2004.01.29  初台 The DOORS   報告者 K.T.

出演  第1部 エミグラント(渡辺勝/イマイアキノブ/川下直広/関島岳郎/船戸博史/中尾勘二/松村孝之)
     第2部 いとうたかお with エミグラント   

 昨年夏以来の聴覚障害がなかなか完治せず、しばらくライヴから遠ざかって鬱屈していたところに、off note の神谷社長からDMが届いて、29日初台のエミグラント&いとうたかおライヴ、当日3,500円のところ前売または予約だとなんと3,000円ポッキリというお誘いであった。行きたいことは行きたいのだが、その日になってみなければ聴覚の状態はわからないので、当日判断いたします、と返事を出して、さて当日になってみたら、その数日前から居ついていたHAL-2004型という新種の副音声発生装置がまだ左耳の中にいる。そのため音がダブって聞こえる。これはアカンかなあと思い、なかば欠席のほうに傾いていたところ、ライヴ開始の4時間半前になってまた神谷社長からメールが届き、本日前売扱いにしてあります、心よりお待ちしておりますとの由、それでK.T.が重い腰を上げた。浮動層はあてにしないで強固な支持基盤を手堅くまとめるという off note の自民党的手法、まことに見事である。今後の課題は無党派層をいかに取り込むかといったところか。会場に着いて客席を見渡してみれば、おおかた知った顔ばかりであった。

 第1部に出演したエミグラントの当日のメンバーは、以下に記す7名である。

 渡辺勝(vocal,keyboard,acoustic guitar)
 イマイアキノブ(vocal,electric guitar,acoustic guitar)
 川下直広(tenor saxophone)
 関島岳郎(tuba,recorder)
 船戸博史(contrabass)
 中尾勘二(drums)
 松村孝之(percussion)

 エミグラントの演奏曲目は下記の通りである。“ハレルヤ”と“石の花”ではイマイアキノブが vocal を担当した。それ以外の曲では、渡辺勝が vocal を担当した。

1.冬の朝
2.夢
3.アムステルダム
4.東京
5.道草
6.ハレルヤ
7.石の花
8.チャーリーのバー
9.亡命
10.白粉
11.いつも一緒に
12.八月

 およそ3か月前の江古田BUDDYにおけるライヴにくらべるとバンドとしての一体感が増したように感じられたが、もちろん聴覚のおかしなヒトのいうことだからあてにはならない。イマイアキノブがヴォーカルを担当した2曲は、パワー全開の迫力で、底冷えのする会場を熱くした。それに続いてなだれ込んだ“チャーリーのバー”がまたたまらない演奏で、はちみつぱいがライヴで展開したいつ果てるとも知れぬすさまじい渾沌状態を思い起こさせた。まばゆいカオスにアタマがクラクラする。それから一転して、おだやかな印象の“亡命”に入る。だが激しさをうちに秘めた静けさだ。毎度のことながら聞いていてうれしくなった。

 第2部のいとうたかおは、最初の2曲がギター弾き語り、3曲目の“I shall be released”と思われる歌(歌詞はニホン語)は川下直広(ts.)とのデュオ、そして4曲目以降はエミグラントをバックに従えての演奏であった。印象的なフレーズがいくつか、玉となって心に残った。

 出演者全員が参加したアンコールの1曲目は、いとうたかおヴォーカルの“Love Song”であった。これは本篇でも演奏された曲だが、ミスが出たために、いとうたかおの発案で急遽もう一度演奏するということになったようだ。犯したミスはその日のうちに取り返しておきたいというキモチはわからなくもないが、聞く側からすれば、1曲損したような気分にもなる。2曲目は渡辺勝ヴォーカルの“夜は静か通り静か”で、これは予定通りであったと思われる。この曲ではいとうたかおはハーモニカを担当した。

付記
一時はメガネが合わないといっていずれもステージ上ではメガネを外していた渡辺勝といとうたかおが、それぞれメガネをかけて歌っていた。新しいメガネを購入することができたのであろうか。そうだとすれば実にめでたいことである。



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