない。(反語)

「お、俺?」
「うん、手伝ってほしいんだ。」

うれしかった。僕はこういう言葉をかけられたことって、ほとんどないのだ。

だけどね、だけど、変化を嫌う、「臆病な俺」がむくむくと頭をもたげてきたのだ。
いや、それだけではないと言い訳もつけておきたい。
だってギルドに入ってから一ヶ月足らず、TIBの「ムボー・ファイター」
として、ようやく自分を定義できた時期なんである。
りん、おーじろー、らいあんの、
ど根性無謀」の「三馬鹿トライアングル」で強くなっていこうと、
一つの星を見つめ、誓い合い、優しい先輩たちをいつか追い越そうと、
ともに拳を握っていた時期なのだ。
(ちと大げさかもしれないけど、俺はそう思ってたよ、マジで)
そう、あくまでもTIBという傘の下の自分を考えていたのだ。

「ごめん、考えさせてくれ」
僕は正直にそう打った。

そして、僕は三日間悩んだ。
ホント、眠れぬ夜を過ごしたのだ。
菊池秀幸好きの、Dを裏切ることになるのではないか?
おーじろう達、せっかく知り合った友達、と別れねばいけないのか?
そしてなにより、鉄郎を誘っておいてギルドに入ってくれた瞬間、
自分が抜けるようなまねをしていいのか?
僕は悩んだ。
だけど答えは決まっていた。

そう、もう決まっていたんだよね。

「君をささえよう」

僕は三日後、りんにいったよ。
僕を必要だと言ってくれたのだ。応えないような考えが、浮かぶはずはないよね。
新しい人を募り、ギルドを作るのだ。
そして、言ったその日が、旅立ちの日になった。

全く新しい街でスタートし、新しいメンバーを募りたい、
とりんは言ったんだ。
そして僕らが選んだ街は、ベスパーだった。

あのころ、僕らは共に釣りスキルを少し持ち、
共に船での冒険に、憧れを抱いていた。
全ての船乗りの立ち寄る場所、ブリタニア第2の街、
ウルティマのトレーダー分岐点(か、どーかはしらんけど・・・)
ベスパー

りんと僕は、そこにいた数人の知り合いに自らの旅立ちを宣言した。
「がんばれ、りん」
「いいぎるどつくれよ」
なんて言う友人達の声に、僕は熱い思いがこみ上げてきた。
かすかに耳に聞こえる曲、それは、
「母を訪ねて三千里」のテーマソング。
♪ さあ、出発だ! いま、日がのぼる〜 ♪
耳に響く、幻のギターの音と共に、りんのルーンで、
僕達はベスパーに降り立ち、はじめての宿屋で、ログアウトした。

んで、次の日である。
僕はのっぴきならない問題に直面した。
不便なんである。
トリンシックを隅の隅まで知り尽くした、
生粋のトリっ子とチューンされてしまった僕は、
見知らぬ街ベスパーは非常に歩きにくいんであった。
おまけに小島と小島が橋でつながっている沈みゆく都なんである。
ストレス12倍(当社比)

そんな僕が、買い物をするために、トリンシックにリコールしたって、
良いじゃないですか。
そうでしょう、陪審員の皆さん?
そして知り合いに当然あってしまったんですよ。
リオーネに。
開口一番、彼女は言いました。
「何でトリにいるの?」
「は?」
「昨日あんだけムードたっぷりに送り出したんだから、
戻ってくんの、いくら何でも、早すぎだろぉぉぉぉぉぉ?」


ええ、ごもっともです、ごもっともですとも。
幻のギターの音は、もう聞こえなくなっておりました。
しくしく。

てな事があって、我らがギルド、
「Paint It Peace」
が、スタートするわけですよ。