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プリンスエドワード島

「赤毛のアン」というのは、
日本では戦後すぐに紹介された「少女小説」です。

孤児の少女アンが、男の子と間違われて老いた兄妹マシュウとマリラに
もらわれるところから物語が始まります。
幼い頃に両親を亡くしたアンは、間違われたことを知らずに
マシュウに連れられて訪れる小さな田舎の村が「エヴォンリー」。

アンはその美しさと未来に感動をし、思いの丈をものすごい勢いでマシュウに話します。
内気すぎるために間違えたことを言い出せないマシュウ。
見えてくる家「グリーンゲイブルス」にアンの興奮は最高潮になります。

この美しくて、残酷な景色は、
マシュウとマリラの「決心」によって、アンの「幸福」へと変わります。
アンは11年の間与えられなかった「家庭」を得ることが出来、
二人の愛情を受けて、その伸びやかな天性を育てていきます。

アンのユニークで強烈な個性と、美しいエヴォンリーの自然。
朴訥な、素朴な田舎町を愛情あふれる筆致で描く、それが「赤毛のアン」の物語です。
アンはやがて美しく賢い女性に成長し、それ以降のシリーズで活躍していきます。

ぶっちゃけると、この小説を読んだのは、行きの飛行機の中でした。
目的地はプリンスエドワード島。モンゴメリが「赤毛のアン」のモデルとした場所です。

この島を訪れるのは、母の長年の夢でした。
小説を読んだ今なら、それがわかります。
不幸な少女が、愛情に包まれてその個性を発揮して幸福になっていく話。
これは、多くの少女の夢になる、それがよくわかる、素晴らしいお話でした。

母の生涯の夢であり、これを今回叶えられたのは、幸運でした。
母ははしゃぎまくりでしたし、僕の人生の目的の1つでもあったので、
とても満足しています。

赤毛のアンの故郷を訪ねるツアーは、毎年数回行われる、実はかなり人気のツアーです。
今回は、メンバー20人でした。
20人中17人がおばさん。それも孫のいる方の多いツアーでした。
僕はまあ、ちょっと距離を取りながらその集団についていくという感じでしたが、
けっこー楽しめましたよ。

以下、写真と共に思いでなんぞを。

例によって、写真はクリックで拡大ね


エヴォンリーのモデルになった、キャベンディッシュという村です。
この地域はジャガイモ畑と牧草地しかない超絶ド田舎。
赤毛のアンを観光のテーマとしていて、色んな施設がありますが、
避暑地としても発達していて、ゴルフ場と遊園地があったりします。
海も近くて、漁船がロブスターを採っています。
プリンスエドワード島の名物は、シーフードとジャガイモと言うことで、
食べ物はシーフードチャウダーとか、ロブスターとか、
シーフードを包んだクレープとか。
クランベリー(野いちご)も名物で、
サラダのソースとかにも使われてかなり異国情緒でした。

プリンスエドワード島は赤土で形成されていて、島の道は真っ赤っかです。
ツアーのほとんどは曇りと時々雨という天気でしたが、
外に出られないほどに強くはなく、楽しめました。
ちょっとヤブ蚊が多いのが困りもので、虫除けは必須ですよ。

キャベンディッシュにはグリーンゲイブルズを再現した場所があって、
アンの部屋とかもあります。
恋人達の小道とか、お化けの森とかもあって、アンの気分に浸れます。
ここにはモンゴメリの暮らした郵便局や実家跡、そしてお墓などもあります。
アンだけでなくモンゴメリ自身も掘り下げてあります。

こちらは、 プリンスエドワード島各地にあるモンゴメリ関係の建物。
モンゴメリの親類の方がホストをしてくれるところもありますよ。
湖は、「輝く湖」のモデルになった場所。
プリンスエドワード島は実際には島の奥まで海が入っている、
ほとんどが「入り江」なのですよ。

ちょっと都会那風景は、「シャーロットタウン」。
プリンスエドワード島一番の街で、大学の集まった学生街の一面もあります。
ド田舎なのは変わりませんが。
気さくな人が多く、道案内をかってでてくれたり、とてものどかでした。
この島は、全体が他のカナダの街よりものほほんとしていて、
なんか別世界のようでした。

ロブスター屋さんで出迎えてくれたアンちゃん。
毎年島中から選ばれて観光事業に協力するんだってさ。
赤毛のアンそのままに、島にはたくさんの花が咲き乱れていて、
散歩していると小さな動物たちにも会えます。

正直、1000枚近く写真とってきたし、他にも色んな場所を回ったんだけど、
とても紹介しきりません。
とても楽しい、満足できたツアーでした。

こういう時間がもてるというのは、ホントに幸運だね。
すべてに感謝しました、ホントに。