2003.05.16 池袋 シルバラード 報告者 K.T.
出演 渡辺勝 with SIL,BALLAD UNIT 渡辺勝(g.vo.) 森俊也(key.) 新井秀夫(g.) 永田利樹(b.) 高田正則(ds.) 早坂紗知(sax.
per.)
渡辺勝 with SIL,BALLAD UNIT の本拠地として知られる池袋のシルバラードが5月いっぱいで閉店することになった。というわけで、渡辺勝
with SIL,BALLAD UNIT がシルバラードで演奏するのは、これが最後となる。センチメンタルな日本人はおしまいの雰囲気をことのほか好むことから今回はたいへんな集客になるであろう、という当方の短絡的な予測はスカッと外れ、まずまずの入りにとどまった。
演奏された曲は以下のとおりである。
1.立ち止まった夏
2.夢
3.土埃
4.チャーリーのバー
5.東京
6.道草
7.帰り道
8.OLD FRIEND
9.花嫁御寮
◆中入り◆
10.冬の朝
11.アムステルダム
12.君をウーと呼ぶ
13.truth
14.白粉
15.いつも一緒に
16.八月
17.別れ来る
◆アンコール◆
18.白粉
本年1月のシルバラードにおけるライヴでは、渡辺勝がギターを弾いた曲もあったが、今回は渡辺勝がヴォーカルに専念するという形態で通した。演奏は総じて堅実で、セレモニーの式次第にのっとって進行しているといった印象であった。ふだんはアンコールを求めない常連筋が率先してアンコール求めたのも、閉店するシルバラードに対する最後のあいさつだったのであろう。
昨年早坂紗知が加入してからは jazzy な味わいが強化され、実験性の高いスリリングなプレイが随所にみられるようになっていたが、今回はちょっとカドが取れた感じだった。
本篇最後の曲は、エノケンの歌をカバーした“別れ来る”(作詞作曲三木トリロー)で、なってるハウスでもライヴの最後に演奏することが多い曲であるから、これは予想の範囲内である。ひそかに期待していた“君と空と道と僕と”は、演奏されなかった。“ビルの谷間で又一つの閉じたバーがあったよね”というフレーズがあまりにもリアルで、誰にとってもつらすぎます、といったところだろうか。