2002.11.09  宇都宮 Melody House   報告者 うすあげ

かしぶち哲郎&野澤享司クラスメイトライヴ 別名「かしぶち故郷に錦及び創業52周年ジョイント野澤享司ライブ」

出演  野澤享司  かしぶち哲郎

A.野澤享司ソロ
 1.迷走
 2.悲しみはBluesで (ギターのみ)
 3.君想い唄おう
 4.Whiskey River Blues
 5.大地の鼓動
 6.Come Together 〜 それでも Lucy は空に
 7.万川集海
 8.虹の彼方に
 9.時はいつも静かに

 いつものように「迷走」で客席の度肝を抜いたあと、「悲しみはBluesで」の演奏が始まりました。ハタと気がつくとハープがない。これも渋くていいではないかと思いながら聴きました。ライブの終わったあとで聞いたところによると、「家に忘れてきた。演奏を始めてから気がついた」そうであります。
 4曲目「Whiskey River Blues」の途中で、突如エピフォンが故障、ギターの音をマイクが拾わなくなってしまいました。こしみず一派から元気な声援がとび、まもなく演奏を再開しましたが、マイクの音は復旧しないままでした。その後の演目はかなり変更があったようです。
 A−6の演奏前にとうとうエピフォンをあきらめ、宇都宮イサト氏からギターを借りて演奏することになりました。宇都宮イサト氏のギターはLakeWood、とヘッドに書いてありました。ネックの下のボディがえぐれているデザインでネックの太さも違っていて、持った感じもかなり違うだろうと思われるのに、苦もなく弾きこなしているように見えました。
 A−9は新曲だそうです。はずむようなリズムのイントロから、ヴォーカル部分は一転して流れるようなバラードになります。

B.かしぶち哲郎ソロ
 1.D/P (ギター&カラオケ)
 2.自由なメロディー (ギターのみ)
 3.Beep Beep Be...all right (ギター)※
 4.屋根裏の二匹のねずみ (ギター)
 5.砂丘 (ピアノ)
 6.冬のバラ (ピアノ)
 7.スカーレットの誓い (ピアノ)
 8.憂うつな肉体 (ギター&カラオケ)
 9.リラのホテル (ギター)

 最初は緊張気味だったかしぶち氏もプログラムが進むにつれてリラックスし、のってきたように見うけられました。特にB−4、B−7では客席からのコーラスもついて、楽しそうでした。今回は「故郷に錦」ライブということで、宇都宮時代の曲中心のラインナップです。B−2からB−6、B−8、B−9が高校時代につくったものだそうです。
 ※ ムーンライダーズの『イスタンブールマンボ』所収の曲ですが、今回の歌詞はオリジナルバージョン。
    もう恋はいらない
    バスが出る時間だ
    キミをおいて行きたくないけど
    わかってくれるね もう行くよ
    バスが出る……

C.かしぶち哲郎&野澤享司
 ふたり並んでステージに着いた直後、野澤氏が突然、どうしてもやりたい曲がある、と言い出しました。かしぶち氏は野澤氏のわがままぶりに少しあきれたような表情をしながらも「コードは何? 手伝おうか」とやさしく尋ねたのに対し、野澤氏は「いい。聴いてて」と冷たいお答え。それから野澤氏は客席に向かって、「みんなの知っている曲だから1番はぼくが歌うけど、2番と3番は一緒に歌って」。しかし、流れてきたギターのイントロはブルースっぽいフレーズというだけでなんの曲だかわかりませんでした。そして、続いて歌われたのは、「Happy Birthday to You …」。11月9日はかしぶち氏の誕生日だったのでした。
 客席は大いに盛り上がりました。かしぶち氏も嬉しい驚きだったようで、メガネをあげて涙を拭くマネをしてサービスしてくれました。みんなで『Happy Birthday』を合唱し、52本の赤い薔薇の巨大な花束贈呈、かしぶち氏がバースデイケーキの蝋燭を吹き消したあと、ジョイントライヴに入りました。

 1.今日は雨の日です (野澤ギター、かしぶちギター)
 2.君が気がかり (野澤ギター、かしぶちドラムス)
 3.笛吹童子のバラード (野澤ギター、かしぶちドラムス)
 4.言葉、失くして (野澤ギター、かしぶちピアノ)
  アンコール 〜  釣り糸 (野澤ギター、かしぶちピアノ)

 C−2は客席から宇都宮気がかりシスターズ(仮称)のコーラスが入りました。私も便乗して歌いました。
 3曲目は今まで聴いたのとはまったく違った雰囲気の「笛吹童子のバラード」でした。どう違うかというと、ここにMS氏の解説を引用します。

  真ん中にBob MarleyのGet Up Stand Upを挟んで部分レゲエなバージョンでした。
  結構はまっていい感じでしたね。

 アンコール曲を含めて5曲全部、息のあった演奏でした。ふたりとも自分の曲のときには思いっきりとばし、相手の曲のときにはより引き立つようにと心のこもった演奏で、どちらのファンもきっと満足したことでしょう。


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