2002.12.27 吉祥寺 Planet K 報告者 K.T.
出演 ヨシンバ 旭荘201 Waffles ビューティフルハミングバード ザ・カードボードボックス
Guest 野澤享司 斉藤哲夫
野澤享司の2002年最後のライヴは、“喫茶ロック 吉祥寺ミーティング”と銘打たれたイベントであった。18時過ぎに始まり23時過ぎまで、オールスタンディングという環境は、高齢者には過酷である。そのため、18時過ぎに一度入場してから、すぐに手の甲にスタンプを押してもらって外に出て、Planet
K の階上のドトールコーヒにて時間をつぶす。そこで20時過ぎまでねばって、Planet
K に戻る。場内はちょうど休憩時間であった。それから Waffles の演奏があり、21時を過ぎて、野澤享司がステージに登場した。客層は20代が中心といった感じで、野澤享司を聞くのははじめてだという人がほとんどではないかと思われた。しかし“迷走”一曲あれば大丈夫である。MARTINの音色がひとたび流れると、聴衆の体内の気の流れがみごとに整うことになっている。畏るべし、野澤マジック。満員の聴衆は、呼吸を止めて聞き入っていた。当日の演奏曲目は以下のとおりである。
1.迷走
2.悲しみは Blues で
3.アルバートが唄ってる 2003
4.君想い唄おう
5.Come Together 〜 それでも Lucy は空に
6.君が気がかり
今年何度かトラブルに見舞われた Epiphone も、しっかりと鳴っていた。
“アルバートが唄ってる 2003”は、URC盤“白昼夢”所収の“アルバートが唄ってる”のニュー・ヴァージョンである。冒頭に、状況を説明する歌詞が付加され、また、アルバート君が唄っている曲という設定で、ビートルズの“She’s
a woman”が挿入されている。このヴァージョンは本邦初演とのことである。
“君が気がかり”は、ヨシンバとの共演であると予告されていたので、以前から楽しみにしていた。斉藤哲夫とヨシンバによる“君が気がかり”は、しばしば演奏されているようだが、ヨシンバを従えて野澤享司が歌うということになると、これもおそらく本邦初演であろう。真剣勝負の他流試合といったおもむきになるのではないか、と期待していたのである。しかし、その演奏に急遽参加した斉藤哲夫が後半部のヴォーカルを取ったことで、その期待は裏切られた。なごやかな雰囲気の中で“君が気がかり”が終了し、続いて同じメンバーによって斉藤哲夫の曲、“夜空のロックンローラー”が演奏された。“夜空のロックンローラー”では、野澤享司はギターに専念し、譜面を見ながらコードをストロークで弾いていた。その後、斉藤哲夫と野澤享司はステージを去り、当日のトリをつとめるヨシンバの演奏が始まった。