京都観光の際、鑑賞をより深みのあるものにするための主な庭園作家に関する予備知識です。
1275〜1351年。鎌倉末期から南北朝時代の臨済宗の高僧。夢窓は号。造園に優れ、足利尊氏の帰依を受けて全国に安国寺を建立し、利生塔を設置するほか、多くの寺を開き、そこに作庭しました。後醍醐天皇没後、天皇の霊を祀るため、尊氏に勧めて天龍寺を創建。西芳寺や天龍寺などの庭が有名。
1579〜1647年。徳川幕府初期の武将、茶人。名古屋城の天守、大坂城本丸、二条城、江戸城や禁裏・女御御所などの作事奉行となり、公武にわたる作事奉行の第一人者となりました。利休や織部と並ぶ三大茶人の一人でもあり、遠州流の流祖で、徳川家光の師範。建築、歌道、陶芸に達識のほか作庭にも非凡の才を発揮し、桂離宮などの庭園には「綺麗さび」と呼ばれた茶道の心が影響を与えています。
明治、大正期に活躍した造園家。山県有朋の別荘、無鄰菴庭園、平安神宮や円山公園等の庭園を手がけました。
大正から昭和にかけての作庭家。東福寺方丈庭園、大徳寺瑞峯院の独坐庭等の代表作をはじめ、生涯で二百以上の庭を造りました。また、庭園史研究家でもあり、著書に「日本庭園史図鑑」があります。