2002.12.12  池袋 シルバラード   報告者 K.T.

出演  渡辺勝 with SIL,BALLAD UNIT  渡辺勝(vo.) 森俊也(key.) 新井秀夫(g.) 永田利樹(b.) 高田正則(ds.) 早坂紗知(sax. per.)  

 池袋シルバラードにおける渡辺勝 with SIL,BALLAD UNITのライヴを聞きに行くのは今回がはじめてである。2001年の3月のライヴは仕事の都合で行けず、同年5月12日のライヴは、同日同時刻に高円寺の稲生座で野澤享司のライヴがあったために、将来とちぎポップ資料館の主任学芸員の地位に就くべき存在であったという立場上、どちらを選ぶかは自明のことであった。それで環七を走る赤羽発高円寺行きKKKバスの客となったのである。
 今回のライヴは、新作“COTT,BALLAD”が8月に発売されてからはじめての渡辺勝 with SIL,BALLAD UNITのライヴということになる。2部構成で、第1部では、2000年発表の前作“SIL,BALLAD”の曲をCDと同じ曲順で演奏し、休憩をはさんだ後の第2部では、新作“COTT,BALLAD”の曲をCDと同じ曲順で演奏した。そんなわけで、セットリスト担当者は楽をさせていただいた。

第1部  SIL,BALLAD SIDE
1.立ち止まった夏
2.冬の朝
3.夏の終りのラプソディー
4.東京
5.君をウーと呼ぶ
6.星が生まれたよ
7.闇に浮かんだ50の音
8.君と空と道と僕と
9.チャーリーのバー
10.truth

第2部  COTT,BALLAD SIDE
11.白粉
12.夢
13.OLD FRIEND
14.道草
15.いつも一緒に
16.春三月
17.土埃
18.八月
19.帰り道
20.白粉(唄入り)

 “君をウーと呼ぶ”は、“SIL,BALLAD”ヴァージョンで、後半の“今日は夏祭りだ”以下の部分はカットされている。
 “春三月”では、早坂紗知が△(トライアングル)をチーンと鳴らしていた。前回12月6日の稲生座のライヴ報告で、この曲について、“泉鏡花でいうたら『春晝』だろうか。うらうらとのどかにおそろしい。”と記したが、△が使われるとますます『春晝』めいてくる。このあと□と○が持ち出されたら、ほんとうにおそろしいことになります。
 CD“COTT,BALLAD”の10曲めの“白粉”は Instrumental であったが、今回のライヴの第2部ラストの“白粉”は、唄入りで演奏された。

 楽器の演奏はSIL,BALLAD UNITに丸投げして自分はヴォーカルに専念するという渡辺勝の潔さが爽快である。UNIT構成員の好サポートにもささえられて、印象的な言葉がさまざまなところに的確に届けられたライヴであった。

back