今年も紅葉を見に行こうとぶらり出かけました。いつもと違うルートを通っていると珍しいものが目に入ってきました。
パッと見た目には何の変哲もないただの住居表示なのですが、よく見ると「下京区」という表記が右から左へ向けて記載してあり、「区」の字が昔表記になっています。そして今となっては見られないでしょうが、住居表示の下には「仁丹」の企業広告(遠い昔には街中でよく見ていたような思いがして、何か懐かしい!!)。そして何よりも、この住居表示が「通り名」を基点に場所を示す、京都市中心部で使われている住居表示となっています。
この京の「通り名」を使った住居表示は、「条坊制」と呼ばれる碁盤の目の計画都市として作られた平安京(794年(延暦13年)に桓武天皇により定められた日本の首都。「鳴くよ(794)ウグイス(若しくは泣くよ(794)坊さん)平安京」の年号語呂合わせは有名!昔一生懸命に覚えてましたね〜。)以来受け継がれている、千年の長きに亘る伝統的な表示法ということで、現在では、上京区、中京区、下京区、東山区の4区と左京区の一部に残っているようです。
一つ見つけると他にもあちこちで見かけられるのかなと思いきや、さすがに見当たりませんでした。
この住居表示看板は、建物の外壁に釘で打ち付けてあるのですが、街の建物もすっかり依然と変わって建て替えられたのか、今ではこうした昔風の「通り名」の入った住居表示看板も減ってきているのでしょうね・・・。