2005.12.19 池袋 バレルハウス 報告者 K.T.
出演 渡辺勝(vo.key.) 関島岳郎(tuba) 下村よう子(vo.)他多数
off note の今年最後のライヴは、前半が渡辺勝と下村よう子のウタモノで後半が中尾勘二隊のクダモノという盛りだくさんの二部構成、off
note のライヴは出演者数が多くて音数が多すぎてつかれるなどとワガママをいってふだんは足を運ばないアタシではあるが、会場が池袋西口のバレルハウスであると聞いて、顔を出すことにした。池袋なら地元みたいなものなので、仕事の帰りにちょこっと寄るといったノリで行ける。
ライヴは渡辺勝のうたからはじまった。渡辺勝は CASIO PriviA という名称のデジタル鍵盤楽器を弾きながらうたう。バックにはチューバの関島岳郎がつき、さらにサックスとトランペットの音が加わる。当夜の演奏曲名は、以下のとおりであった。
1.大寒町
2.夜は静か通り静か
3.僕の倖せ
4.酒が飲みたい夜は
5.いつか
6.雨の柱
7.塀の上で
2曲目が“夜は静か通り静か”である。この曲は稲生座あたりだとアンコール用の曲で、これが終わると一杯やれるという雰囲気がおのずからただよってしまう。この曲をこんなに早くやってしまっていいのかと思う。
“酒が飲みたい夜は”と“いつか”は、高田渡ナンバーである。演奏者が酒を飲みたがっているということはなかったはずである。
“雨の柱”は、“大寒町”の作者鈴木博文の曲である。渡辺勝のヴォーカルで聞くと、しっとりと沁み入ってくる。
“塀の上で”は、鈴木慶一の曲である。この曲も湿度が高い。途中から下村よう子が加わり交互にヴォーカルをとる。鈴木慶一がうたう“塀の上で”よりも切実に心に迫ってくるものがあるように思えた。
その後下村よう子が何曲かうたって、前半は終了した。下村よう子は最後に“あなたの船”をうたったが、冒頭の“坂をのぼれば潮風が”のところは斉藤哲夫調で短い坂道を一気にのぼり切るがごとくうたい、“今日まで今日まで”のところは竹田裕美子節を踏襲してうたっていた。
後半の中尾勘二隊では渡辺勝はキーボードを担当し、総計八名のブラス隊に対峙した。中尾勘二隊の演奏は、祝祭的雰囲気に満ちた年末にふさわしい演奏であったといえよう。